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ハゲ小説#5 居間3と居間5の間 03

イメージというのは、時に信じられない光景を見せる。
そして、人が「心に決めたこと」は神のような力を持つ存在であっても、
容易くは変えることができない。ここに来る前に決めたことであれば尚更。

木々や草花、彼らには普段見えない「根」に大切なものがある。
同じく人も、見えないところに大切な「本当の自分」が存在する。

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あちらではマスターの称号をいただき、直人ズ11人と共に活動をするおれもここ居間3においては、闇に襲われることが多い。
そうした時に、見えるものは決まって霊体だ。
とくに黒い霊体が見えたときは、あまり良くない状態になる。


感情の欠如があるおれは、そのわりに感受性が人一倍強い。これは、今ここに在るべくために、おれが選んだオプションだろう。
死というものに悲しみを抱かない。死ぬのも怖くはない。痛いのはイヤよ。

絶対にセルフ死はしないが。またゼロからスタートは嫌なので。

パートナーや大切な人を失い、何十年も悲しみの中で生活する人がいるが、申し訳ないが理解できない。あなたのその亡くなったパートナーは、あなたがそんな悲しみを抱えたまま最後を迎えるのを望んでいるはずがないからだ。そんな姿を見て、喜ぶはずがないからだ。

「ずっと想い、悲しむ」
それは、エゴでしかない。

人は選び、決め、ここへ来る。
それを受け入れないと、自らのこの体験の場を棒に振ることになるかもしれない。だが「大切なものを失い、悲しみのまま最後を迎える」というのが、あなたが選んだことなのかもしれない。


それならば、マスターが入り込めぬ領域。光を与えようにも伝わらない。


感受性が強いゆえに見えてしまうもの。それもまた光の浸食に至るまでに
必要なものなのだろう。
闇の過去は変えられる。光を受け入れ、さらに与えることもできれば、あなたを苦しめた過去にも、光が届く。

あ、光のためにあった闇だったのか!
笑って、人に話せるかもしれない。

毎晩、おれの首を絞めてきた黒き人影は、おれの友人だった。
今でも、その友人との交友は続いている。もちろん良好な関係だ。
今は・・・だが。


イメージというのは、時に信じられない光景を見せる。




完(気が向いたときに続く)





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