第7話「軸」( ^ω^)ブーンがスーパーサブとして流れを変えるようです
トーナメント前の部内紅白戦
前半が終わった段階でブーンは交代させられてしまった
ピッチに頭を下げ、監督のもとへ向かう
/ ,' 3 「さっきは大きな声を出して申し訳なかったです」
( ;^ω^)「いえ」
/ ,' 3 「大会前に体を壊して欲しくなかったのでね
ストレッチをしてからベンチに座って休んでください」
入念にハムストリングを伸ばしてからベンチに座った
(^д^)「ブーン お疲れ様~」
庄野がブーンの隣に腰掛けて話しかけた
( ;^ω^)「正直まだまだ疲れたくなかったですお」
(^д^)「そこはしょうがないだろ、俺達体力無いんだから」
(;´ω`)「やっぱり走って体力付けていくしかないですね…」
(^д^)「まぁ良いじゃん、前半結構ボール触れてたろ
動きもキレキレだったぞ」
( ;^ω^)「でもあんまり活躍出来てないですお」
(^д^)「そんな訳無いだろ~ 一年なのに盛山相手にあんなに攻められたら上出来だよ」
(^д^)「じゃ 俺行くわ ベンチからだと試合がよく見えるからちゃんと観察しとけよ~ 特に俺をな!」
( ;^ω^)「はは」
こうして後半戦が始まった
( ^ω^)(たしかにベンチから見ると試合中とは違う視点で見れるお、ピッチを全体的に見渡せるお)
( ^ω^)(あの人はずっとこうしてベンチから試合を眺め続けていたのかお)
ずっとベンチの庄野先輩のことを思うと、なんだか切ない気持ちになった
(‐λ‐)「左京君 ナイスドリブルだったよ」
今ブーンと同じベンチに居る西尾が褒めてくれた
( ^ω^)「そう?ありがとうだお」
(‐λ‐)「俺も活躍したいなぁ はぁー 俺この試合出れるかな」
( ^ω^)「荒牧監督は全員出して能力を把握しときたいはずだお 多分出してくれるんじゃないかお?」
(‐λ‐)「能力ねぇ…いいよな 左京君はドリブルがあって 俺は自信のあるとこが無くて」
( ^ω^)「そーかなー?フィジカルあってヘディングもできるしディフェンスの能力はあると思うけど」
(‐λ‐)「でも全部白木先輩の下位互換なんだよな」
( ^ω^)「…」
(*‐λ‐)「いやいやなんか言ってよw」
( ^ω^)「マジで的確すぎて黙っちゃったおプレースタイル似てるし」
(;‐λ‐)「やっぱりそうなると使われにくいかな…」
( ^ω^)「今の段階で西尾を使って白木先輩を使わない理由は無いからね
でもさ、似てるからこそ参考にしやすいとも言えるお、よく観察してれば何か見えてくるかもよ」
(*‐λ‐)「おぉ!たしかにそうだね」
2人は試合中の選手達をよく観察した
(‐λ‐)「招木君だいぶ苦戦してるね」
招木と庄野がボールを保持出来ず、すぐ奪われてしまっている
(;^д^)「わりぃ招木、そっち行った」
招木に盛山のドリブルを止める力は無く、ボールが一方通行で進んでしまっている
( ; ФωФ)「盛山先輩半端ないってもう!」
( ^ω^)「あの人のドリブル止め方分かんないな」
(‐λ‐)「僕も分かんない」
盛山からのエリアを跨ぐフライパスがドクオへと渡る
( ^ω^)「おっ!ドクオがボール持ったぞ」
ドクオがグングンと前へ進む、それに合わせ長岡はパスコースを塞ぎながら着実に着いていく
次第にドリブルスピードは落ちている
ドクオからは、自由に動けないやりづらさを感じている様子が見て取れた
( ゚∀゚)「わりぃな、追っかけ回すのは得意なもんでな」
(;’A`)「ストーカーかよ…」
( ゚∀゚)(落ち着け、まずは突破されないように動けば良い、体格差では圧倒的に勝ってる)
ドクオがアウトサイドを使って左に躱す
( ゚∀゚)(ここで追い込む!)
長岡がプレスし、内側を完全に塞ぐ
すでにエリアの前まで進んでいるドクオは縦にも横にも動けない、
だが強引に切り込まずにドクオが左足だけを出しクロスを上げる
(; ゚∀゚)「うわっ」
(’A`)「よし、行ったか?」
ボールはピッタリ草野の頭上へ
(0 L0)「おっしゃ!」
利き足が頭こと草野が難なくヘディングで合わせた
47分 GOAL 紅チーム 草野 茂道 2-1
(*0 L0)「よっしゃ!」
( ^ω^)「ナイスパスだおドクオ!」
ドクオがベンチに向かってガッツポーズを作った
(;゚∀゚)「しっかしエロいパスだなおい 18禁フライパスと名付けよう」
(’A`)「やめてください」
ドクオからのクロスを草野バッチリ頭で叩き込み
同点ゴールが決まった
ドクオは1人でゴールを奪ったり、相手を抜き去ったりできる選手ではない、彼の得意なプレーはディフェンスと味方を活かすプレーだ
それを本人も理解し、無理なプレーはしない
( ФωФ)「今のパス、真似出来たら吾輩にもアシストのチャンスあるかな?」
('_L')「そんな簡単にはいかないと思うぞ」
ドクオは自分のパスを活かす為に、最後までボールを追いかけて走れるスタミナ、ボールを保持するためのディフェンス能力、パス精度など、自分に必要な能力を考えて伸ばしてきた 簡単に真似出来るものでは無い
( ФωФ)「とりあえず、まずは挑戦だ」
招木が左利きのドクオと逆の動きをし、サイドではなく内側から右足でパスを出す
(;・∀・)「あーっぶね!」
招木のフライパスに盛山が足を伸ばし、なんとか減速させて勢いの落ちたボールが庄野の前にこぼれた
( ФωФ)「やっぱり都合良くはいかないか」
白木は庄野が前に進めないように背中側から寄せている
そして後ろからボールに足を伸ばされバランスを崩す
(;^д^)(あー!もう撃っちゃお)
庄野が反転し、適当に放ったシュートは右に逸れる
('_L')「どこ蹴ってんだ!」
(个△个)(これは入らないな)
牛間が飛んでいくボールを眺めていた
そのせいで背後から迫る伊織に気がつけなかった
(;个△个)?!
(=゚ω゚)ノ「油断しちゃダメだよう♪」
誰もが、ラインを割りゴールキックになると思っていたボールを
伊織がトラップし、高宮と1対1の状況になる ワントラップで左足前にボールを浮かせたボールをキッチリとファーサイドに叩き込んだ
高宮になす術は無かった
55分 GOAL 白チーム 伊織 洋 2-2
(;^д^)「お?よっしゃー計画通り!」
(=゚ω゚)ノ「いやいや僕のおかげだから」
庄野のミスキックに走り込んだ伊織のゴールで再び紅チームを引き離す
(^д^)「ブーン見てたかーーー!!!」
( ^ω^)「見ました!ナイスアシストですお!」
ベンチに向かって指を指す庄野にブーンが応える
(;'_L')「ナイスな訳あるか!こんなんミスキックを伊織が合わせてくれたから入ったもんだろ アシストにもならんわ」
( ゚∀゚)「運もあるっぽいけど、牛間が意表を突かれたのが大きかっただろーな」
(;个△个)「そうですね…外れると思って準備できてなかったです」
ξ゚⊿゚)ξ「私も…」
('_L')「いやまぁ、そこは気をつけようって感じなんだけど、庄野狙ってやった訳じゃないよね?」
(^д^)「招木からパス貰った段階で伊織が奥に居るのは見えてたよ」
('_L')「え、もし本当にミスキックに見せかけたパスならめちゃくちゃ巧妙な技だぞ…」
( ФωФ)「流石です 庄野さん」
(个△个)「してやられました」
(*^д^)「だろ?伊織を信じた俺の勝ちだ」
(;^д^)(ふぅ、なんとか後輩にはうまい選手だと思わせられたか?)
一年生を含めほとんどの部員がただのラッキーで、
実質伊織のゴールだと思っていたが、庄野の言葉を聞いて、もしかしたら本当に狙ったのかもしれないと信じ出す人も現れた
(’A`)(あの先輩、下手なのに口だけは達者だな)
ドクオだけは全く信じてはいなかった
試合は2-2のまま中盤でパスが周り攻守が入れ替わり続ける
( ^ω^)(にしても激しいな…)
中学でフットサルをやっていた頃は、ドリブルテクニックに優れたブーンはコーチから褒められ、仲間たちにも憧れの眼差しを受けていた
だが、ドリブルができるだけではダメなのだ
心技体の全てが備わっていなければならない
体づくりをしなくても相手を抜ける環境に甘んじていたせいで心技体の技だけが伸びて身体作りが疎かになってしまった
盛山はテクニックとパワーを兼ね備えており、躱せるし、身体を入れてボールをキープすることもできるため、とにかくボールを失わない
白木のプレーは激しいが、正当にチャージで肩からぶつかっていくし、ボールを狙って足を伸ばすため、ファウルを取られにくい
仮に力が入り過ぎてもレッドではなくイエローが出ることが多い
ドクオや天野は身長が高くなく、フィジカルも強くはないが、持ち前の戦術眼とスタミナでボールを奪っている
対して自分はどうだ、能力が偏っていて監督とチームからしたら使いずらい選手なんじゃないだろうか
( ^ω^)(って考え事してたら相手チームにチャンスが来てるお)
東がフリーキックを決め3-2のビハインドになる
ラスト5分、荒牧監督がベンチに向かって来た
/ ,' 3 「左京君、もう一度試合に出てみませんか?」
( ^ω^)「出たいですお」
/ ,' 3 「じゃあこれビブスね、時間無いからすぐに入って」
( ^ω^)「ありがとうございます」
/ ,' 3 「西尾君もこれ着て白木君と入れ替わりね」
(‐λ‐)「ありがとうございます」
2人が別々の色のビブスを着てフィールドに入った
(‐λ‐)「頑張ろう左京君」
( ^ω^)「おう!」
時間はない 自分に残っている体力をここで全部使い果たしてもいい
何か自分の中で納得できる【結果】が欲しい
盛山がシザースを仕掛ける、前半の時に比べたら足さばきは遅くなっている
だからこそ気付いたことがある
( ;^ω^)(盛山先輩、もしかしてボールを見てない?)
なぜ盛山先輩が、いつも相手の動きを見て瞬時に躱すことができるのか、ずっと不思議だった
理由は案外シンプルだった、常に相手を見ながらドリブルしていればすぐに反応できる
相手はいくら盛山先輩と言えど疲れが見えている
自分はスタミナが回復した状態で対面したため
当然アドバンテージがあった
盛山が左を向き、そのまま顔を向けた方に進んだ
ブーンから見て盛山が右を向いたのを確認し、
ブーンが右足を引っ掛けて、やや強引にボールを奪い取った
(;・∀・)「くっそ、招木の時の方が全然楽だ」
盛山はすぐに奪い返そうとはせずに後ろに下がった
ブーンと盛山の間にスペースが生まれる
他の人は干渉出来ない、前半と同じだが立場が逆転した状況だ ただし時間が無いから前半の盛山のような、相手に近づかず足技を披露するという芸当はしている場合では無い 早く前に進みたい
顔を上げた
庄野先輩へのパスコースは盛山先輩と西尾が被っているが、伊織先輩ならパスが通る可能性が高い
だが、その選択肢は遮断した 自分がやりたいことはドリブルなのだ
今は目の前の相手を超える、その気持ちだけあれば良い
( ^ω^)(相手を見ながらドリブルねぇ…ボールを見ずにドリブルなんて、めっちゃ難しいはずだお)
でも、小さい頃からずっとボールを触り続けてきた自分なら、目を閉じていてもドリブルできる気がした
( -ω-)(タンタタン、タンタン)
目を閉じて足とボールとの距離感を確かめた
(;・∀・)(なんのつもりだ?)
そして開眼、前を向き盛山の動きだけを見る
重心は左足に残したまま、右足を踏み込み反発ステップで身体ごとボールを左前に押し出す
それに追い越されずに盛山も追いついてくる
いつものブーンであれば強引に縦へ突破しようとして身体を入れられていたであろうか、しかし盛山の動きを見て判断し、ブーンの一番の得意技を繰り出した
(;・∀・)「ルーレットターン?!」
完全に逆をついて、ひらりと回転した
さらに引き離すために、ボールを縦に大きく蹴り出し加速する
しかし、思いのほか前に蹴り過ぎてしまって、ボールに追いついた時には線ギリギリだった あまり踏み込めずにシュートを放った
( ;^ω^)「うわミスった!」
ボールが浮かなかった、高さが足りない 強さも足りない
グラウンダー性のシュートが左下に飛ぶ
ξ゚⊿゚)ξ(パンチング…いやキャッチいけるかも?)
高宮が横っ飛びで両手を開き飛び込む シュートは防いだもののキャッチは出来ず、手からボールが離れる そこに西尾の背中に回った庄野が走り込んできた
ξ;゚⊿゚)ξ「なんで居るのよ?!」
新田がファンブルしたボールに庄野が詰めて押し込んだ
(^д^)「ごっつぁんでーす」
79分 GOAL 白チーム 庄野 正利 3-3
('j v i')「うわ!またラッキーゴールかよ!」
(#^д^)「今回はラッキーゴールじゃねぇ!ブーンがシュート撃った先に走ったから決まったんだよ!」
(;‐λ‐)「今回…」
('_L')「俺もそこ引っかかったわ、さっきのアシストは狙ったって言ってたじゃん やっぱり嘘じゃないか」
(;^д^)「あっ…」
しかし、そんな会話を全く気にも留めず高揚した男が1人、庄野のもとへ駆け寄って行く
⊂二二二( *^ω^)二⊃「しょーーーのせんぱーーーーーーい!!!!!ナイッシュー!」
ブーンが庄野のもとへ飛び付いた
(^д^)「うお!ブーンもナイスドリブルだったぜ」
今まで活躍のなかった2人が最後の最後で結果を出した
ξ゚⊿゚)ξ「…ねぇいおりん、2人っていつからこんなに仲良くなってたの?」
(=゚ω゚)ノ「多分たった今だよう プレーを通じてどっちも熱くなってるね」
そして、その後の1分で試合が動くことはなく
3-3で引き分けとなった
/ ,' 3 「ではこれで試合終了です 使った用具を全部片付けてから部室に集合してください」
('_L')「一年は全員片付け手伝えよ」
牛間がコートの端に散らばったボールに向かう
(个△个)「いきますよー」
そしてボール入れを持った水戸のもとへ飛ばす
(;'_L')「うぉい!飛ばしすぎ」
水戸が手を伸ばすが届かず、転がって行く
(;‐λ‐)「俺取ってきます!」
(个△个)「次こそはちゃんといいとこ蹴りますから」
フライパスが水戸の少し左側へ飛び、
( ФωФ)「よっ」
招木が落下点へ動き、頭で合わせ水戸の持つネットへ落とす
( ФωФ)「やった」
('_L')「遊ぶな」
( ^ω^)(なんかすごい楽しそうだお)
ブーンがゴールを運ぼうとポストの片側に手をかけた時、盛山がすでに逆側のポストを持ち上げていた
(・∀・)「じゃあ俺らはゴール片付けようか、俺こっち持つよ」
( ^ω^)「手伝ってくれるんですか、ありがとうございますお」
(・∀・)「部員なんだし当たり前だろ?」
二人でゴールの両端を持ち上げ移動した
( ^ω^)「水戸先輩からはよく1年生が雑用やれって言われてますお」
(・∀・)「俺はその考えは古いと思うけどなぁ
みんなで使ったものだし、みんなで片付けたら早く帰れると思うんだけど」
(・∀・)「まぁ水戸自体もああ言っときながら片付けしてるしな」
( ^ω^)「真面目ですもんね、水戸先輩」
(・∀・)「クソ真面目だな」
( ^ω^)「水戸先輩は一年生の時からああいう感じなんですかお?」
(・∀・)「あぁ、水戸だけじゃなく二年生だいたい一年の時の性格のままだぞ、水戸は自分にも他人にも厳しいし、庄野は掃除サボってよく怒られてたな」
( ^ω^)「はえ〜 じゃあ盛山先輩も今みたいに…
ちょっと失礼な言い方かもしれないですけど自信満々みたいな感じでしたかお?」
(・∀・)「全然失礼じゃないゾ、俺は同級生の奴らに負ける気はしなかったし、先輩にも食らいついていったさ
ただ、半並先輩にだけは絶対勝てないって思ったけどな」
( ^ω^)「強いですもんね」
( ^ω^)「1つ質問なんですけど、盛山先輩っていつも前だけ見てボールを見ずにドリブルしてるんですかお?」
(・∀・)「あ〜、バレちゃった?実は意識して目線を前に向けるようにしてるんよ そうすることで相手の動きを視覚で取り入れられるからな」
( ^ω^)「じゃあこれからは俺も前を向いてドリブルした方が良いですかね」
(・∀・)「可能なら な、
だけどボールを見ずにドリブルするってのはやっぱり難しいんだ
それにボールが見えないことで生まれるデメリットもある
俺もボールをこぼしたりするしな、
ブーンが俺を躱した後、制御出来ずにボールを前に蹴飛ばしてたろ?」
( ^ω^)「たしかに、あれのせいで足が詰まってシュートがうまく蹴れなかったんですお」
(・∀・)「ボールとの距離感が掴めないとああいう事がおこっちまうんだよな
あと、さっきの俺みたいに目線から動きを読まれたりする事もあるしな」
( ^ω^)「弱点もありますね」
(・∀・)「理想は周りを見ながら視界の下の方でボールも見える状態だ、まぁこれが意識してても難しくて出来ないんだわ」
( ^ω^)「盛山先輩でも難しくて出来ないものってあるんですね」
(・∀・)「当たり前だ」
ドリブルの話で盛り上がりながらブーンと盛山が運んだゴールを校舎裏に置いた、続けてドクオと中浜ももう一つのゴールを置いた
(・∀・)「ドクオと中浜もありがとな」
(’A`)「うっす」
('j v i')「じゃあボールも片付いたみたいだし、俺らも部室行こっか」
4人が部室に向かう道中も、サッカーの話題が途切れることなく続いた
____毘府高校 サッカー部・ロッカールーム____
荒牧監督が壁掛けホワイトボードの前に立ち、口を開いた
/ ,' 3 「明日の地区大会、初戦の対戦相手が決まりました」
( ^ω^)「おっ!遂に来ましたかお」
/ ,' 3 「1年生にとってはデビュー戦となる
地区初戦の相手は、みなも水産高校です」
( ゚∀゚)「聞いたことないっすね」
('Д")「俺学校の名前自体は聞いたことあるわ、でもサッカー部あったんだって感じ」
/ ,' 3 「ここのサッカー部は今年出来たばかりだそうです」
(;'j v i')「今年ですか?!」
/ ,' 3「えぇ、情報が無いので、どんな戦い方をしてくるか早めに把握しておきたいところですね」
そして具体的な戦術の話になり、フォーメーションは4-2-3-1で仮スタメンからの変更は無くそのままのメンバーで挑むこととなった
(;’A`)「じゃあ俺スタメンだなぁ 緊張してきた」
( ; ><)「僕もなんです」
/ ,' 3 「私の意見としてはこの試合、左京君を後半から出したいと思っています」
( ;^ω^)「えっ、良いんですかお?!」
(’A`)「よかったなブーン」
スタメンに選ばれず試合に出れないと思っていたブーンは喜びより驚きがまさった
(・∀・)「どうしたよ、浮かない顔して 試合出たいっしょ?」
( ^ω^)「でも正直、自分が出て活躍してるイメージが掴めなくって…」
(・∀・)「今日の紅白戦、ブーンは最後の最後でしっかり活躍してたじゃんか」
( ^ω^)「でも…俺レベルのドリブラーくらいトーナメントにはゴロゴロ居るわけで」
( ・∀・)「何言ってやがる、シャペウできる高一が他にどこに居んだよ」
(个△个)「そうだよ!あれだけドリブル出来て自信失う必要なんかないよ」
('Д")「頭に痺れるようなシュートだったぜ」
( ^ω^)「みんな…」
ブーンは周りの選手との差を感じ、いつの間にか自信を失い、自分を過小評価していた
(・∀・)「じゃあ質問、本番で発揮するために一番大事なことはなんだと思う?」
( ^ω^)「えー、練習を積み重ねることですかお?」
(・∀・)「そりゃ前提だ、その練習でやってきたことを発揮するためにはどうしたらいいと思う?他の一年も答えていいゾ」
(个△个)「試合を楽しむことだと思います」
(・∀・)「あぁ確かに楽しむ気持ちも忘れちゃならねぇ、ある意味正解だ 他に思いつく人いる?」
(‐λ‐)「そうですね、やっぱり熱くならずに冷静に試合に臨むことではないかと」
(・∀・)「ま、確かにそれは大事だ だけど冷静な気持ちと熱くなる気持ち、どっちも勝負事には必要なんだ それをコントロールするためには軸をしっかり持つことが欠かせないと思ってんだ」
( ^ω^)「軸ですかお?」
(・∀・)「あぁ、自分の中でブレない軸があれば相手に惑わされることもない
さっき牛間が言ってくれた、楽しもうとする気持ちとか、あいつには負けない、もっと成長したいとか自分の心の支えになるブレないもの もっと分かりやすく言えば、自分を信じるってことさ 自分で自分を信じることが出来れば、味方も自分を信じて着いてきてくれる いつかブーンがスタメンになった頃には理解出来てるんじゃねーかな きっと」
( ^ω^)「なるほど…」
盛山からありがたい話を聞かせてもらった
/ ,' 3 「はわぁ、さすがです盛山君」
('_L')「まさか、お前が急にこんな真面目な話をしだすとはな」
('j v i')「普段ふざけるように見えるけど、実はいろいろ考えてるもんな」
中浜が盛山の肩に手を置いた、盛山は少し驚いた顔をする
(;・∀・)「え?いつも俺そんなにふざけてるつもりないんだけど…」
(・∀・)「まぁ何はともあれ、サッカーって相手より多く点を取った方が勝ち、っていう単純なルールの割に、色んな要素が複雑に絡んでくる競技じゃん?
だからこそ、自分を信じてプレーするっていう単純な事が何より大事だと思うぜ」
(´・ω・`)「まぁこいつほど自信に満ち溢れてる奴も珍しいがな」
(・∀・)「ハハッそうかもな!」
( ^ω^)「フフッww」
部内は笑いに包まれた
(・∀・)「じゃあキャプテン、最後に締めの言葉くれ」
(;'_L')「え、急に俺?いきなり振るなよ…」
そう言いながらも水戸がホワイトボード前に立ち、部員全員の前で声を上げた
('_L')「じゃあいきます、明日の地区の初戦 自分のベストを尽くして全力で勝ちに行きましょう!」
( ^ω^)(’A`)(´・ω・`)(= Δ=)('Д")( ><)(个△个)
( ゚∀゚)('_L')('j v i')( ФωФ)∫ ∫一Å一)(・∀・)
(=゚ω゚)ノ(0 L0)(^д^)ξ゚⊿゚)ξ / ,' 3 「オーーー!!」
第7話 終わり