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ハゲ小説#5 居間3と居間5の間 05

イメージというのは、時に信じられない光景を見せる。
そして、人が「心に決めたこと」は神のような力を持つ存在であっても、
容易くは変えることができない。ここに来る前に決めたことであれば尚更。

木々や草花、彼らには普段見えない「根」に大切なものがある。
同じく人も、見えないところに大切な「本当の自分」が存在する。

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居間5。恐れも闇もない、光だけの世界。

その日は、マスター・まる子と俳句遊びをしていた。
5・7・5のリズムは居間3に在る地球人にとっても心地良いリズムだ。

マスター・まる子の祖父は「マスター・MOMOZO」といって、それは素晴らしい俳人だったらしい。句が思いつかない時は廃人のようになることもあったと、まる子は、少し嬉しそうに話してくれたことがある。


【まる子】ケガないな 毛がないだけに 得難いな
    (意味:ハゲがケガを手に入れるのは難しい)

【おれ】ま〇こ穴 きつく香って 夏の花
    (意味:暑くなれば香りが強めになるが、それもまた美しき花)

【まる子】流れ星 よく見えたのは 別れの日
    (意味:思い出の日々が流れ星のように流れて消えた。切ない句)



そんな素敵な句遊びを、宇宙時間でいえばかれこれ2daysほどしていた時。

「まる子さま!ハゲさま!大変です!!地球のアトランティスが沈没しかけています!!!!」

「マジか!???」

おれとまる子は、慌ててアトランティスの人間に意識を合わせた。
人々の悲鳴が飛び込んでくる。大波が押し寄せる。
それは居間5では想像もつかない光景だった――――――。

この時代、アトランティスの人々は、光の意識を天に合わせることで、こちら側の居間5と交信ができていた。その関係で、肉眼では見えない星々の位置や、病の治療法、法律などを把握・学習していた。

「まる子!どうするんだ??」

「どうするも何も、こちら側からは助けようがないよ・・・・・。
これも決められていたことなんだからさ」


こうして、アトランティスの人々の絶対数はかなり減少。
居間5との交信が可能な人間も、ほぼ地上から消えてしまった。


わずかばかりの光を残して―――。






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時は流れ、2020年―――。

変革のとき。次の時代へシフトするタイミングがやってきた。
居間3と居間5を繋げる、光の道は広がりつつある。


マスター・まる子は、赤いミニスカからMr.NAGASAWAのアップリケのついたパンツをチラ見せしながら、この青い星を見守っている。

「いいな。いい感じ。ハゲも頑張ってね❤」

ちなみにパンツが少し茶色くなってるのは、触れないでおこう。
おれの宇宙船にはこいつだけは絶対乗せない。臭いから。





イメージというのは、時に信じられない光景を見せる。


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