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Numero.9 卒論

卒論の締切があと2ヶ月と少しまで迫った。
16000字書かないといけない中、実はまだ4000字くらいしか書けてない。
これはかなりマズいけど、実験が全く上手くいってないから進むに進めない、、、

今日は卒論でどんなことを書いているのか、ザックリまとめようと思う。何を言っているんだコイツはって思いながら読んでください笑
(学生の卒論レベルの理解です。ガチ勢の方はご容赦ください。。)

まず、ずばりテーマは「同族目的語構文の受動化の可否について(仮)」
通常自動詞は目的語を取れないんだけど、
John slept a deep sleep.
だったり、
John lived a good life.
だったりと自動詞が同族名詞を目的語のように取る構文を同族目的語構文(Cognate Object Construction, 以下CO構文)っていう。

この目的語のように見える名詞(同族目的語, 以下CO)の正体が何なのか!?っていうのを今まで多くの研究者さんが調べてきた結果、
どうやらCO構文には
COが様態の副詞のように働く副詞的同族目的語構文と、COが名詞的に働く名詞的同族目的語構文があるのでは?ってことになった。

この2つの識別には色々やり方があるけど、その1つに受動化の可否があるんじゃないかって言われていて、
もちろん副詞的同族目的語構文の受動化はOが存在しない解釈のため難しいし、名詞的同族目的語構文の方が受動化できる可能性が高い(受身は表層的にはOがS位置にmoveするから)。
でも文をパッと見ただけでそのCO構文がどちらに属するかって判断は難しくて、いくつかのテストが考えられる。

その中に、COが指示的であるかと受動化の可否に関係があると提唱した研究者さんがいて、
指示的であれば受身可能、非指示的であれば受身不可ということ。さらに、COが指示的である時その文は有界性を示し、非指示的であれば非有界性を示すらしい。つまり有界性を判断するテスト、in X timeとfor X timeが付随できるかどうかで受身の容認度まで確認できるということ。

他にも、副詞的COは当然様態の副詞と交替可能だし、名詞的COは“a Adj. type of Noun”に交替されるよねっていう主張もある。
さらにCO構文の表す事象が依存性をもつか独立性をもつかによって受身の容認度は変わり、
「無数のホラー映画で見受けられる叫び声」のように独立性をもつCOが存在するのであれば受動化の容認度は高いよねってことも言われている。
ただし厄介なのは、同一のCO構文に生じるCOが名詞的とも副詞的とも解釈されうる場合があって、この場合はコンテクストが与えられないと受身の容認度は決まらない!

一旦コンテクストは置いておいて、この2つを組み合わせると受動化を容認するCO構文はCOが指示的(独立性をもつ)かつ有界性をもち、名詞的CO構文になるという仮定ができる。
これが本当に受け入れられるのかを複数のCO構文でテストしていきましょうっていうのがテーマ。

ただしCO構文はそもそもかなり文語的らしくて、ネイティブでもなかなか容認度判断はできないみたい。特に受動文は実例も少なそうで、Youglishなんか調べてみても出てこなかったりする。ネイティブチェックは諦めて、COCAやSKELLで実例チェックしていくしかないかーって思ってる今日この頃。。。

まあいい感じに結果が出れば儲け物だし、出ないのであればコンテクストを無視したことが原因かなって予想もつく。別に研究者でもない自分が明確な区分を得られる可能性の方が低いから、コンテクストが大事ってことが再確認されただけでも卒論としては充分だと思う。
とにかく大事なのは実験の結果。
サンタさん、今年のプレゼントはCO構文の受動化の容認度をリストにして枕元に置いといてください。。。

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