見出し画像

萩市がインバウンド農泊を2年8か月ぶりに再開!

萩市ふるさとツーリズム推進協議会では、欧米豪からのインバウンドツアーを毎月2回ほど受入れていましたが、コロナ・パンデミックの影響で、2020年2月を最後に受入れをストップしていました。

今年、同協議会では旅行会社や地域のホストファミリーと協議を重ねながら再開に向けて準備を進め、政府によるインバウンド本格再開の発表を受け、2年8か月ぶりとなるインバウンド農泊の受入れを10月から開始しました。

再開第一号となったのは、イギリスやアメリカから来日した6人のゲストたち。東京~長野~滋賀~萩~鳥取~京都を行く10泊11日のツアーで、萩を訪れて楽しみました。

コースの中に萩市が選ばれた理由は、萩市ふるさとツーリズム推進協議会の宮﨑事務局長が、まだ萩市で地域おこし協力隊として農泊に関わっていた2017年当時、友人の紹介でカナダの旅行会社G Adventuresに直接売り込んだのがきっかけ。
G Adventuresは「持続可能な本物指向の体験提供」をテーマにしており、同社が設立したNPO法人「Planeterra」通じて地球環境や地域コミュニティに貢献していくツアーも提供していました。
そこで宮﨑さんが萩市の農泊をアピールしたところ「社会貢献型ツアーであれば」と、興味を示してもらうことができたそうです。
社会貢献型とは、ツアー参加者がホームステイを利用することで、地域経済に波及して受入れ家庭の副収入に繋がったり、生きがい対策になったりするというもの。

萩市では2015年から海外ゲストの受入れをスタートし、暮らしの中に入って交流を深め、地域の自然や文化、真価に触れる体験型ホームステイの実績を重ねていました。
萩市であれば、ローカルエリアで社会貢献型ツアーができ、さらに歴史的町並みも有って混雑しておらず、参加者がゆっくり楽しめるということで、交渉開始から2年、遂に2019年から本格的な受入れがスタートしました。

旧萩藩校明倫館の剣術場・槍術場として使われていた「有備館(ゆうびかん)」。
坂本龍馬も来萩し、ここで試合をしたといわれています。

再開を祝福するような晴天に恵まれた10月20日。
萩・明倫学舎横にある、槍・剣道場「有備館」で、6人のゲストを迎えて入村式(ウェルカムセレモニー)が行われました。
入村式のファシリテーターは、共に萩市在住で山口ゆめ回廊地域通訳案内士の資格を持つ牧野泉さんと秋山光里さん。

海外ロケのコーディネーターやペルーでの滞在経歴も持つ牧野泉さん(左)と、366日かけて世界一周した経験を持つ秋山光里さん(右)。お二人とも豊富な海外経験の持ち主!心強いですね。
建物に入る時は靴を脱ぎ、そろえてから入るところから。日本の「心」を伝えます。

ゲストたちは藩士の練武のほか、他国からの剣槍術の修業者との試合も行われた歴史ある建物の中でホストファアミリー(受入れ家庭)と対面。
牧野さんがメインで進行・案内役を務め、秋山さんがサポートで細かいところに対応し、書道や剣道体験を通して日本の伝統文化に触れて頂きました。

最初の交流は書道から始まりました。ホストファミリーがまず、ゲストのお名前をカタカナで
書いてお手本を見せ、その横にゲストが自分で書きます。お二人とも嬉しそうですね。
ホストファミリーとファシリテーターが優しく見守るなか、
皆さんとても真剣に、上手に書かれていました。

入村式の後、6人のゲストたちは萩地域・福栄(ふくえ)地域の3家庭に分かれて滞在。2泊3日の行程でそれぞれのホストファミリーと過ごし、中日には藍場川や菊が浜、伝統的建造物群保存地区といった萩らしい景色をサイクリングして萩の自然・人・文化を満喫しました。

萩市ふるさとツーリズム推進協議会では、来年2月から12月までの期間で、既に23ツアーの受入れを予定。
年間200名の受入れを目標に、旅行会社の新規開拓やインバウンド受入れ家庭の増強をしながら、農泊・体験事業で地域に活力が湧き、経済的な循環が生まれるソーシャルインパクトを目指していくそうです。

萩市堀内の伝統的な町並みをサイクリングする宮﨑さん。来る人も受け入れる側も楽しめる
体験型ツアーで、地域に新しい風を吹き込んでほしいですね。これからが楽しみです。