約1年前にも問題提起したのだが。。

東急の踏切で痛ましい事故があってから、1週間ほど経つ。
私は関西の人間なのだが、ちょうど1年ほど前こちらでも踏切事故があった。
そのときに書いた文がある。
事故のタイプは少し違うが、踏切の中で立ち往生してしまったこと、そしてそれを検知する装置がちゃんと備わっていてしかも正常に動作したこと、は共通する。
本当に、真剣に取り組んでほしい。

以下、1年前の文である。


昨日、阪急の神戸線が止まった。
原因は人身事故。
電動車椅子の男性が踏切で立ち往生。
電車にはねられてお亡くなりになったそうだ。

見ていた別の男性が、慌てて非常停止ボタンを押したが間に合わなかったらしい。

一体、何度同じ悲劇が繰り返されるのだろう?
何とかならないものか?

たとえば阪急のような大手電鉄会社なら、踏切に障検(障害物検知装置)というものをつけている。
基本的には映画によく出てくる、レーザー光線防犯装置と同じ仕組み。
線路上に障害物があると光(ビーム)がさえぎられるので、わかるというもの。

にもかかわらず、なぜ事故が後を絶たないのか?
立ち往生してビームに引っかかれば、直ちに電車が止まって助かるはずじゃないか?
と、誰しも思う。

なぜ?

理由その1。
車と一緒で、電車も急には止まれない。

理由その2。
障検といっても、万能ではない。
ビームは網の目のように張り巡らされているわけではないので、どうしても「死角」があるということ。
たとえば、地面に近いところは意図的にビームを飛ばしていない。
だから、立っている人は検知するが、車椅子は検知できなかったりする。
それが原因で今回同様車椅子の方がはねられた事故はまだ記憶に新しい。

理由その3。
障検のビームを遮ったら、電車は即自動的に急停止!

・・するわけではないらしい。

知り合いの運転士さんの話によると、障検が線路上の障害物を検知したら、まず(運転士さんからみて)踏切の手前にある、特殊な信号機がクルクル回転しながら点滅するそうだ。

運転士さんがそれを見たら
「踏切上に障害物があるのかもしれない。」
と考えて、非常ブレーキをかける。
そう。自動的に止まるわけではない。人の手で止める。

理由その1は致し方ないとしても、
理由その2とその3。
疑問を持つ人も多いだろう。

なぜ、車椅子でも検知できるようにしないのか?
ビームをもっと低くすれば済む話では?

では、低くしたらどうなるか。
小動物や、大き目の飛来物でもすぐ反応してしまう。
だから、ある程度高めにセットしてあるそうだ。

それでも、誤動作するらしい。
だから、「障害物検知」→「即自動停止」にはしていない。
その間に人間(運転士)の判断をかませてある。

「障害物検知」
→「特殊信号点滅」
→「運転士が信号視認」
→「非常ブレーキをかける」
(当然、車と同じで、空走距離すなわち遅れが生じる)

・・・やっぱり、なんかおかしくない??

誤動作が怖いから、安全側ではなく危険側を選択って、おかしくないか?

そもそも、今の技術をもってすれば人間と小動物や飛来物を見分けることなんてたやすいだろう。
手のひらにのる安価(業務用機器比)なスマホやゲーム機でさえ、簡単に顔認識や動体認識をする時代だ。
なぜやらない?

いや別に電鉄会社だけを責めているわけではなくて、国も研究機関も企業も、なぜ真剣に取り組もうとしないのだろう?

「いや。。コストが。。」

毎度のことだが、お金と人間の命を天秤にかけることがそもそも大間違い。
(まあ、最近は人の命をもて遊んでお金儲けをしようという輩も多々いらっしゃるようだが。)

というか、人の顔にネコミミ付けたり、不鮮明な写真から高精度に個人を特定してタグ付けしたり、(←どちらもかなり高度な画像認識技術です)、そんなことには莫大なお金をかけ心血を注いで開発するのに、なぜ踏切事故が防げない?
飛来物と踏切上にうずくまる人間の識別がなぜできない? いや、できるだろ。できるはずだ。
ネコミミ付ける前にやるべきことだと思うが。

ネコミミは即お金が儲かるから?
(←別にネコミミに恨みがあるわけではありません。単なる例です。誤解無きよう。)

でもこっちは、お金を生み出さないかもしれないが、莫大な損失を事前に防ぐことができる。
事故が起こったときに、出て行くお金と、
そして何よりも大事な、人の命の損失を。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?