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「思い込み」や「甘え」が仕事の質を下げる

思い込みほど怖いものはない


「思い込み」が過ぎると、仕事にも支障が出る。

過日、思い込みが元で大失敗しそうになった。
その世界では誰もが知る大家の文献をベースに記事をチェックしていたのだが、
何と文献の内容そのものに誤りがあったのだ。

敏腕編集者のおかげで間違いに気づくことができたが、
私単独だったら、記事をそのままアップしていた。
久しぶりに肝を冷やした一件だった。

実はこの一件は、心理学の「ハロー効果」で説明することができる。
ハロー効果とは、社会心理学の用語で、「ある対象物を評価する際、目立つ特徴に引きずられ、全体の評価をする」こと。

例えば、「あの人は看護士だから優しいだろう」とか、「あの人はテレビに出ているから、きっとお金持ちだろう」といった具合に、物事の一部だけを見て、勝手に評価してしまうことだ。
カンタンに言えば「思い込み」である。

私自身、文献を書いた大家に対し、「その世界で知らない人はいないし、専門誌にも多出している。本に書いてあることは間違いない」と、無意識に思い込んでいた。

そのため無意識の思い込みが出て、確認が甘くなってしまったようだ。
今考えてもぞっとする。
編集者の提言によって、気づかせてもらったことに感謝しつつ、自戒した。

共同作業は無意識の甘えが働きやすい

ハロー効果に加え、複数人で行うチェックは、心理学でいうところの「リンゲルマン効果」が作用する。
リンゲルマン効果とは、一言で言うと「社会的手抜き」
共同作業の場合、無意識に手を抜いてしまう現象を指す。
私の中で「編集者がいるから大丈夫だろう」という無意識の手抜きが働いたに違いない。
いや、正直に白状すると、実際にそうだった。
これもまたプロとして恥ずかしいこと。
襟を正して仕事しなくてはと猛省した。

こうした現象は同じ業界に長くいればいるほど、起こりやすい。
どの仕事にも言えることだが、思い込みや甘えは仕事の質を下げる。
成果物の質が下がれば、次にお声がかからなくなる。
狭い業界内、ウワサはすぐに回ってしまう。
仕事人(特にフリーランス)にとって、廃業へ一歩近づくのと同じこと。
「思い込み」や「甘え」は、自分が思っている以上に仕事に影響するということを肝に銘じておいたほうがいい。

さておき、今年はあと1冊自著の出版が控えている。
思い込みや甘えを捨て去り、心してチェックすることをここに誓う。

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