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本の備忘録

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16年前くらいから、読んだ本の備忘録として、それから未読の積読本も相当溜まっていたので重複して購入しないようにと、書評というには拙い内容をとつとつとブログで綴っていました。 6…
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2021年8月の記事一覧

やはりいいものはいい

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2006年10月31日に投稿したブログより。 何だか賞を獲ってから露出も多く、軽薄気味なエッセイなんぞも書いているから、ちょっとなぁーなんて思っていたのですが、やっぱり好きだなぁー、この人の話。 あんまり期待しないで読み始めたのですが、ノリといいテイストといい、事件性の少ないIWGPといった感じで、とても読みやすいどころか、最後にはホロリとさせられました。 ま

やっぱり切ないです。

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2006年10月17日に投稿したブログより。 戦争ものはあんまり読むのが好きではないのですが、借りたのと、この作家のということで読み始めました。 結局一気読み。 友情、愛情、そして場面場面で花を添える魅力的な脇役。 タイトルから推察できるように「人間魚雷」が題材なので、予期できる悲劇を感じながらもページをめくる手が止まりませんでした。 若い身空で、この小説

ラストの短編が秀逸!!

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2006年10月17日に投稿したブログより。 いつも気になって手にして、読んでいる時はいいなぁこの作家と思いつつも、すぐに読んだ印象が薄れていく。そんな作家のひとりです。 何か今回はちょっと怖い感じの要素も加わってます。特に前半の短編数本は予知夢やら呪いのたぐいが日常のストーリーに突然加味されるというあたり、乙一っぽさがあります。 何だかなぁと思いつつ、ラスト

素晴らしい家族小説

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2006年10月25日に投稿したブログより。 前に初めてこの人の作品を読んだ時にも思ったのだが、本当に惜しい作家を失ったのだな、と今回改めて感じました。 家族小説とは述べましたが、血は繋がっていません。むしろ、血よりも濃い、温かい想いはあるんですよ、ということをジンワリと教えてくれます。 主人公は二人。というよりまったく別物の二編が、それぞれの帰る場所として表

タイトルどおりのカレー小説

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2006年11月3日に投稿したブログより。 かなり分厚い文庫本だったので、通勤時に困りました。 この厚さでの文庫は、京極堂以外ではあまり見かけませんね。 で、どんな話かというと、タイトルのまんまなのですが、カレーのお話です。 亡くなった父親が遺してくれた祖父の洋食屋の建物を、どうすべぇかと、かつて皆でカレー屋をしようと誓い合ったいとこ達に声をかけていくという

魅力的な最強の一族の物語

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2006年11月13日に投稿したブログより。 続編の血涙もおすすめです。 いやー、期待に違わぬ素晴らしいお話でした。 読んでいて血が滾ります。 武門の一族の話。親子の話。兄弟の話。生き様の話。 原作自体が英雄を称えた話なんだろうと思いますが、何よりも北方節が冴えまくり、味方も敵も魅力的に描かれています。 何よりも嬉しいのが、続きそうな余地をきっちりと残し

軽いノリでスカッとできる一冊

週末は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2006年11月16日に投稿したブログより。 たしか、この後コミック化とか映像化とかしましたよね。 本当の秋葉原好きな人が読んだら、おそらくオタクについても、システムやサイバーワールドについても、そして秋葉原の描写も納得いかないものが多いかと思います。 ただ、素人目から見ると、そういうのを抜きにしたら、物語としては、とても楽しめるエンターテイメントとして仕上がってい

やっぱりいいです、この作家

週末は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2006年11月17日に投稿したブログより。 この後、直木賞は逃してしまいましたが、本屋大賞と山本周五郎賞を受賞されましたものね。 断言しちゃいます。 そこそこ売れてる作品もあるのだろうけども、しかもどれもが平均以上の水準であるにもかかわらず、今ひとつブレークしていないこの作家。 近いうちにドカンと来ますよ。ええ、来ますよ。 これは、そんな佳作を世に送り出してい

シチュエーション・コメディーの秀作

週末は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2006年11月24日に投稿したブログより。 この本は、本当にめっちゃくちゃ面白かった。 マンガになっているのは知っていたのですが、まさか小説が原作だったとは。 解説にも書いてありましたけれども、帰宅後も読み辞められずに、夜中まで一気読みでした。 おそらく話の触りや粗筋だけ聞いても、ピンと来ないでしょうけれども、結構うるうるさせられますし、熱い想いにさせられます。