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ANIMA ライナーノーツ

紅楼夢のあとすぐ出す予定でしたがダラッダラしてたら1ヶ月以上経っちゃったのでそろそろ書きます。
CD持ってる人は聞きながらごゆっくりと、持ってない人はクロスフェードでも聴きながらわちゃわちゃとご覧ください。

1.Intro [物言わぬ獣の霊]

JericoさんのCDが好きなので氏の形式にならってintroは入れたいと思っていました。
最初は、畜生界(←地区紹介って変換されるのクソですね♪)すなわちアニマルということで、トライバルミュージックみたいなのを作っていたのですが、ジャケットイメージに反してジャングルすぎるのではないかという懸念にかられ(あとあんまりかっこよくなかったので)、路線を変更することに。
弐寺のシステムBGM的なのがいいのでは?という天啓を受信してからはかなりスムーズに作れました。ご丁寧に決定パートも作ってます。
弐寺風は自由度も高くてフォーマットとして優秀なので今後も採用していきたいですね。

2.Kajimayah [地蔵だけが知る哀嘆]

この曲に最初に着手したのは6月ぐらいだったと思います。
当時はアルバムを仕上げるペースが全く分からなかったので一番時間をかけてます。70時間ぐらい。(アホ)
夏のドラムンベースといえばAD:Drum'n Bassなのでそういう感じにしようとしています。出力されたものが本当にそうなっているのかは僕にはわかりません
原曲の特徴的なシンセをリスペクトしてリードの音をちょっと変な感じにしたのがこだわりポイントです。
当初は曲が終わった後、セミの鳴き声が流れる仕様だったけど色々考えてカットしました。みんなはどう思う?
アルバムの各曲をネットに上げるターンになったらそのバージョンで公開してみたいですね。
曲名は沖縄方言で風車のことらしいです。
あの世要素と夏っぽい感じから沖縄のニライカナイ的なイメージありませんか?ない?曲名について考えすぎるとこういう思考に行き着くんですよ

3.Rolling Calf [ロストリバー/石の赤子と水中の牛]

意図的にDarktekというアーティストに寄せて作りました。というかDarktekのサンプルパックを使いまくってます。
ハードテックらしくするためにサビの譜割りを結構大胆に変えました。ちょっと原曲が分かりづらいけどお気に入りです。あとアウトロのピアノもすこです。
2曲分詰め込んだので展開がせわしないですね。ファーストドロップはメロディを抜いてもよかったかもしれない…
本場寄りのストイックなHardtekも作ってみたいですね。というか全部Hardtekのアルバムを作りたい(意志)

4.Que Sera, Sera. [セラフィックチキン]

原曲がリズムがわかんねぇよな曲なので、ちょっとクセのあるリズムのクロスブリードにしようとした結果です。
正直そのアイデアしかなかったので展開で詰み、もういいやと思ってUKハードコアになったりドラムンになったりします。
あと、Spliceとかで拾ってきたニワトリの鳴き声を色々入れてみました。
おもしろパーティーグッズとして有名なあの鶏の声も入っております。

4.5.Eyewall [トータスドラゴン 〜幸運と不運]

残念ながら収録に間に合わず、会場で先行配布したヤッチェさんの曲。
マスタリングに取りかからないとヤバい時期に構想すらできていなかったので、これは当然の結果といえます。
亀なので遅い曲にするのか、逆張りでフレンチコアにでもするか…などと考えていましたが、「正解」を出してしまい、すみません。
Industrial Bassという聞き慣れないジャンルを標榜していますが、僕もわかっていないので大丈夫です(何が?)。とりあえず、BPM100付近の死ぬほど遅いベースミュージックなんだなという印象です。
Nikademisというアーティストをリファレンスにしたことは正直に言っておこうと思います…
あと、何度目かのドロップで倍取りになるとこも印象的ですが、これはRough And Rugged (Far Too Loud Remix)をオマージュしました。倍取りはおもろいのでぜひ聴いてみてください。

インターネットに上げたのでいつでもどこでも聞けるようになったよ

5.Eternal Garden [ビーストメトロポリス]

現存するハギソフ最古(2020年)のアレンジのアップデート版です。
アートコアのつもりなのですがアートコアではないと思います。
イントロの、リリース切ったピアノ鳴らす部分がやりたかっただけなんです。
現原さんのかわいいイラストを使わせてもらったのもあって結構人気なのでできるだけ元を壊さないようにリメイクしました。
(オリジナル版は今の環境になる直前にFL Studio Mobileで制作したので、できたらこちらのアップデート版を聞いてほしい...)
ちなみにこれ含めて曲の後半でBPM200ぐらいの4つ打ちになるやつが3つあるんですよね。しょうがないじゃんきもちいいんだから

6.Ceramik Dancefloor [セラミックスの杖刀人]

しょうもないダジャレの曲名です
原曲の3連譜の部分を聴いた時点で「フットコア」やん!!!となったので、やった。
実際作ってみると完全にハマりました。
低速化してからのディスコパートは申し訳程度のDancefloor要素です。でもここから200まで加速してハードテック爆踊りゾーンに入るのが気持ちええねんな。
アーメン構築はあんまりわからなくて時間もなかったせいで適当に組んだのでちゃんとしたかったですね。
(↓ちゃんとしたやつ)

7.Stirring the World! [偶像に世界を委ねて ~Idoratrize World]

ジャケットを飾るけーき様の曲、表題曲といっていいでしょう。
実際ジャケットをお願いしたituさんにはこの曲を参考にしてね!と言ってデモを送りつけました。
偶像は元が良すぎるので、どうあがいても原曲が頂点なので方向性にとても迷いました。
戦闘中背景のきらびやかな街並みのイメージから、キラキラしたFuturecore(フューチャーベースのハードコア)がよいのではという着想に至ったのですが、フューチャーベース感が絶望的に出せず、そこからいろんなジャンルのパートを作っては消し… その中から良さげなやつをがちゃんがちゃんと組み合わせていったワチャワチャミュージックがこちらになります。
一応、都会っぽい雰囲気で統一してるし、けーき様自体なんかこう造形術とか言って色んな弾幕を繰り出してくるのでまあギリギリ成立してる...よね...?
そんな不安はよそに、元々の偶像人気(偶像人気ってすごいな マジの「偶像」じゃん)もあるのでしょうが結構この曲を推してくれる人が多くて嬉しい限りですね。
ちなみに曲名のStirring(=かき混ぜる)は
「ジャズ」「夜」要素→「バー」→「カクテル」
というふうに連想して引き出した言葉です。
なんとStar(→星空)とのダブルミーニング?にもなっているのです。
すごいでしょ。わざわざワードツリー書いて考えたからね

8.Raidstorm [アンロケイテッドヘル/輝かしき弱肉強食の掟]

個人的にこの2曲は対になっているイメージなので、合体させたいと思っていました。
ジャンルも音ゲーコアにするとなぜか決めていました。
ここまではよかったものの、コテコテの音ゲーコアを意識して作ろうとするとなかなか難しかったです。
前半のサビ部分は某SUPER STARの作風を参考に、後半のサビは所謂ハードルネッサンスを参考にしました。
ツィットァーで「ハードルネッサンス コード進行」などと調べて出てきた本質情報をそのまま実践しています。
お気に入りポイントは0:57のあたりと、1:55から曲がつながる部分と、3:08からのピアノです。
曲名は造語(かばん語)で、奇襲・カチコミという意味のRaidと、4面Ex面道中の嵐のイメージからstormを組み合わせました。

9.Cross Commander Circuit [聖徳太子のペガサス 〜Dark Pepasus]

この曲名も実はダジャレです… 
脳筋馬キャラの曲で、アルバムのトリとなればスピードコアにせざるを得ないでしょう。
これも明確にリファレンスにしたアーティストがいますが、まあスピードコアでこんなにメロディックなのを作る人となると大体分かってしまいますね。
原曲のエモい部分はエモいコードを付けてとことん「感情」に、ダークな部分はキックとリードの応酬による「暴力」にすることでコントラストの効いた「力」のアレンジになりました。
本アルバム、全体的に「つなぎ」のことをあんまり考えずに作ったので曲の最後はしっとり終わるか走り抜けて終わるパターンが多いんですけど、この曲は完全に後者ですね。
大気圏を超えて、宇宙まで駆け抜けていったイメージ。
ここまで勢いがいいともうある種オーガズムのような気持ちよさがあると思って採用したのだけれど、みんなはどう思う?



ということで、製作の裏話をたっぷり吐き出してわたくし大変スッキリ致しました。
このアルバム、コンセプトとしては「強い鬼形獣アレンジ集」というかなりアバウトなもので、実際の収録内容もジャンルレス的な感じになったので、視聴者の皆様におかれましては「よくわからないCD」的な印象を抱いていないか大変不安なところなんですけども、光栄なことに「カッコよかった」という大変ストロングな感想をいただけまして、ならばヨシ!という心待ちになりました。本当にありがとうございます。
みなさまの「強い」感想、しかと受け止めました。
とはいえ、今後はもっとコンセプトを明確にした作品を作っていこうと思います。(イラスト担当の方も、「強いアルバム」では困ると思うので)

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