極夜行

誰かに分かって欲しい悲しみは
だいたい分かり合えないし
なんの解決にもならなければ
くその役にも立たない

でもだ、そういう無力さを
どうにか力にしようとすることを
一回でもやめたらもうあかん
一回でもは言いすぎたかもしれないけど

長い暗い闇の時期を乗り越えて
排気口新作公演は今日から公演された
もちろん暗い闇は表現だし
今日は風は強いけどいい感じの陽が出てる

今回の排気口はもしかしたら
どうにも掴みどころが分からないかもしれない
どうしようなくくだらないし
一向に話が進まないからだ(これ言っていいのか)

でも今回の公演は
そんな日常生活の一部分みたいな時間を
剥ぎ取って物語に肉付けした
ちいさな化け物かもしれない
タスケテ...

去年の夏かな
一棟貸しのバンガロー？かそんなところを借りて
ただひたすらに飯を食って酒を飲もうって
そんな話があったんだ
突如話に上がってなんとなく盛り上がった
それは夢みたいな話だった
声もかけてないメンバーを頭の中に集合させて
誰が言ったかも分からないけど乾杯が聞こえ
好きな音楽をかけて自然の中の大宴会

言葉にすればその狂気を肌で感じられた
でも言葉ではレベル1くらいで
皮下組織に届く頃には
だいぶ冷たくなっていった

話が本格的になると
その絵空事は驚くほど脆くて
時間の流れに乗ることができなくて
後ろ姿のパドリングはあまりにも滑稽だった

花粉が本格的になると
みんなが忘れたシャングリラは
理想のまま語りつがれ
史実のような扱いになった

つまり頓挫しちまったんだ

だけど....俺は負けないよ
この伸哉バリのマインドは
絶対に胸に秘めた方がいい
隙がなくても躍動した方がいい

その方が後悔しない
行動基準はそれしかない

だからいつになってもいいから
あのシャングリラにいくんだ

入口に立つ時ひとりでも
出口にはみんながいると信じてる
その時きっと極夜も明ける

では排気口新作公演の成功と
関わってくださる、観にきてくださる
みなさまに見たことのない希望がありますように

佐藤暉

排気口新作公演『光だと気づいた順に触れる指たち』
【日時】
2024年3月
20日19:00
21日19:00
22日19:00
23日13:00　18:00
24日13:00　17:00　
【料金】
予約3500円・当日4000円
18歳以下は予約・当日共に1000円
【場所】
王子小劇場
予約 https://shibai-engine.net/prism/pc/webform.php?d=2u5sldm8
約95分　途中休憩無し

佐藤佐吉演劇祭2024参加作品
en-geki.com/sakichisai2024/

開場・受付は開演の30分前

作・演　菊地穂波

出演　
佐藤暉　中村ボリ　坂本ヤマト　桂弘　澁川智代　
森川錦　海国りん　山田航大　小川雄気　

演出助手　加茂慶太郎
音響プランナー　　Mana-T
音響オペレーター　夢乃屋毒花
照明　中村仁　
照明操作　麗乃
舞台監督　菊地穂波
舞台監督補佐　伊藤セナ

最近読んだ本
「極夜行」　角幡唯介