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いつかうちにも中原岬ちゃんが訪れますように

気がついた時には部屋は暗闇に包まれていた。
昼過ぎには起きていたはずだ。
目覚めたとて重い身体をあえて起こすことはせず、天井を見つめていたらまた夜になっていた。
部屋に散らばるゴミ袋に苛つく。
こんな生活もううんざりだ。
大きな溜め息も虚空に消える。
クソが。
果てしない憂鬱がじわじわと心を蝕み始め気が狂いそうになる。
落ち着け、こういうときは目を閉じて僕だけの中原岬ちゃんを想像するんだ。

中原岬ちゃんはやっぱりうちには来てくれない。
毎日は絶望だ。
日本引きこもり協会なんてやっぱりフィクションだったんだ。

今日、日付回って昨日、8月の排気口の本フライヤーがあがった。
今日から、というか日付回って昨日から排気口note更新も始まった。
また更新が間に合わなかった。
暗闇に包まれた部屋で、わたしは十分に天井を見つめたあと文章を書き始めたものの書いては消してを繰り返した。
夏の排気口ホラー公演の宣伝だから一発目の更新は怖い話をと書き始めてみたものの、憂鬱が文章に乗っかってしまって胸糞悪いものしか書けなくて困ってしまった。
来週からは書きかけの怖い話を完成させてnoteを更新したい。

今は毎日が怖い。外が怖い。水辺が怖い。カーテンの隙間から覗く目が怖い。インターネットが怖い。人が怖い。
何もかもに怯えてベットの上でガタガタしているだけのなか、YouTubeで垂れ流す怖い話だけが怖くない。怖くないというか優しい。わたしを生かしてくれる。
今のわたしの場合は怖い話だった。これはなんでもいい。

憂鬱に殺されかけているわたしみたいな人が、8月のお盆に目の前の怖さ以外の日々の怖さから解放されるように、わたしはわたしの怖いに蓋をして頑張りたい。と思っている。
行き着く先もホラーだけれど。
そうじゃない人も、とにかくたくさんの人に「暗愁行尸」を見に来てほしい。
玄関のインターホンを鳴らす中原岬ちゃんになりたい。
今日のわたしはこれが精一杯だ。
明日も憂鬱に殺されないように今日は寝る。ほんとに睡眠は何よりも大事だ。
みんなたくさん寝た方がいい。
みんなの今日がせめてつらいものではありませんよう。

中村ボリ


排気口新作公演『暗愁行尸』
【日時】
2024年8月
15日19:30
16日15:00 19:30
17日15:00 19:30
18日13:00 17:30
【料金】
予約3500円・当日4000円
18歳以下は予約・当日共に1000円
【場所】
荻窪小劇場
約90分 途中休憩無し



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