「不死の宴 第一部終戦編」あとがき


 この作品は、2015年の1月から書き始めた。派遣社員として勤務の傍らの執筆で、第二章を書き終えたのが2016年の2月だった。ちょうどその月で派遣が満了し、その後はハローワークで仕事探しをしながら、一か月に1章(原稿用紙換算40枚強)のペースで同年の11月に書き終えた。幸い12月から新しい派遣先を見つけて就職したのだが、58歳になるとなかなか仕事はないのだった。
お陰で、その間は、24時間小説のことだけを考えて生活を送ることができた。この作品と同時に200枚弱の作品「人生はボンクラ映画」も書き上げることができた。
「小説を書く」ということに確信を持った一年であった。
 この作品「不死の宴」は、もともと10年以上前に、現代を舞台にしたSF伝奇ロマンとして構想をしていた作品の前日譚にあたる。
「大戦中に行われていた秘密研究」という設定部分がどんどんと膨らんでいき、もうこの前日譚から書き起こそうとなったわけである。

 第二部以降は、舞台が二つに分かれていく。「戦後日本編」と「北米編」である。
 戦後の日本を揺るがした時代を竜之介やみどりがどう生きたのか。統合と西城は本土に戻れるのか。また俊子は? 北島は?
 もう第二部の取材は進んでいる。

(追記)
この長編の第一部で、「自分は長編小説を書き上げることができるのだ」という確たる自信を持つことができた。何よりそれがうれしい。
その後、年金支給の歳までいくつかの職を転々としたが、この自信と、「続編を書かねば」という思いのお陰で、大概の困難は、困難とも思わず乗り越えられた。
読者の方と、キャラたちに心から「ありがとう」が言いたい俺である。


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