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からだが変わると「過去」も変わる。

よく「今を生きる」ということばを目にしたり、耳にしたりします。

「現在」「過去」「未来」という、三つの時間軸があるとして、この三つは、実はすべて「自分が創り出しているもの」であり、妄想が生んだ産物なのだと、私は思うのです。


過去のトラウマ


「過去」にトラウマを抱えている方。過去の体験は事実かも知れません。でも、過去の体験を思い出したとき、その体験は本当に事実なのか?と考えたことはありますか?

私にも、忘れられないトラウマがあります。

ふとした瞬間に、過去の体験がフラッシュバックされて、心拍数が上がることあるのです…

「過去」は思い出した瞬間、「現在」で再構成される


トラウマになる経験は「過去」にあったとしても、過去を思い出した瞬間、話を盛っていたり、誇張したり、自分が見たい形で、「今」、新しく生成されるのです。

自分は幼少期から、両親に愛されていなかったと思っている方、きっと、そう思ってしまう、思いたくなる経験があったはず。

でも、愛されていたと感じる経験もあるはずです。

すべては自分が見たいように見ているものであり、過去を改変した方が、自分にとって、都合のいいことだってあるのかもしれません。

過去は変えられる


過去は、現在の自分が創り出したものであれば、現在の自分を変えることによって、過去すら変えることができるのです。

人は今、この世界を見るとき、「自分」というフィルターを通して、見た世界を構成します。

友だちの家に招かれて、料理を振る舞ってもらったとして、目の前に出された料理が、

「美味しそう!」と感じるのか、

「ダイエット中で、本当は食べたくない…」と感じるのか、

はたまた「食品添加物がたくさん使われていて、からだに害がありそう」と感じるのか…

人それぞれ、同じものを前にしても、違うものを見ているのです。

自分というフィルターを通して世界を見るのですから、世界は、自分が見たいように見えるのです。

色眼鏡をかけて見る世界


世界は、私たちが無意識にかけている「色眼鏡」によって色彩を変え、自分の気持ち一つで、大きく変わって見えるのですから、自分が変われば、世界は変わるのです。

目にするもの、すべてにイライラしてしまう方、きっと、自分自身で、イライラの原因を探しているはず。

イライラの原因を探すからこそ、イライラするのです。

イライラしない状態にするには、自分を変えることが大切。

他者を変えなくても、自分が変わると、見えている世界は変わっていくのです。

人と話していても、自分の色眼鏡を使って他者を見るからこそ、間違った注釈が頭に浮かび、自然とイライラしてしまう…

色眼鏡をかけない「あるがまま」の世界なんて、なかなか見ることができないんです。

変えられるものと、変えられないもの


でも、自分を変えるのは、とっても難しい…

自分の習慣だと思っていることが、実は自分の父親ゆずりであったりすることもあるはず…

私の父は、すぐものをなくすんです 笑

あれがない、これがないと言い、

「最後に鍵を使ったのはお前だろ?どこにやったんだ!」と当たられることがよくあるのですが、見つかると、しれっと当たられたことすら、なかったことにされる…

幼少期、不条理な経験って、みなさんたくさんしたと思うのですが、同じように不条理な経験を、自分も他者にしているかもしれないと、私は感じたことがあるんです。

そう、何かをなくすと、誰かのせいにしたくなるという癖が、私の中にも染み付いているんです!

シミを取る作業


自分の習慣の中に、自分が、両親や友だちから受け継いだというか、いつの間にか「シミ」のように、なかなか消えないものがつくられることがあって、そのシミを「遺伝」と言うのかもしれません。

なくしたものを誰かのせいにすることだったり、笑い方だったり、しつけだったり、様々な面で、自分ではない、他者からの影響が、知らず知らずのうちに、自分に染み付いていることが多いはず。

嫌だったらやめればいいんです。何回も何回も洗って、落とせばいいんです。

完全にはなくならないかもしれない。

でも、シミを消す姿勢が大切。

本当に自分が変わることを、人はやろうとしない


鍼灸師という仕事柄、人に「股関節をこんな感じに動かして、可動範囲を広げましょうね」とか、「うたた寝をする習慣をやめて、しっかりお布団で寝た方がいいですよ」とか、その人が変えられないからだの部位であったり、具体的な内容だったりを指摘すると、案外、行動してくれない人が多いんです 笑

あぁ、この人は、自分を変えないために必死なんだと思うくらい。

あなたが悩んでいるからだの症状は、あなたの人生そのものから生まれてきています。

体重が増えてきている原因は、あなたの意思の弱さなのかもしれない。

浪費する癖がある人、日々の生活において、満たされていないのです。

膝が痛い方、歩くと痛いから歩けないと、痛みが抜けない、負の連鎖を自分で生み出しています。

行動できない理由を、からだのせいにしないでください。

変わりたいのでしょ?

からだを変えるとは、運気を変えること


東洋医学って、「運気」を変える方法論なのだと思うのです。

症状が変わらないのは、「運気が停滞しているから」

からだを変えると、からだだけではなく、自分の運命も回り始めます。

運気を変えるのに、一番変化しやすいのが自分のからだ。

森林に入り散歩をすると、鬱々とした気分も、自然と吹き飛んでしまうはず。

自分のからだに目を向け、自分に手をかけてあげると、自然と身の回りにも、変化が出てくるのです。

からだの変化だけではなく、身の回りの変化も確認する


からだが変わると、長年やろうと思っていてもできなかったことができるようになることがあります。

50歳を過ぎて、ピアノを始めた方がいらっしゃいました。

やらなかったこと、中途半端になっていたことを先に進めていくと、こころの中にあった結び目がほどけて、前に進めることもあるはず。

新しいことを始めたら、自然と元気になったという人を、私はたくさん見てきました。

行動して、変化して、挫折をしたり、困難を乗り越えることによって、人は、自分の人生を前に進めていくことができるのです。

からだに刻まれた「過去」


からだは、今を生きているはず。

でも、ひとたび調子を崩すと、内側の時間が止まってしまうこともあるのです。

息子さんがなくなった女性がいらっしゃいました。

息子さんが亡くなってから、気分が塞ぎ込んでしまい、人生が止まってしまった方…

消えない傷はあるかもしれない。

いつしか、外に出れなくなってしまったんですね。こころの中は、息子さんが亡くなってしまった瞬間に、前に進めなくなってしまったんです…

でも、変わっていく元気が、前に進む元気が出てきた時、再び笑えるようになって、自分のやりたかったことができるようになるんです。

前に進むと、自然とこころの不調もなくなっていく。

自分に鍼を打って、起こった変化


鍼を打つと、面白い変化があるんです。

鍼を打って、そのまま15分、鍼を刺したままにすることがあるのですが、かなりの頻度で、鍼を打ってからの記憶がなくなり、パッと起きたとき、自分がどこにいるのか、わからなくなる人がいらっしゃいます。

タイマーが鳴って起きたら、鍼灸院に来ていることを忘れていたのだそうです。

私、自分に鍼を打ったときに、びっくりしたことがあるのですが、15分間鍼を打って、タイマーがなった瞬間、

「やばい!高校に遅れる!」

と、意識が高校生に戻ったこともあるのです。

その外にも、自分がどこにいるのかわからなくなったり、たった15分間の鍼を打った後、意識が戻った時に、今の状況が飲み込めない時もあるのです。

私の仮説なのですが、からだは、「現在」を生きているようで、「過去」のまま、止まってしまっている部分が存在しているように思うのです。

鍼を打つと、からだが内側から呼び起こされ、今にチューニングされるのではないかと思うのです。

鍼を打って、高校に遅れる!と思った私のからだには、高校生の頃から止まっていた時間があったのかもしれません。

からだを変えると、「現在」も「過去」も「未来」も変わる


からだを変えると、現在だけではなく、「過去」も「未来」も、変えることができるのではないかと、私は思っているのです。

止まっていた時間を動かし、未来を変えるエネルギーになるはず。

症状を変えるだけではなく、人生を変える


何か、症状を変えるために東洋医学の施術を受けるというよりも、自分の「現在」を変え、「過去」も「未来」も、運気を変えることによって、変化させていくというのが本質なのだと私は思っているのです。

からだが変わると、世界に優しくできるようになるかもしれない。

からだが変われば、世界も変わる。

そんな気持ちで、鍼を持って、目の前の方に向き合っています。

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