小咄 フクロウとミミズクが怖い

(べつに何かに物申すわけでも、熱く語るわけでもないです。)

 フクロウとミミズクが怖い。大抵の生き物が好きで、他の鳥類はもちろん、人間にあまり好かれていない蛾だってナマコだってゴキブリだって素敵だと思うし触れ合いたいと思うんだけど、フクロウとミミズクは怖い。
 どうしてかよくよく考え考察した。
 突飛かもしれないが結論から言うと、私は人間の顔認識がガバガバだから、彼らが怖いのだ。
 人の顔を覚えるのが苦手だ。新しいクラスの女の子に同じように見えてしまう二人がいて、2.3ヶ月は困った。鉄腕DASHを毎週見ていたのに、松岡くんと長瀬くんがいまいち見分けられなかった。
 おそらく、私は人間の顔と人間の顔の細かな(ジャニーズファンからしたら細かではないだろと思われそうだしもっともだが)ニュアンスの違いを感じることだけではなく、そもそも「人間の顔」の認識がやや苦手で大雑把なのだと思う。
 少し前にTwitterで話題になっていたけれど、興味のない人からしたら某国のミスコンファイナリストや歴代ガンダムが全部同じに見える、なんてのと同じ。解像度が低いのだ。いや、私の場合興味はある(と自分では思っている)ことはあくまで主張したいのだが。
 つまり、私にとってフクロウ達は「不気味の谷」にいるのだ。私からしたら彼らの顔はなんとなく人の顔に見えてしまう。が、さすがに正真正銘の人間の顔だと認識できるわけではないので、「人間に限りなく近い何か別のものの顔」と脳が認識するのだろう。
 不気味の谷とは本来ロボットなんかを人に似せて行った時に、普通は似ていくほどに愛着が湧くけれど、ある時点に到達した途端、逆にほんの少しの異質性が目立って不気味に感じられてしまい、もっと、究極に似ると再び好感度が上昇する、そのグラフが谷の形状をとるみたいな話だったと思う。だからロボットはあえて人間に寄せていくことを追求せず、ロボットらしい独自のデザインを残して保っているらしい。たしかに、不気味の谷を超えることができてしまったらそれは本当に人間と見分けがつかないレベルなのだろう。ロボットに一切異質性を感じなくなってしまったらそれはそれで怖いな。それでAIなんか搭載したら、それはもう、なんだろう。そんな存在を人間が管理し支配してしまっていいのだろうか、なんてそんなことを想像し始めてしまうのでやめる。
 多くの人にとってフクロウ達は不気味の谷よりはるかに手前にいる存在だ。だから、他の鳥類よりちょっと人に近い顔立ちをした彼らは寧ろ可愛らしく見えたり或いは神秘的に感じられたりするんだろう。
 本物に似せて似せて似せた偽物は、そこにほんの一滴混ざった嘘や粗が寧ろ匂って、不気味だってこと。

 なんて言ってみたりもできますけど、今回のは本当に伝えたいこととかはないです。フクロウとミミズク、好きになりたいな。
 Twitterでも言ったんだけど、ハリーポッターのヘドウィグはなんだか怖くないので、USJに行ったらヘドウィグを頭に乗せたり、連れて帰ったりしたいです。おわり。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?