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お金の使い方

幸運なことに、私はまだお金に苦労したことがない。

奨学金で一部を賄いつつも、博士課程修了の20代後半まで学費や生活費を親が負担してくれたのだから、一般家庭でも経済的に恵まれている方である。
【お金については親に十分感謝すべきことだが、その一方で、お金と人の欠点を責める方法でしか子どもに愛情を伝えられないような哀しい親だと感じている。それはまた思い浮かんだら書くことにしたい。】


小さい頃から母親が「うちは貧乏なんだから」を口癖のように言っていたおかげか、私は比較的倹約できる性格に育った。いや、そもそもあまり欲がない性格に育った。ブランドの服や小物、美味しい食べ物、車、家、アイドルなどの推し活、これらには興味がない。

さらに、政治・経済など世の中のことにもほとんど興味がない。特に大学院生の頃はニュースを見る余裕もないくらい研究が大変だったので、世の中で何が起こっているか全然知らなかった。

このようにだいぶ浮世離れした人間になったので、世の中を少しは知りたくなるようなことを始めてみようと思い、数年前から株式投資を始めた。

まず本屋の投資本コーナーに行き、本のタイトルと冒頭をさらりと見た。胡散臭くなさそうで、且つ基本的なことが易しく書かれている、最後まで読めそうな本を選んで読んだ(なんとなくで選んだ)。

次に、その本に書かれていた今後成長が期待できそうな要素があり、なんとなく自分が良いと思った銘柄を3つほど選んで株を買った。あまりに少額だと危機感を感じず勉強したくならないかもしれないので、生活費3ヶ月分くらいの額を投資した。生活費3ヶ月分は、来年には職がない可能性もあり奨学金返済もある身としては、それなりに大きく感じる金額である。

無事私の思惑通りとなり、将来世界はどのように変化し、これからどの分野が発展するのかを時々考えるようになった。(特に期待していなかったが、投資は今のところプラスである)

たぶんお金に詳しい人はこれを読んで「職も不安定でお金もないのに何て危ないことをしているのか」と呆れてしまうだろう。私も、これから大失敗して損失するかもしれないし、他人には決しておすすめしない。

それでも、経済に全く興味がない私に興味を持たせることができたので、私にとっては満足である。私は学びにお金を使うことで喜びを感じる人なのかもしれない。

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