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冗談じゃない旅 金土日

こんにちは 珍しく連日投稿しています

奥歯を抜いて魔改造されたのは さておいて

今回からまた 旅の続きです

今回からなるべく短くいきます

よろしくどうぞ

※終盤に人身事故描写あり。ご注意ください



夢から現実まで


上映後

映画の余韻 熱冷めやらぬ会場へ
監督 役者たちが登壇する
舞台挨拶に移る

舞台挨拶の模様はこちらの記事が詳しい
https://www.1st-generation.com/?p=19347 

このあと集合写真となるが
佐野岳さんが時間とのことで一旦はける

会場には、少し残念そうな声も
が、佐野さん すぐ戻ってくれた 流石ヒーロー

撮影後はテアトル新宿の地上入口で
サイン会となる 

映画の上映開始が20時40分だったから
もう時間もかなり遅い
断念して帰る人もいたようだったが
それでも長蛇の列となった

最後の最後まで 監督 演者
みんなペンをふるって
観客たちと目を合わせて
声に耳を傾けていた

サイン会が終了してから 劇場が閉まる
ほんの少しだけ 日下さんと話ができた
東京の公演が終われば 次は関西で上映となる
広くたくさんの人に 届いてほしいと伝えた

海老沢さんと太田さんが
劇場の奥へ戻られたのを見届けて
自分も退散することにした 良い夜だ


東京でも変わることないなぁ 君は


新宿の土地勘はない
と言うか 東京の土地勘はない

いま時刻は23時40分
バスタ新宿までは遠くない…はず
検索すると10分くらいか

深夜バス発時間は24時05分
ちょうど良さそうだ


泥睡

おなじみの バスタ新宿

いつ訪れても 人の多いバスの発着所
コンビニはファミマからデイリーになってた

水と… そうだ お土産を買おう
いつもは あまり買ってはいかないんだが
今回は まっすぐ帰らないから

人数いるし、ハッピーターンの缶が良さそう
あんまり重くもない 袋にいれてもらう

あとは…どうしようかな 着替え…
深夜バス 寝苦しかったらやだし
明朝、名古屋着いてから着替えればいいか


明日の朝まで よろしく頼みます

トイレをすませたら 搭乗時間となる
持ち込み荷物とバス貨物室に入れる荷物は
既に分けてある 旅慣れしたものだ

ポスターや土産の袋は 網棚へ
言うても 網なんて最近じゃ使われていない

席に座る 今回はキャノピーがでかい
自分は WILLER EXPRESSを良く使う
コスパいいし 予約もしやすいから

座席には種類がいくつかある
頭を覆うタイプ 視線や光を遮るカバーがある
これは昼夜関係なく着いている

今回の席には 頭を覆う部分のセンターに
スマホを固定できる ストレージがあった
なるほど これは便利
映画やドラマを見ながら 移動できそうだ
ただ、夜は使わないかな…寝ちゃうだろうし

一応スマホをセットし アラームは切っておく
そうこうしているうちに時間だ
シートベルトをする

バスは定刻に発車する


そういえば
8キロ歩いてから 映画を観たんだなぁ…
たくさん お客さんいたなぁ…
良かったなぁ…


泥のような疲労感は一瞬で意識を閉じさせた



土曜 帰り道は盆栽屋経由


目覚める

バスが停車している
早朝の高速サービスエリア
ここはどこだ…

ちょうど日の出
荒ぶる小鳥 ハクセキレイかな?

岡崎だった もう愛知県入りしている
一瞬だわ どうなってるんだ…寝てただけだぞ
寝ぼけたまま 朝日の中 伸びとあくび

現在、5時8分…うん
ささしままで あと1時間くらいかな
もう一眠りしよ


早朝の高速道は何も問題なく


ささしまにも 定刻6時15分に到着する
このまま近鉄へ向かう


8時30分 自転車を飛ばしている
電車の狭小トイレで ツナギに着替え
最寄り駅にからは 自転車だ

10分もかからず 土日の定位置 盆栽屋へ

お土産を渡して「みどりの日」を始める

皐が綺麗
世間は土曜日 いい天気

夕方まで やいのやいのと過ごして
また明日と さよならをする

やっと家路となり 安定の18時帰宅

けどまあこれも いつもの日常
変わらないことは ストレス少なくていい



日曜

朝7時の列車には乗っている 今日も盆栽屋

盆栽屋には 2022年7月から通いだしている

庭の整備をしたら 自分の手でも盆栽を…
と思うが たぶん、反対されるだろう

かみさんの父 つまりは義父は
盆栽が好きで育てている

かみさんの実家では
いくつかツツジだかサツキの鉢を置いている

だが 義母やかみさんからは嫌煙されている
同じ道を辿らぬようにせねばの


盆栽鉢 色々あって 見ても楽しい

今日は鉢の発送梱包をお手伝い
小さな鉢たちは 海を越えていく

盆栽は元は中国のものだったものが
江戸時代に伝来し ブームになったらしい
日本各地の良い焼き物が 良い鉢を産み
また 本場中国がそれを使ってくれる
想像すると 壮大な気持ちにもなる

1日 ああだこうだして過ごし 帰路に着く

平和に終わると思っていた

行く手には 不穏な雲


異変 ここが現実

曇りで過ごしやすい…と気楽に構えていたが
異変にはすぐ気がついた

妙だ 普段は特急や急行が駆け抜ける線路
そこに列車が停車している
あれは1本前の いつも乗れない急行だろうか

遠くに薄く 遮断機の音

しばらく停まっているのか
踏み切り前の道路には 車が列をなしている

嫌な予感がする
電車が遅れているとか
そんな単純な予感ではなく もっと悪い 


曇天のように暗く 悪い予感

駅に近づく 道はやはり車の列
切り返しできる空き地から
戻っていく車もある

1台の運転席から
女性が声かけてくれた
「踏み切りは開きませんよ!」
それはわかる ちょっと前から確認してる

けたたましい踏み切りの音は続いている

踏み切り向こうの道も 渋滞ができている
車から降りた男性があちら側から
「しばらく開きませんよ!」
と、大声で自転車の私に伝えてくれた

線路上、まず見えたのは
少し離れた下り坂の途中
特急が停まっている
黄色の車両… アーバンライナーだな
おかしなところに停まっている
故障だろうか

撮影しようと思いポッケからスマホを出す

すると、踏み切りの向こう側から
鉄道会社の職員が現れる

小柄でメガネをかけた真面目そうな男
ヘルメットと反射材のチョッキを来ている
バインダーを脇に抱え ひどく慌てた様子だ

頭の中で声がする
「オイ、スマホをしまえ
 今すぐにここから離れるぞ」

同時に職員の胸に見えたのは
『現場責任者』の文字

ハッとする

血の気が引く

なぜ気がつかなかったのか

電車に気を取られていたのか

電車と踏み切りの間 線路上に

馬か何かが倒れている 動かない

小さなポニーか 豚のような

いや

あれは獣ではない

その先端

あれは人の足の指だ

内圧がかかって 異常に膨らみ
黒ずんでいる

横倒しになっているのは

腿なのか 腹部なのか

異様に肌の白さ目立つ

裂け目には赤いものが見える

衣類や靴は見えない

駅の方を見やる

やはり少し離れたところに

黒ずんだ足だか手だかが

千切れて落ちている

指先はこちらを向いていて

断面は見えない


そこでようやく
やっと目を背けることができた
わずか 2、3秒のことと思う


男性か女性かも わからない


顔は分からなかったし
もし目を合わせていたら
もっとおかしくなっていただろう



ただそれが
列車に跳ねられた人なのは分かった



呼吸が浅い
いけない
ここから離れなくては

膝が震える しっかりしろ
ここにいてはいけない

中学生くらいの子どもと親が なにごとかと
家から出てきて線路へ向かおうとしていた
震える声でかろうじて声になる
「行かない方がいいですよ」
詳細は言えず 自転車のペダルを踏み込む

振り替えることなく その場を後にする



盆栽屋へ 再び帰り着いた私に
「どうした、忘れ物?」と聞く店主
店主の家は踏み切りの向こう側にある
渡っては帰れないだろう 事情を話す

そういえば警察も現着してなかった
復旧には最低 2、3時間はかかるだろう
遠回りで帰ったほうがいいと伝える

自分は別ルートで帰る旨伝え JRの駅へ向かう


遠くからサイレンの音がする


さっきの光景から色々と詮索しそうになる

ダメだ いけない やめておこう

どっちに転んでも 良くない


来たことない駅

帰りの電車はワンマン運転
おそらく近鉄が運行不能で流れてきたのだろう
人、人、人、満員ぎゅうぎゅうで四日市まで

四日市から近鉄四日市駅まで歩き 家路へ

ひどく くたびれてしまった

明日に響かないだろうか

少しずつ旅の記録をつけていたが

あんな光景は 間に挟みたくなかった

しかし これもまたタイミングなのだろう

あの時、無闇に写真を撮ったりするような
人間性でなくて、正直ほっとしている
秩序と尊厳は守らなければならないから

言葉に残すのは戒めのためだ
私は明日からも
歩いていかねばならない

ここが 現実なのだから




本日はここまで


今回の内容には 非常に厳しい部分もあり
自粛、自重すべきなどの意見もあると思います
苦しかったですが、迷いましたが
言葉にしました

あの現場が
事故だったのか、自ら飛び込んだのか
私には分かりませんし
これからも知りたいとは思いません

ただ、精神的にかなりひどく
痛めつけられた事は事実でした

人は考えてしまう生き物だし
自由に意思を行動に移せてしまう生き物
どうか注意深く そして早まらないでほしい
これは自戒を込めています
大なり小なり希死念慮があるならば
うまく自分と向き合えるように
日々自問自答していくよう心留めます

普段の文章と違って
今回の話に限っては 後半
気持ちのいいものではないので
無理やり付き合わせてしまい 申し訳ないです
(しんどい場合は非公開にします)

次回 5/27(月)の旅路です


じゃ、また



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