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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。

【ネタバレあり】FF9を語りたい


・ はじめに


 FF9のネタバレを多く含みますので、未プレイの方は注意してください。
 配信ではなかなか言語化できなかったため、今回はnoteの形で感想戦をする運びとなりました。
 同じPS初代として発売されたFF7とFF8を比較することが多いですが、著者は全部大好きです。作品を貶す意図は一切ありません。
 著者は4、7、8、9、零式のみプレイ済みの初心者です。
 拙い文章ですが、よろしくお願いします。


・ 「原点回帰」

 FF9は「原点回帰」を意識して作られた作品であるということは、有名な話だと思います。
 そこで、私が「原点回帰」だなと感じたところを上げていこうと思います。

・通常戦闘曲のイントロ
 エンカウントした時の最初の部分が、最初の頃のFFのバトルBGMに似ていました。歴代のファンにとってはかなり嬉しくなる要素ではないでしょうか。
 私はシアトリズムをプレイしており歴代のバトル曲を知っていたので、かなりテンションが上がりました。

・分かりやすいゲームシステム
 かなり単純で分かりやすいシステムでした。
 キャラクターそれぞれに得意なことが決まっていて、従来のジョブシステムに近しいものを感じました。
 ジョブシステムに近いとは言え、白魔法が使えなくても特技などで味方を回復する手段を持っているキャラがいるので、パーティを組む自由度の高さもあって楽しかったです。

・ハイファンタジーの世界観の採用
 FF7、FF8と近未来の世界観を採用していましたが、今作はハイファンタジーの世界観でした。
 電子機械といったものが少なく、自然を感じられる作風は、初期のFFにあったファンタジーらしさだと思います。

・いつか帰るところ
 ゲームを起動して一発目に聞くBGMの題名に「いつか帰るところ」とあります。
 ストーリーを振り返ってみても、そこにかなり重点を置かれているように感じます。
 ジタンがゲーム内で最初に訪れたアレクサンドリアに帰ってくるという結末。
 人が命を落とすと魂がクリスタルに戻っていく設定など、上記数点とはまた違った意味で原点回帰ということになるのかもしれません。

 自分が感じた点としては以上です。もっと他のシリーズに触れていれば、より多くのことに気づけたかもしれません。


・ ストーリーのテーマ

 個人的に、「生きること」をテーマにしているのかなと思いました。
 死という結果があっても、生きることは素晴らしい。そんなことを伝えてくれたように感じます。

 これは作中のセリフからそう思っただけではなく、ラスボスの「永遠の闇」が死への恐怖の具現化と捉えたからです。またDISC4からのクジャも、死への恐怖に影響されて行動していたことも、この説を裏付ける理由になると思いました。

 ジタンたちが死への恐怖に屈しなかったのは、仲間がいたから、もしくは帰るところがあるからだと考えます。
 「仲間がいる、帰るところがある=自分が生きた記憶を誰かに伝えられる」という考えがあったのだと。
 自分が生きた記憶を引き継いでいけるのなら、自分が生きていた証明になる。それは生まれた時点で死を持つ生き物にとって、やがて訪れる死に対する絶望を乗り越える理由として十分だと思います。
 ジタンたちもといガイアの住人は、永遠の命を持つ決断をしたテラの住人とは、対照的な結論に辿り着いたんだなと感動しました。

 エンディングで、ビビは自分の死を悟っても死への恐怖に囚われていませんでした。
 それは、自分からみたジタンの記憶を子どもたちに伝えることができたからだと思いました。
 子どもたちがその記憶を引き継いで成長していけば、ビビやジタンが生きていた証明になるから、ビビは死への恐怖より自分ができたことを胸に誇って眠ったのかなと思います。

 FF9を通して、「生きていた証明」とは、大それた行動で結果を残すことというより、自分の記憶を後の世代に引き継ぎ、後の世代を育むことなのかなと思いました。


・ キャラクターの好きなところ

・ジタン
 明るくて前向きな主人公で、女の子好きだけど女の子からはモテない感じがすごく好きです。
 普段はちゃらんぽらんに見えますが、誰かを助けるために立派な決断ができるところが好きです。
 自分の信念を貫く強さや、人を快く受け入れる寛容さは見習いたいくらいです。
 ダガーが女王となるために離れてしまった時、拗ねていたのがとても可愛かったです。

 彼は黒魔道士として生まれたビビに対しても優しく接していました。
 そんな彼が自分の出生を知って一人になろうとしたのは、ビビの事情を他人事として見ていたからではなく、周りの人を巻き込みたくないという罪悪感からだと思います。
 理由を作らずとも、人を思って行動できる人間の脆さなのかもしれません。


・ガーネット/ダガー
 最初はかなりの箱入りで、無知ゆえの無茶もしてしまうところが可愛らしいヒロインでした。
 「自分は王女/女王だから」と責任感がとても強く、その立場に縛られ思い悩み続ける姿は応援したくなりました。

 髪を切るシーンの直前で、ジタンに「今までの私を覚えていてほしい」と言ったことに驚きました。
 普通、未熟だった過去は忘れてほしいと思うものです。それを覚えていて欲しいと言ったのは、「未熟だった過去も受け入れた上で、乗り越えた今の姿を見て欲しい」と思っていたからだとすれば、涙が止まりません。
 ここの発言は、「記憶を引き継ぐ」ということを重点に置いた FF9 のテーマ性にも通じるところがあります。16歳でこの発言はすごいなと思いました。


・スタイナー
 融通の効かないボディガードだったのが、色んな人に咎められて自分を見直していく姿は、心動かされるものがありました。
 ブラネ女王の命令に従い続けた果てに裏切られたこと、ベアトリクスがブラネ女王に立ち向かう姿は、彼が自分の正義に気づくきっかけだったのかなと思います。
 ベアトリクスが引退すると言った時に引き止めたのは、彼が自分がしたいことを見つめることができた結果なのだろうと思います。
 ベアトリクスと恋に落ちたのは、彼女が自分自身の正義を貫く姿に憧れたからでしょうか。とても気になっています。


・ビビ
 幼い子どものような風貌をした黒魔道士ですが、自分の出生や寿命を知ってもなお前向きに生きた姿が印象に残っています。
 主要人物の中で一番寿命が短い彼は、誰より生物として輝き、周りに希望を与えた存在だと思います。
 兵器として作られたにも関わらず、自らの意思を持って生きることを諦めず頑張ったビビは、出生事情が近しいジタンやジェノムたちの希望になったのだと思います。
 個人的に一番好きで、一番印象に残ったキャラクターでした。
 少し臭い話にはなりますが、ビビはプレイヤーにそう思わせるほど、しっかり生きた証を残して眠ったのだなあと思うと、涙が止まりません。

・フライヤ
 大人っぽく正義感の強い女性。ケモ属性が最高だと思いました。キャラクターデザインが好きです。

 恋人であるフラットレイを追い求めて旅をして、ようやく見つけたと思えば彼は記憶を失っていた……という衝撃的な展開がありました。
 記憶から消されてしまうことが、生物にとってどれほど辛いことなのかを体現したキャラクターなのかなと思いました。
 「記憶を引き継ぐこと」を重点に置いた今作において、彼女の置かれた状況は本当に辛いものです。しかし最後には、「思い出(共に過ごした記憶)はまた作ればいい」と言っています。
 本編で描かれていないので推測ですが、これからフライヤはフラットレイが覚えていない記憶を彼に話して、引き継いでいくのかもしれません。
 フライヤはフラットレイをどうやって見つけたのか、どんな経緯でブルメシアを共に復興する流れになったのか、詳しいところが知りたいです。


・クイナ
 生物が生きる上で欠かせない「食」を追求するキャラクター。
 食に固執しすぎてトラブルメーカーで、主要人物の中でも重い過去を持たない明るいキャラクターだと思います。
 しかしクワン洞でのサブイベントやエンディングを見ると、食と生きることの絶対的な関連性を見出すことができました。
 青魔法が強すぎてパーティから外せませんでした。


・サラマンダー
 とても好みの見た目をしています。
 仲間というものを意識せず、いつか帰るところもなかった彼は、本当に生きていたのでしょうか。そんなことを考えました。
 ビビがエンディングで語った、「助け合って生きていかなきゃ意味がない」の意味が強調されるキャラクターだと思います。
 ジタンを通して仲間を意識することで、彼もまた最後には「いつか帰るところ」を見つけたのではないかと思います。
 一匹狼のような彼が習得する特技に、味方を蘇生する、回復する特技が複数あったことに驚きました。

・エーコ
 最初から生意気な少女だと思っていましたが、どこか憎めないところがあるなと思っていました。
 この歳にして孤独を知っていることがとても辛いです。召喚士として背負うものが大きすぎて泣きそうになりました。
 
 ダガーが仲間だと気づいた時にとても嬉しそうな表情を浮かべたり、旅をしてきたみんなのために料理を作ろうとしたり、健気で可愛い子でした。
 料理をするのはジタンのためと言っていましたが、嫉妬の対象であったダガーを含め、しっかり人数分作っているのが健気でした。
 ジタンと結ばれようとするのも孤独を知っているからと考えたら胸が痛いです。
 しかし最後にはジタンとダガーが結ばれる姿を見て笑顔を浮かべていたので、もう彼女は孤独じゃないんだなあと思いました。涙が止まりません。

・クジャ
 悲惨な人生を辿ったキャラクターです。
 ジタンはクジャを助ける際、「自分も同じ立場なら、ああならなかったとは言い切れない」と言っていました。
 ジタンは物心つく前に捨てられ、生まれた意味に縛られず生きることができたため、彼のようにはならなかったのでしょう。

 「目的のために作られた」、「寿命が定められている」という部分に関して、ビビと共通点が多い人物だと思います。
 そんなビビとの違いは、仲間やいつか帰るところがあったかどうかなのかなと思います。
 ビビは黒魔道士の村やジタンたちの存在がなければ、クジャのように死への恐怖に屈していたかもしれません。
 ジェノムたちを「自分と違う」と見下すのではなく、仲間として手を取りあえば、何か違った結末があったのかもしれません。

 悪役の彼ですが、ジェノムに「生まれた目的を克服した者」として希望を与えていました。そしてジェノムたちは、「その記憶を継承していきたい」と生きていく道を選びます。
 だから、クジャが「この世界にいらない存在」と言ったのは間違いであり、彼が生きていた証も受け継がれていくのだと思います。


・ ゲームシステム

 自分がいいなと思ったゲームシステムを箇条書きで挙げていきます。

・調べられる場所に「!」のアイコンが出てくれるシステム
・ACTシステムで他のキャラクターの動向が分かる
・装備品を装備すればアビリティや技が習得できるシステム
・selectボタンでモーグリが様々な説明をしてくれるシステム
・操作説明がゲームの中で分かるサブイベント

 FF作品には触れてきたものの、状態異常の効果や魔法の効果について把握しきれていない部分があったので、モーグリのシステムには助けられました。


・ 最後に

 曲、ストーリー展開、好きなムービーなど語りたいことはまだまだありますが、長くなりそうなのでこの辺りで終わります。
 FF9語りたい勢、自分はこんな風に解釈したよという方は是非ご連絡ください!
 ここまで読んでくださった方、今作を勧めてくださった方、配信を視聴してくださった方、本当にありがとうございました!


 PS初代で作られたポリゴンのFFを全て遊んでしまったこと、喪失感がすごいです。
 クリアした日は感動と喪失感で寝れず、朝までチョコボと遊んでいました。

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