マリオあざらし

オススメ

ひとさまから作品をオススメされるのが苦手です。(本、ゲーム、音楽、漫画、映画、アニメ全般)オススメされると緊張しちゃう。

「うわっまたコイツめんどくさい話かよ」と思った方。まあぶっちゃけそうなんだけどちょっと聞いて。

私の主な生息地であるツイッターのタイムラインは、何かしらの作品への愛が強く持っている、いわゆるオタク的なツイートが多いのだが、たまに悲しみや怒りの言葉が流れてくるのだ。

「ずいぶん前に友達に〇〇(作品)すすめたんだけど、そのときは見もしなかったくせにそれが流行った頃から見始めてドハマリしててイラッとした」
「友達に〇〇知ってる!?面白いんだよ!って言ってたけどそれ前に私がオススメしたやつだから!」

とかそういうのである。すいません。後者は記憶力の問題なのでアレですが、前者にはなりやすい人種です。こんにちは。実際、これを読んでいる方々も似たような経験(オススメしたのにスルーされた)をした方もいるかもしれません。今回はそういうオススメ作品スルーをやりがちな人間の言い訳を聞いてやってください。

例えばお友達に、「これ今読んでるんだけど、面白いよ。きみもたぶん好みな漫画だよ、読んでみてよ」とオススメされたとします。


相手のお友達がオススメしてくれていることは善意からだとわかります。自分で読んでみて面白かったものをすすめてくれてますし、しかも私の好みっぽいと判断してくれているわけでこちらのこともわかっています。もしくは語り合う仲間も欲しいのかもしれません。

ですがですが。めっちゃ怖いんですよねこれが。

「よーしじゃあ読んでみっか」と読んだとしましょう。

つまんなかったらどうすればいいの…。

この回答が見つからないので、私はよーしじゃあ読んでみっかではなく、「あーじゃあ機会があったら…」となります。THE逃げ。

そんなもの読んでみなきゃわからないじゃないかって話なんですが。もちろん面白かったらいいよ。でも実際好みじゃなかった場合の伝え方ってなにが正解なんでしょうか。だって相手はその作品が好きなわけなんですから。

1.「つまんなかったわ」
→相手ショックだし、人間としてどうなの。

2.「面白かったよ!(嘘)」
→友達に、しかもその作品を本当に面白いと思っている人に嘘つくの?めっちゃ残酷だし、今後もその話続くかもしれんぞ。上っ面でいくのか。

3.「ちょっと私には合わなかったな」
→これがベストというかマシだと思われる。が、「じゃあこれは?」と別のも出してきちゃう熱い人もいるのでこれはこれで…。偏見ですが、特に音楽好きな方に多い気がするわこのパターン。

さすがにこちらから「何かオススメない?」って聞いたパターンならすすめてくれた以上はその作品に触れてなにかしらの感想は言うべきだと思うが、たまたま上記のようなオススメをいただいた場合には私はこんな感じで委縮してしまうのである。オススメしてくれた相手の性格、自分との関係性、作品への熱量などはそれぞれだが、ガンガンこられればこられるほどビビッてしまう。ビビりすぎて引くだろ? 私も引いてる。

もしくは、委縮までいかずともに単純に「いまそのジャンルは他の作品でお腹いっぱい」という場合もある。たぶんこのパターンは多くの人にあると思う。最初にだしたツイッターで見かける「オススメしたのに…」はこの食い違いのせいではないかと勝手に思っている。

一度にハマれるジャンルや深度は人によってバラバラだ。(特に漫画やアニメやゲームなど)同時期にいろんな作品やジャンルにハマれるひともいれば、一つの作品にどっぷり頭まで浸かっていたいという人もいるだろう。私もどちらかというと何かにハマっているときは一つの作品にどっぷりタイプである。

食事で例えるとわかりやすい。いくら美味しそうなカツ丼(オススメ作品)を持ってきてもらっても、「いま俺はカツカレー食ってんだ」という感じでは、カツ丼は受け付けられないのである。どっちも食える?フードファイターは帰ってくれ。

で、カツカレーも食べ終わりなんならデザートまで食べて、しばらくたち、またお腹が減ってきた頃「そういやあのときカツ丼すすめられてたな…」と思い出し、そのオススメのカツ丼を食べたとする。あらやだおいしい!このカツ丼おいしいよ!とまわりに伝わるように叫ぶのである。

…ここで、最初にカツ丼を薦めた方が「だからあの時おいしいって言ってたのに今更!」とイラッとしてしまう。食事に例えたらいくらか理解してもらえるだろうか。結局ひとに作品をオススメするということは食事ではないが、オススメを受けた側はこんなものなのだ。すまない。

オススメした側のイラッとしてしまう気持ちもわからなくはない。本当は一緒にカツ丼(作品)おいしいねー!おいしいよねー!ねー!と言いたいよね…。特にその作品があまり有名でなかった頃から好きで、そしてそれが有名になってから友人がかじりだしたりなんかしたら、イラッとする気持ちもあるとおもう。好きなバンドがインディーズからメジャーになり、ばんばんライブやってファンがどんどこ増えるのをみているとなんか寂しい…とか、地元の隠れた名店のカツ丼が、テレビで紹介された途端に行列ができるようになってしまうほど大人気になっちゃう寂しさとか…。結局カツ丼かよ…。

文章にして並べてみると本当に勝手な言い訳でしかないのだが、例の「オススメしたのに」の話は見てて「違うんだよ!オススメしてもらった側もこうなんだよ!」と叫びだしたくなるので思わず書いてしまった。作品をオススメする側の方も、ずいぶん後からハマッたと報告されてもどうか「ファンが増えた」ぐらいの気持ちで優しい目をしてあげてほしい。勝手な言い分ですみません。誰かになにかオススメするときは、全然寄ってこない野良ゴリラに「ここにバナナおいとくから!別に食っても食わなくてもいいから!!」ぐらいの感じがちょうどいいと思います。期待しすぎるとお互いに辛いと思います。

そんな感じでみんな仲良くしようやと願うグレーさんでした。なにとぞよろしくお願いいたします。(野生のゴリラに遭遇したら目を合わさず逃げてください)