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MAGMA最新作Kãrtëhl感想

まずはじめに

noteを見てくださったみなさんハマタイです。
初めてnoteを書くことになる悩める海牛です。
本当はMAGMA来日ライブの感想でnoteデビューしたかったのですが先日発売されたMAGMAの新作があまりにも素晴らしかったのでいてもたってもいられずnoteに感想を書くことになりました。
最後まで見て頂ければ幸いです。

全体の感想

とにかく全曲素晴らしかった。
それ以外感想が思いつかないぐらい素晴らしかったです。
MAGMAは3年前にもZessという作品を発売してるのですがそっちは80年代のライブ盤等で先に聴いていたからかスタジオ収録でのZessには少々拍子抜けしてしまい正当な評価が個人的にはできないままでした。
しかし今回の新作はバンド編成を一新し新たな門出の作品と呼ぶべき程の素晴らしい出来で終始感動していました。
さらにはそのバンド編成の中に終身名誉コバイア人としてヴァンデと共に名曲を生み出したヤニックトップの息子、ジミートップがベースを弾いているというのだから興奮も一層でかくなってしまいます。
興奮しながらですが曲ごとにここからは感想を書いていくことにします。

Hakëhn Deïs

まずは70年代後半から演奏はされていたクリスチャンヴァンデ作の
Hakëhn Deïs
70年代後半から始まるソウル/ファンク期となっていくMAGMA時代の曲なのだろうなと(違ってたらごめんなさい)思わせるような跳ねるようなリズム・重厚なコーラスが売りの曲です。
AttahkからMerciまでのMAGMAが好きならまず気に入るタイプの曲
歌詞はもちろんコバイア語で作られておりMAGMAらしく同じフレーズのリフレインがさく裂していきます。
1曲目としてインパクトも残し後ろの曲へと希望をつなげる最高の曲です。

Do Rïn Ïlï Üss

2曲目は綺麗なイントロから始まる現体制のMAGMAにおける男性ボーカル兼コーラス担当のフランス出身JazzボーカリストHervé Aknin作のDo Rïn Ïlï Üss
MAGMAの統領ことヴァンデ以外が作曲クレジットされている曲はMerci以来だと思うのでかなり珍しい作品なのだなと2曲目で改めて気づかされます。
こちらもコーラスを重きにおいた曲で、1曲目以上にヴァンデのドラムが暴れ狂っています。やはり彼のドラムはハイハットの叩くタイミングやスネアの音でわかるほど独特でそれがしかも衰えていないのが凄みですね。
最後までドラムが暴れるこれまた最高の曲です。

Irena Balladina

3曲目はまたヴァンデ曲
オシャレなギターフレーズから始まる今までのMAGMAっぽくない?出だしで始まる曲です。
もちろんこの曲もコーラスが重厚です。
Merci時代のMAGMAとOffering時代のヴァンデ曲が合わさったような展開をしていきます。
前2曲程楽器隊が暴れることもないメロが綺麗な癒し系曲なので小休止感覚で聴くとよりすんなり聴けるかもしれません。

Walomëhndëm Warreï

4曲目は現体制MAGMAのピアノ担当をしているThierry Eliez作曲
綺麗なピアノの出だしから一転、イントロが始まると不穏な空気をだしMAGMA節炸裂という程の爆発力のあるリフレインメロディーを奏でるまさにZeuhl!とでも言いたくなるような曲です。
ジミートップの親譲りの地を這うような極太極悪ベース、この曲でようやくでてくるコバイア語代表単語であるZankaとhamtaahk
この曲はまさにMAMGAだ!となる曲なのでまず往年のMAGMA好きも気に入ることでしょう。

Wiï Mëlëhn Tü

5曲目はMAGMAではピアノ担当をしているSimon Goubert作曲
Offeringでもヴァンデと共に活動していたりと何かとコバイア星人と縁のあるベテランジャズアーティストの彼だからこその曲となっています。
今作最長の曲で個人的に1番気に入ってる曲です。
出だしの不穏なコーラス(Le Grand Sbamっぽい)から名曲間違いなしな展開で、ギターとボーカルの絡み、ピアノの綺麗だけど不安になる旋律と聴きどころ満載です。MAGMAよりもOffering好きの方が気に入るかもしれない?

Dëhndë

今作最後を飾る曲はヴァンデ作曲のDëhndë
1曲目のHakëhn Deïs同様70年代後半には既に作曲されていた曲で、やはり当時のソウル/ファンク期のMAGMAの空気を味わえる曲となっています。
最後は綺麗に締めましょうとヴァンデが語ってるかのようでとても聴きやすくボーカルも優しい歌声で前2曲の緊張感を一気に解放してくれます。
またこの曲に関しては使用料等による収入は全て自閉症に関して研究している施設に寄付されるとのことです。

ボーナストラック

1978年にHakëhn DeïsとDëhndëが演奏され録音されていた当時の音源
ピアノとボーカルのみというシンプルな演奏ながらとても素晴らしくヴァンデの迫力ある歌声に圧倒されまくりました。
彼はドラムだけでなくボーカルとしての才能もOfferingやソロ作品でもわかる通り表現力や歌唱力等かなりのものがあると思ってます。
コルトレーンやオーティスが好きというのが根底にあるのか歌い方もロックではなくジャズやR&B寄りなのがヴァンデがヴァンデたる所以なのかもしれないですね。
ボーナストラックとしてはこれ以上ないぐらい満足のいく2曲でした。

最後に

やはりMAGMAは偉大だというのがこの作品を通して再度実感することができました。
プログレというジャンルの中に新たにZeuhlという小ジャンルを作ってしまう程の影響力がありながらも中々日本では知名度がキンクリやフロイド並みにはならない、一般の人からしたら意味不明なバンドではありますが刺さる人には芯くって刺さる、最高のバンドなのだなと作品を聴きながら感動していました。
10月24日,26日,27日に来日ライブを行うのでその時、この作品の曲も演奏するであろうその時に聴くことによりこのKãrtëhlは完成すると思ってます。
是非ともKãrtëhlを買って、MAGMAを聴いて好きになったのならライブに行くこともおすすめします。
ああ素晴らしきコバイアの音楽、最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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