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ハゲ小説#10 輪廻のおわり 02

地球人の場合、
死→幽界へ→アストラル界へ→ソースへ→次の転生。の順だが、長らく地球と幽界の狭間で輪廻を繰り返してきた「心」たちは、やり残しや罪・後悔の念からくる執着を捨てきれず、幽界に留まり続け、また地球へ戻ってきてしまう。宇宙視点では、どんなに無念な人生であれ、「全ては必然であり、全ては完璧である」なのだが―――。

アストラル界とは、いわゆる次の転生に向かうまでのリハビリを行う場所だと思っていただければいいだろう。ゲームに没頭しすぎて忘れてしまった、本来の目的を思い出すための場所。さらなる大きな魂へ還る準備の場所。

アストラル界リハビリセンター。と言っていいだろう。

―――数十年後、アストラル界―――
仮想現実だった頃の肉体、没頭しすぎてゲームキャラに成りきってしまった意識の変容を促す。人生に満足し、幽界を抜け、ここアストラル界リハビリセンターに来た、キャラクターの心がここにも。


「おいっ!わたしのマスクはどこだ!!?」


「ソーリ.......。ここでは疫病も野党もありませんから!ご心配なさらず夫人とゆっくりお茶でもしててくださいよ」

「なんだと!?無礼な!!貴様は何者だ??」

「わたしは、ここアストラル界リハビリセンターのセンター長をしております、マスター・タロの助と申します。そろそろゲームから目を覚ましてください。もうソースへ還る日も近いのですよ」

「何を訳のわからぬことを!!わたしのおかげで疫病を抑えつけたのだぞ!
早く持ってこい!マスクを!すぐ鼻が出るマスク!!」

「もうマスクは必要ないんですけどねぇ......。そこまで仰るなら仕方ない。はい、どーぞ!👍✨」

マスター・タロの助はいとも簡単にマスクを具現化した。ここでは、望んだものが自由に手に入り、大抵の事は、思い通りに具現化可能だ。
アストラル界には善悪もなく、怖れもなく、裁かれることもない。ゲーム内ではエラい人や貧富の差などがあるが、それはあくまで自らが望んで参加していただけの役割。真実は、全ての存在は平等であったと思い出すだろう。

「よし、これで落ち着いた。で、わたしの支持率はどうなってる??」

「ですから、ここにはそんなものありませんって!比べられることも評価されることもありません。さっ!どうぞ、お直しを。マスクが小さすぎてお顔の下部を隠しきれてませんよ。ソーリはまだ執着があるようですな。ご家族が揃うまでには、ゲーム内であった社会意識から抜け出してくださいよ✨」

さらなる心の成長へ向かうためのリハビリを行う、素晴らしきアストラル界。だが、幽界を抜けここへ向かうためには、社会的評価は気にせず、「自分の人生に満足」したり「よくやった」という意識を日々思うことが大切だ。「過去がこうだったからしょうがない」と言い訳せず、可能性を広げ、幸せを体験する。その幸せとは、物質的に豊かになることではない。襲いくる苦しみや辛さを体験したり、知らなかったものを知るということ、不可能を可能にすることが、究極の幸せとなるだろう。


時は戻り、現在2020年―――。

「マスター・パゲよ!幽界の装置に関して報告してくれるか?」

「ハゲ議長。どうやらイエスちゃんの評議会が撤去しているようですね。あと10~20年後には完全に撤去されるようです」

「なら安心だ。だが、ソースへの統合へ向かわねばならないのは、おれ達も同じくだな」

「議長!その前に約束のビールを!!」

「ダメだ!まだ光が不足してる。中継星の太陽から地球へもっとエネルギーと情報が必要だ。あと受信しやすいハゲのクラスターもな!!」

「量子的神経伝達をする腸、あと小脳の活性化も必要ですね!」

「そのためにはビールなど、飲んでる場合じゃないな!」

「えぇ~っ!!💦」

「腸が汚れてると、光の自分とも統合できないだろう?」

「たしかに、社会意識に呑まれてしまうとこでした!笑」


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ハゲ小説#10 輪廻のおわり 02 完


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