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夫の義弟

 正月だったらしい。もう随分長いこと年賀状を書いていない私だが、喪中はがきは届く。

 友人は義弟が亡くなったらしい。若くしてお気の毒に、と思ってよく見たら、友人の旧姓と同じ名字だった。…実の弟のようだ。

 家族連名で喪中はがきを出すときは、夫からみた続き柄で書くことになっているのだろうか。自分の弟が死んで「義弟が死にました」と書かなくてはならないものなのか?

 ひどく気持ちが沈んだ。

自分を連名の筆頭にして、「弟」と書いたら良いじゃないか。連名なんて、夫・妻・子の順でも妻・夫・子の順でも同じのはずなのに。友人のいる世界は遠い。

 お悔やみを言わなくてはと思いながらのろのろと粥を食べている。喪中はがきは状差しに立て掛けたままだ。