無題
巷間美しい言葉は溢れていて
優しい甘い囁きが手ぐすね引いてまっている
撥ね退けてしまうことができないなら
溺れてしまうのもまた一興
都会は大きな森のようで
路面はがたつく坂道ばかりで
気を許せば足元すくわれる轍だらけ
顎をあげて奥歯噛みしめ さあ走れ
こんなはずではなかったと悔やんだって
取捨選択の果ての終焉
哂いながら踏みつけてきたものを
累々と積み重ねもがけ
一瞥だにしなかった屑どもに
取り縋られ動けなくなるまで
握りつぶしてきた感情を
持て余しすぎて捨て所もなく
晴らせなかった鬱憤を腐らせては
まだ届くと歌う道化
道端には花なんかないから
立ち止まれば遠景
置いてきたものたちの末路
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