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あるバイトの話

私は三つアルバイトを掛け持ちしている。と言うとば畜だのなんだのと勝手に心配してくださったりいろんな目で見てくだったりする方々がいらっしゃるけど、実はそんなに大したものでもない。だって一つは月一くらいしか入れなくなっちゃったし(赤字のせい)、もう一つは超楽なお仕事。もう一つは…先月始めた激務がある。

チェーン店はバイトがきついとよく言われるけどまあいけるっしょと謎の余裕をぶちかまして、意気揚々と始めたチェーン定食屋さんのアルバイト。常に怠そうな店長にちゃきちゃき動くカリスマおばさん、温厚な面倒見のいいおじさん、やけに馴れ馴れしいお兄さん、私をベトナム人だと思って母国語で喋ってくるベトナム人大学生…なんとも漫画に出てきそうなレベルで個性強めなメンツに囲まれ、楽しいアルバイト…とはならなかった。

特に今日、すんごい心が折れそうだった。というかすでに粉砕された気もしなくもない。

店長がキッチンに

そう。彼がキッチンにいる時点でまず今日は人手不足の日なのかと悟った。お疲れ様ですの気持ちを込めて私はいつにも増して礼儀正しいキャラで挨拶したにも関わらず、いつもに増して機嫌が悪い。返事がない。ここまではまあ許容範囲だった。しかーし。ただでさえ2月に始めたアルバイトで、さらに帰省等等で1ヶ月ぶりの勤務。このレベルの私に求めることがやたら多い。

・「まだチーズの場所も覚えてないんかい」
(今までチーズを使うポジションについたことないんですけども?人手不足でピーク時間帯に不慣れな場所に就かせといてなんやねん。炒め物なら完璧なのに店長にポジション奪われた)
・「えびは1本なのになぜ2本揚げた?」
(習得したメニューでは2本でした、メニューによって変わるなんて知りませんでした、は無責任か。納得)
・ずーーーーーーーーぅっとカリカリしてる
・営業時間終了してないのに店長にフライヤー切られたせいで間際に入った注文の揚げ物ができなかった

てんちょ

まあそりゃあ雇われ店長だしシフトも埋まんないしイライラするのもわかる。でもそんなカリカリしてるから周りに人が寄ってこないのでは、すなわちアルバイト勢の働きたい意欲を削いでいるのでは、とかとか一人で突っこみを入れてみる。そうでもしないとやっていけない。

でもそんな雑念を抱えながらできるような仕事でもないことを私は忘れていた。本当に、店長にツッコミをしている時に限ってミスをする。チーズを落とし、魚を2回も崩し、トンカツを焦がし、卵を2倍で卵とじを作り…(とんかつと卵とじは作り方を知らなかったが放置されたため見様見真似で作ってみた。なんなんやこの職場。これでいいんか飲食業界。)標準レベルがわからないが1ヶ月ぶりでかつここで5回目の勤務。教えられてもいない揚げ物とセントラルポジションをこなしただけでも褒めていただきたいものだ。

まあこんなこと言っててもなんの解決にもならない。唯一言える解決策は、予算を人件費にもっと割くこと。バイトなんて熱意もって働かせようとあれこれ凝ったことしなくても、店長の、またはその周辺の人の背中で魅せられたとき勝手にやる気を出して動くものだ。実際に掛け持ち先の、現在赤字で月一しか入れないアルバイトをまだ辞めない理由は『人柄』だと自信をもって言える。と言うかそれしかない。もはや先輩や同期、店長に会いたくてバイトをしている。接客も自然と笑顔になる。そんな素敵な人がいないなら。

しゃあない。それはもう高時給しか勝たん。

まだまだ言いたいことも気持ちの整理もついてないこともたっっっっっくさんあるけど、とりあえずさっきまでバイトで気が滅入っているので今日はこの辺で。やっぱり人って大事。この人にまた会いたいって思われるような人でありたいもんですな。

それじゃ。


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