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まえばし心の旅045:めぶく

広瀬川の川縁に、平成30年、太陽の鐘が完成した。これは、前橋の新しいビジョン「めぶく」の具現化のスタートであり、民間有志「太陽の会」の資金援助による。その後、「めぶく」に関連して、グラッサ・なか又・つじ半などのお店が開店し、洗練された味が我々を楽しませてくれ、週末ともなれば行列ができる。

 そして、白井屋ホテルは世界から注目を集め、馬場川側にできたタルト・ブルーボトルコーヒー・パンのお店も、話題を集めている。

 そういった流れで、従来のまちなかにはあまり見られなかった、若い人たちがまちなかを歩く姿が生まれ、前橋に新たな注目が集まるようになった。

 それに相まってか、ここ数年は、個人の新規出店や新しいチャレンジが見られるし、これからの出店の情報も耳に入ってきている。まさに、「めぶいて」きているのだ。

 まちなかの元気がなくなって以来、東京資本のお店やチェーン店はほとんどが撤退した。私はいつも言っているのだが、そのことは、逆を返せば、まちなかは個人が頑張っている個性あるお店が集まっているということだ。ここ数年の動きは、その傾向をさらに強めていると言える。

 そして、もう少しで前橋文学館近辺の広瀬川沿いの改修工事が完成し、歩行者に優しいエリアとなる様だ。地面に敷かれている煉瓦は、「前橋レンガプロジェクト」で協力者を募った。私の名前が入った煉瓦も、先日見つけることができた。

 広瀬川は、諏訪橋の南側も徐々に改修工事が行われる予定があるというし、馬場川通りも民間主導の改修工事が予定されている。「こまち」さんとそのお隣も、新たに生まれ変わる。

 また、国道17号沿いでは、エフエム群馬の新しい本社社屋の完成が近づき、大きなアンテナ塔が、新しいランドマークになってきている。隣で改修工事をしているしののめ信用金庫と一体となり、人々が滞在できるサードプレイスができるという。

 そして、大きく動くのが、4番街・8番街を中心とする再開発だ。その一環として、前橋市立図書館がまちなかにやってくる。このプロジェクトが完成すれば、昼間に目的をもって街を訪れる人が増え、就労・定住人口も増える。個人的には、小石神社が、分祀でもいいので、もとの場所に戻ってきてほしい。
 こういう計画を目にすると、ワクワクしてくる。ただ、そこで必要なことは、やみくもにお店や施設を増やすことではない。ビジョン「めぶく」の一段下のまちづくりのコンセプト、言い換えれば、「どんなまちなかにしたいか」という未来像である。

 東京などの大都市の縮小版を作っても失敗することは、すでに多くの都市や歴史が証明している。大切なのは、今、前橋にある価値を再発見し、それを磨くことだ。具体的には、広瀬川や馬場川といった水辺の環境により、安らぎや寛ぎを感じることができる。そして、前橋文学館などの知的な薫りを楽しむことができる。そして、個性あるお店が並ぶ感性の高いまちがいい。

その意味では、今の動きは、歓迎できる。まちなかが多くの人の力でかわり、訪れた人がくつろいだり、語ったりするスペースができるのが楽しみだ。これからのまちなかは、もっと楽しくなり、とっても素敵なエリアになる。みんなで、めぶいて行こう。

令和4年3月16日

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