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まえばし心の旅18:敷島公園

前橋市⺠の代表的な憩いの場、それは敷島公園だろう。広い松林は、幼稚園の頃からピクニ ックに訪れ、松ぼっくりを拾ったり、小川で水遊びをしたりした。ボート池では、最初は大 人にボートを漕いでもらっていたが、やがてアヒル型ボートのペダルを漕げる様になり、そ の後オール式も漕げる様になった。大人になったら、夏休みの「前橋道路フェア」などのイ ベントで、お子さんに重機の体験試乗をさせてあげる方になった。その時も、松の木陰で一 休みするのが気持ちよかった。


バラ園は、子供の頃は面白さがわからなかったが、大人になってみると、植えられているた くさんの種類の薔薇を見比べるのが楽しくなった。

河川敷では、バーベキューをした。昼からビールを飲み、焼きたての肉をいただく。酔っ払 った体で片付けをしたのも、楽しい思い出だ。

敷島は、スポーツの拠点でもある。子供のころ、「あかぎ国体」、いわゆる「ごーはち国体」 にむけて、陸上競技場が整備された。開会式に参加するために、町内の山車を引っ張って敷 島まで行ったが、校庭の土のグラウンドしか知らない小学生にとって、初めて見る合成ゴム で仕上げられた「タータントラック」の見た目や感触が驚きであり、表面の細かいつぶつぶ をちぎって遊んだ。

祖父が高校野球に関係していたので、敷島球場には数えきれないほど行った。中学生の時は テニス部の試合、その後はラグビーの応援などでも敷島に行った。今でも、高校野球の応援 や、たまにザスパの試合観戦にも行く。そして、大きな室内プールや、河川敷には少年野球 やゲートボールのスペースもある。

公園内にある「楽々園」というホテルは、私が子供の頃に現在の建物に建て変わった。神奈 川在住の父方の祖父母が前橋に来ると常宿にしており、祖父は起きると敷島公園を散策し ていた様だった。2階の階段を上がったところには大きな窓があり、すぐ隣の豊かに広がる 浄水場の芝が美しい。今、以前の経営者のお孫さんが、復活に向けて頑張っている様だ。

この様に敷島公園は、緑溢れる憩いの地であり、かつ、スポーツの拠点でもある。老若男女 が楽しめる場だ。東京で言えば、オリンピックで注目を集めた神宮外苑や代々木公園の様な 場所といってもいいだろう。

敷島は、その魅力がまた注目されていて、新しいカフェなども多い。また、一帯には、昔からレストランなどが多くあり、街全体が落ち着きのあるおしゃれな街になっている。決し て、せかせかと通り抜ける場所ではない。松林に吹き抜ける風を感じ、ボートでゆっくりと した時の流れを楽しみ、バラの色を目で楽しむ。レストランやカフェでゆっくりと味と香り を堪能する。そんな、五感を刺激してくれる敷島に、また行ってみたくなった。

放送日:令和3年8月18日

音声データはこちらからお楽しみ下さい。


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