勇者になりたいから宝箱を作った
宝箱……
開けたらゴールドや武器や防具、道具がタダで貰えるゲームに必須の存在。
めちゃくちゃ良いですよね。
あったら無条件に嬉しいですよね。
申し遅れました。
私、かずひ子と名乗っている者です。
猫の姿で失礼します。
私はRPGゲームが大好きです。
宝箱も大好きです。そりゃもうダンジョンにある隠し宝箱をすべて見つけるためにダンジョンを二周しちゃうくらい大好きです。
そこで、私は思いつきました。
"勇者が居るところに宝箱が在る"
古来から、RPGは必ずと言って良いほど
勇者のために宝箱が置かれています。
そう思った私は
"宝箱を日常に出現させてしまえば擬似的勇者体験をできるのでは…?"
と考えました。
なので、作りました。
宝箱
材料は全て100均です。
ダンボールに木目シールを貼り、
皮のフェルトと金属質のパーツをそれっぽい感じにつけます。宝箱の上の部分はダンボールをなんかいい感じに曲げて接着しました。
550円で完成しました。
550円の宝箱ですが、結構大きく、我が子のように抱えられるくらいのサイズです。
宝箱を抱える経験、した事ありますか?
宝箱を抱えたことのある人生を生きたいので
宝箱を抱えてみました。
"愛"
その一文字しか頭に浮かびませんでした。
宝箱を抱えた時点で私の気分はとても高揚しています。
早速、宝箱を日常の風景の中に置きたいので、キッチンへ向かいます。
きたねっ
とはいえ、日常の風景の中に宝箱がどん!
とあるの、わくわくしちゃいますね。
廊下に置いてみると……
もうこれRPGだ!宝箱だ!!
最初の旅の準備として100Gが入ってるんでしょう。
ほら…、これもう勇者ですね。
玄関前に置いてみると……
宝箱の前にモンスターが現れて戦闘に入るやつじゃないですか!?
後でこの宝箱から特別な武器が貰えそうですね。
RPGのストーリーを進めて行くがごとく
宝箱を抱えながら外に出てみます。
気分はお城へと向かう未来の勇者です。
色々な場所に宝箱を置いてみます。
ここからおれの冒険が始まるぞ!
川辺に置いてみると……
橋の下にある隠し宝箱だ!
少しレア度の高い道具が入ってそうです。
鳥居に置いてみると……
と思ったら立ち入ることができなかったので
手前に置きました。
どことなく神々しく感じます。
せいすいが入ってそうですね。
孤島に置いてみると……
と思ったらこれは船を手に入れてからじゃないと進めないやつですね…あそこに宝箱はあるのに!
港町に行って問題を解決し、町長からお礼として船を入手するまではお預けです。
冒険気分で近所の草原もどんどん進んで行きます。
風景の中に無造作に宝箱が置かれてるの
3DモードのRPGのフィールドみたいですね。
手軽に体験できる異世界。
勇者の気分で歩いていると怪しい森が。
あの森の中を進みます。
草原から森へと足を運んでいきます。
強い魔物が出るかもしれません。
身を固めて行きましょう。
すっかり勇者の私はずんずんと森の中を進んで行きます。
あっあの光っているのは!
宝箱だーーー!!!!
嬉しい……っ!
暗い森の中、きらきらと光る宝箱を
見つけた時のRPGの主人公の気持ちとリンクしている…!
森を抜けると、洞窟(ダンジョン)が見えてきました。
何かありそうな雰囲気が溢れていますね。
暗闇へと進んでいきます。
あっ!きらきらしてる"あれ"……
宝箱だ!!
やったーー!!!
ダンジョンで見つけた宝箱にどうのつるぎが入ってて街で買ったのとかぶるパターンだ!
…とRPGあるある妄想を頭の中で繰り広げながら一人で撮影をしていたら、日が暮れてきました。
すっかり肌寒くなり、流石の勇者も寂しいので家に帰りたくなってきました。
"どうのつるぎなんてなかった"
その事実と宝箱を抱えて帰路に着きます…。
これまで宝箱を発見する度に浮かれていましたが、自分で作り、自分で置いて、自分で見つけて撮影しているので、中には虚無しか入っていません。
もちろんモンスターも出ません。
なんの生産性もありません。
悲しいですがこれが現実です。
……ですが、
ですが見て下さい。
この宝箱の堂々たる姿勢。
まるで私たちに夢を見せてくれるかの様に
悠然とそこに居ます。
そう、日常の風景に宝箱があるだけで気持ちが"最高"になるんです。
何もしてないのに"凄いことを成し遂げて報酬を貰う勇者"になれるんです。
宝箱、作って良かった。
自己肯定感が無責任に上がります。
なぜなら私は勇者だから
今まで手をつけなかった部屋の掃除を終わらせることもできます!
なぜなら私は勇者だから!
……すみません。
しばらくの間、勇者の気分に浸り
"最強"になっていました。
このように、宝箱を作ったらあっという間に勇者の気分になれるというライフハックを得たので、みなさんも是非試してみて下さい。
これは宝箱を抱えてにっこりしている私です。
宝箱を作り、存分に勇者の気分を味わえたので、私はここで失礼します。
ありがとうございました。
その後、満足するまで使った宝箱は部屋の掃除の際に物入れとして新しく活躍する場を得ました。
【追記】
オモコロ杯銅賞頂きました。
大変嬉しいです。ありがとうございます。
引っ越す際には素敵な褒美を貰うきっかけになった宝箱も一緒に連れていきます。
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