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本の備忘録

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16年前くらいから、読んだ本の備忘録として、それから未読の積読本も相当溜まっていたので重複して購入しないようにと、書評というには拙い内容をとつとつとブログで綴っていました。 6…
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2022年9月の記事一覧

ど直球のラブストーリー

ど直球のラブストーリー。 自己表現の不得意な彼氏に、自分に自信が持てない主人公。 二人が織りなす圧倒的にピュアな恋愛模様が、心臓のど真ん中を貫いていきます。 ちょっと乱暴な岐阜の方言が、かえって彼氏の優しさを際立たせてくれます。 心の荒んでいる人には、是非ご一読いただきたいです。 久々に誰かに教えたくなる漫画でした。 11月からドラマ化もするみたいですけれども、観たいような観たくないような。 今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。

逞しい少女たちの物語

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」で大好きになったノンフィクション作家による最新小説。 切り口はこれまでどおりシニカルな子供目線。 今回の主人公は女の子。 イギリスの低所得者層としてアル中の母親とひ弱な弟を支えながら、今を必死に日々を生きるその姿勢と語り口は、これまで以上に切れ味鋭くイギリス社会の貧富の差と現実を鮮明に描き出します。 同時に、この物語には裏の主人公がいます。 女の子が現実逃避をするために没頭する本というのが、日本の大正時代のアナキストである