ピコグリル398 使用レポート。
ぼっちキャンパーのヒロシさんが使ってたことで一気に知名度が上がったピコグリルですが、本当に短所が見つからない優秀な焚火台ですね。
話題になった当初は「高い」って言われてましたけど、今じゃ一万円前後の焚火台は当たり前になってしまったので、相対的に欠点では無くなってしまいましたし。
パッキング革命と言っても過言ではない(かもしれない)。
ピコグリル398を入手して最初の感想は「薄っ!」というものでした。
それまでの焚火台は、キャプテンスタッグのカマドB6や笑'sB6君などのコンパクトタイプは出てたものの、使用時のサイズもベリーコンパクトで、市販の薪はバトニングするなりしないと物理的に使えないものでした。
ピコグリル398の火床のサイズはメーカー公称で380x250mmで、スノーピークの焚火台Mの350x350mmと比べてすこし狭いくらいで、多少大きな薪でも使うことができます。
言わばフルサイズの焚火台、といってもいい。
それをザックの隙間に入れられるようになる、というのは、「焚火するかどうかわかんないけどとりあえず持っていくか」という選択が可能になるわけです。
無料でキャンプできる場所などでは、薪が売ってないので落ちてたり川岸や浜に漂着してる木を拾ったりして薪を確保しなければならなかったり、そもそも焚火が禁止されたりもしていたりするので、わりと「焚火ができるかどうかは現地に着いてみないとわからない」というのはけっこうよくあることなのです。
そんな中、フルサイズの焚火台を基本パッキングに組み込めるのは、対応できる状況が広がり、準備する手間や道具の選定にかかる時間も短縮できて、「あ、なんか行きたくなったからキャンプ行こう」っていうキャンプジャンキーには渡りに船なわけです。
意外にタフ。
見た目と軽さで「なんだか頼りない」というのもよく言われることですが、ダッヂオーブンや土鍋を家族で囲むなんてのはさすがにおすすめできませんが、ソロキャンでソロクッカーを使う分には強度に不安を感じたことはありません。
火床は一般的なキャンプ場で売ってる薪を2〜3本置けるサイズですが、その重さでフレームや火床が歪んだりたわんだり、ということは起こりません。
まあ、組み立てを間違えてたらわかりませんが、ピコグリルの組み立てを間違えるのはけっこう難しいと思います。フレームの上下を間違えてる人はけっこういるようですが、一度使えば「違うな」と気付くでしょうし。
YouTubeでのインプレ動画を見てると、薪を堆く積み上げて盛大に火を熾してる方もたくさん見かけますが、水に落っこちて寒いので暖まりたい、とかでも無い限りそんなに大きな火はいらないと思います。ですがまあフレームの上端くらいまで薪を積み上げても、フレームがぐんにゃりとなることもなく、基本的には使えます。
火床はステンレスでかなり薄いですが、材質がかなり良いものを使っているようで、安いクッカーなどで起こる熱による変形はほとんど起きてません。
これは別売りになってるスピットも同じで、あんなに細いステンレス製の針金にしか見えないのに、さんざんゴトクとして使い倒してても真っ直ぐなままで、うっかり踏んでしまった時以外には直したことがありません。
今ではたくさんあるピコグリルクローン商品とのいちばんの違いは、この各パーツの熱による変形の無さなんじゃないかなと思ってます。
僕はあまり火は大きくしないのですが、けっこう長時間焚火をするので、熱によるダメージはかなり与えてると思います。
それで五年ほど使ってますが、いちばん弱いとされてる火床の継ぎ目も汚い以外の不都合は出てませんし、スピットやフレームに曲がりなどもありません。
華奢に見えてかなりタフな焚火台です。
まとめ。
ピコグリルは現在(2022年4月24日)正規輸入店で本体11,600円、スピットが別売りで一本600円。スピット2本付きのセットで12,800円です。
なにしろこれといった欠点のない焚火台ですので、これをスタンダードとして携帯性や堅牢性などの自分のスタイルにより特化した製品を探すスタート地点として申し分ない、というかちょっと高レベルでまとまり過ぎている焚火台だと思います。
個人的には火を熾すのも維持するのも簡単な反面、やや薪の消費が早いことだけが無理矢理ひねり出す欠点でしょうか。
あと焚火で調理する場合、鍋やフライパンなどを使うにはフレームの上端が高くてもう少し火に近づけたいことが多いですが、名前の「グリル」という通り、魚や肉を串に刺して焼くときはこの高さがちょうどいいんですよ。
このスピットや網の高さを調整できる498というモデルもありますので、そこが気になる人はそちらも検討してみるのも良いでしょう。
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