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その「執着」が仕事を奪う


どの世界にも世代交代は確実にある。

久しぶりに邦画「TANG」を渋谷のヒューマックスシネマで見て、そんなことを思った。
出演する俳優陣の若いこと。
私が若い頃に主役を張っていた京本政樹氏の息子が出ていたり、爆発的ヒットを飛ばしたトレンディドラマ「101回目のプロポーズ」で話題になった武田鉄矢氏が脇役に近い形(映画のキーマンではあるが)で出ていたりと、何だか年を感じてしまった。

ついでに言うと、「TANG」の主役はジャニーズの二宮和也氏なだけに、観客も若い世代ばっかり。
自分が「ジャニオタのおっかけおばさん」みたいな感じに見えているかもと、ちょっと肩身が狭かった(自意識過剰)。

依頼するサイドも世代交代している事実を受け止めよ


多分に洩れることなく、私が身を置いている日本酒の業界にも世代交代はある。
若いうちは表舞台に立つ仕事がひっきりなしにあるが、齢50も過ぎれば、徐々に尻つぼみになっていく。
依頼するほうも世代交代していくのだから、自分よりうんと年上の人間より、同じ世代のほうが話も合うし、何かと使いやすい。
自分に置き換えてみれば、「そりゃ当たり前」と思う。

そうした事実に気づかず、いや気づいてもなお、執着していると確実に仕事はなくなる。
仕事を失う恐怖から、若い世代を敵視するようにもなってしまう。
さらには視野が狭くなり、焦燥感が行動や顔にまで出てくる。こうなるともう、「負のスパイラル」に陥り、なかなかそこから抜け出ることができない。

執着する人の多くは、過去の成功体験にいつまでもしがみつく。
その理由は「今の自分に自信がないから」
だから「自分の価値を証明した」過去の栄光にしがみつき、手放すことができない。
その成功体験が数字として確実に表れているならまだいい。
しかし狭い業界だけでの成功体験は、邪魔でしかなく、それを若い世代に伝えても「ふーん」「それで?」で終わるのがオチである。

執着なんて、重荷でしかない


先日のnoteでも書いたが、「みんなが集まる野原においしい野イチゴ(仕事)はない」。
しかも元気のいい若い世代が集まる野原は、既に野イチゴは取りつくされていて、感覚が鈍った年配の人間がいい野イチゴを探せるはずもない。

執着すればするほど、仕事は目の前から消えていく。
そんなものとっとと手放すに限る。
心のスペースを多く占領していた執着を手放した途端、心に余裕ができ、考え方がポジティブな方向へ向かっていく。
そして、自分が向かうべき方向が明確になり、具体的な動き方がわかる。

邦画「TANG」を見て、こんなことを考えている私は……と言えば、既に荒れ地に野イチゴを探しに出かけている。
執着なんて、とうの昔に置いてきた。
動きにくい荒れ地を開拓するのに、重たい「執着」は邪魔でしかないからだ。

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