見出し画像

まっすぐに進めない道のり

それはなんの前触れもなく降りてくる。

食事中に、勉強中に、映画中に、読者中に、トイレ中に、お風呂中に。

そうやって降りてきたアイデアは、めっちゃ面白い!やばい!たまらん!と最高の作品が生まれる予感がする。

降りてきたアイデアをメモするときも興奮は冷めやらない。プロットを書いてる時は、過去最高の作品だと意気揚々とさえしている。

今回は書き始めもいい滑り出しだ。

今度こそ、今度こそ完璧に納得のいく作品になるはずだ。

と思えるのは数日だけで、執筆の途中で必ずと言っていいほど、しんどい時期が訪れる。

これは面白いのか?時期だ。

文章がとてもつまらなく感じる。似たような表現、言い回し、見慣れた単語の羅列。

展開がつまらなく感じる。ありふれたストーリーラインなのではないか?矛盾があるのではないか?

この時期がな買った作品はごくごく短い作品を除けばすべてにある。

初動の頃にあった自信やワクワク感が消え失せる。なぜ創作をしているのかと悩む。筆を折りたくなる。自分が書かなくてもこの世には創作したい人は山ほどもいる。自分のようなセンスのかけらのない人間が書いたものより、センスの塊である人が書いた方が面白い。

永遠に無料で、趣味として、作品を公開すればいい。プロになる必要はない。創作なんかやめて、もっと金儲けができる資格をとってまともに就職した方がいい。そうだプログラミングを学ぼう。そのほうが将来性もある、稼げる、安定した生活が送れる。

今書いている作品は間違いだという思考が離れなくなる。苦しい期間。

実際に作品の方向性やクオリティが間違ってるとは限らない。間違ってるのかもしれない。いつもフラフラと道がそれて迷い込む。まっすぐに綺麗な道を歩いてくれない。間違った道を選んでいるかもしれない。あってるのかもしれない。わからない。

それでも最後まで書くしかない。書いてから間違いに気づくだろう。間違ってばかりで落ち込むだろう。

次こそは間違わずにまっすぐに美しい作品を書き上げるのだ。

今のところ、私の作品をジャッジするのは読者だけになる。

もしくは賞に応募した際の結果のみだ。

プロの編集者や作家からのアドバイスなどは受けられない。(そういう教室に行けば別だろうが金がない)

そんな中でなにを信じて書けばいいのかわからなくなる。

書くしかない。辞められないのなら書くしかない。クソな作品でもいい。楽しんでくれる人の言葉や反応ひとつひとつを糧にして書くしかない。

もしくは自分のために書くしかない。書かなければいけない衝動のままに書くしかない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?