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オンライン会議のコツ

新型コロナウィルス感染症の影響でオンライン会議の需要が一気に高まりましたね。ICT機器への慣れ、接続環境の違い、もともと通常の会議でもあった発言量の差、それらによって会議が「うまくいったな!」と思うことも、「次はどうにかしたいな」と思うこともあると思います。私は思い返せば2014年くらいからオンライン会議をしているので、その中で得た「コツ」のいくつかをご紹介します。

オンライン会議の発言のハードル

会議など人が集まる場での発言には、勇気もいるし緊張もします。学校、職場、非営利活動、生涯学習の場、自治会などさまざまな場面で私たちは経験し、「慣れてきた」「反応してもらえるのがうれしくて積極的に発言できるようになった」「最低限の発言はできる」「指名されれば話す」など、自分の限界や可能性、得意不得意の意識などを持ってきました。ではそこに「オンライン」という要素が加わると、自分の限界は上がるのか下がるのか、みなさんはいかがですか?
私がオンライン会議を初めて経験したのは、東北の復興支援の仕事で、3~4拠点10人程度のチームででした。20代~40代、出身地も前職もバラバラなメンバーで、みんなほぼ初めてオンライン会議をしました。
始めてみると、毎回、会議中ほとんど一言も話さないメンバーがいることがわかりました。通常の会議でも、立場が上の人下の人、性別や年齢、経験豊富かどうかなどで発言を躊躇することはあります。もともと話すことを「不得意」と思っている人もいます。でもオンライン会議で発言できない理由はそれらに加えて2つくらいありそうでした。

・「私が話します!」という明確な意思表示がまず必要(ミュートの解除、同じ場所から複数人が参加している場合マイクを引き寄せる等)
・意を決して話し始めたのにネットが不安定でほぼ聞こえていなかったなどの話終わった後のがっかり感で次の発言に消極的になる

ハードルを下げるためのハード面の工夫

そこで私たちが取り入れたのが、イヤホンジャックデスクトップマイクです。
このツールは環境によって必要な要素が異なるので、私たちはたまたまこの2つだったのですが、改善されたことは次の2点です。

「聞こえない」状態を減らし話の流れを全員が追いやすいくなった
勇気を出して発言したことがちゃんと相手に届く状態を作れた

通常の会議では当たり前にできることが、オンラインでは意識しないとできないこともあると考え、それを解消するために何があると良いのかを見つけることが大事だと気づきました。「聞こえない」ことが常態化すると会議への参加意識は薄れます。ツールを新たに取り入れなくても、PCやアプリ機能をみんなで確認し合うことで改善できることもあります。オンラインならではのストレスを解消し合える方法は、まだまだあると思います。

ハードルを下げるためのソフト面の工夫(リスト)

ハード面を整えたら、次はソフト面です。せっかく10人ほどが集まるので、決めたいことが決まる、建設的な議論ができる、チームが先に進んでいると思える、そんな会議にしたかった私たちが取り入れたのは次の5点です。

会議担当を持ち回りにした(アジェンダ作成、当日のファシリ)
②チェックイン(アイスブレイクに近い)で全員発言することからスタート
③議事録担当とタイムキーパーを置く(毎回会議冒頭で決める)
④議事録は同時にみんなが編集できるようオンラインクラウドで共有
⑤会議のグラウンドルールを決めた

会議って、どうしても「お客さん」を生んでしまうんですよね。誰かが進行して誰かが議事を取って審議を求められたときに手だけ挙げればいいや、となり勝ち。オンラインでそういう空気になるとそれこそ一言も発する必要がなくなってしまいます。

ハードルを下げるためのソフト面の工夫(詳細)

アジェンダを作って当日のファシリを自分でしてみて初めて、発言しない人の存在が気になるし、メンバーからのリアクションや何の意見もないことのやりにくさに気付くことができるので、持ち回りにしました。

自分の声がちゃんと届くのか、みんなの話についていけているのかを確認できると、その後の議論にも参加しやすいので「秋に食べたいものは?」のようなお題でのチェックインから始めるようにしました。

議事録は担当を決めないと、いつも同じ人が書いている、ということも良くあったので、こちらも意識的に会議冒頭に役割確認をすることにしました。重要なのはタイムキープ。時間を意識することで話し方を工夫したり、事前に資料を共有しようとしたり、結局何も決まらなかったね、先に進めた感ないね、ということがほぼなくなりました。

議事録の共有は、事前の準備や事後の振り返りにも有効ですが、会議進行中、何らかの理由で音声が途切れても会議の流れを追うこともできるし、発言できない状況(カフェなど他に人がいるなど)で自分の意思を入力によって表示することもできて助けになります。

最後のグラウンドルール。これおススメです。「否定しない」「時間を意識する」「リアクション積極的に」など、「そんなこと?」と思うかもしれないことでもみんなでそうしようと決めて、どこかに書いていつでも見えるようにしておく(私たちは議事録を取るシートの冒頭に固定しました)と、気をつけ合えるし指摘し合えて、安心して参加できる会議環境を作ることができます

最後に

メンバーがそれぞれの経験からの学びを共有して、より良い場を作ろうとするエネルギーにあふれたすごいチームだったなと、いろいろ思い出していたらみんなに会いたくなりました。笑
2011年3月11日の東日本大震災、その後の原発事故が私たちにもたらしたダメージは大きかったけれど、その復興に関われたことが少なくとも今の私には大きな力になっています。新型コロナウィルス感染症が私たちの社会にもたらした影響も、きっと新しい何かにつながると信じて、まずはオンライン会議を快適な場にしてみるチャレンジのヒントをお伝えできていたらうれしいです。

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