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花を結ぶ君
金と銀のキラキラ光る宝箱に掛かった花結びと、
鮮やかな緋色の中に佇む雪の結晶と白うさぎ。
あぁ、一生懸命選んでくれたんだなって。
何より、はにかむ君の顔がとびきり愛らしくて。
「これ、お誕生日プレゼントです…」
恋人特製ハンバーグと、大好きなチーズケーキの
蝋燭を吹き消した後、そっと紙袋を差し出してくれた。
準備してくれたんだ。くぅぅ、嬉しすぎるぞ。
「本当に欲しいものは自分の力で手に入れたい」
可愛げも無く、力説したばっかりだったから。
「彼女の誕生日お祝いするの人生で初めて!」
なんて言ってたし、選ぶの相当苦労したよね。
「お誕生日御祝」のノシに包まれた麗しい宝箱。
雪奈という名前にちなみ「波兎雪輪紋」という
雪の中に兎がひっそり佇む可愛いブックカバー。
初めて出会った日に私が本を貸してあげたこと、
いつも鞄に千早さんの本を忍ばせていること、
面白かった本を相変わらず饒舌に語ること。
私が使うモノを一生懸命考えてくれたその時間、
豊富な柄の中から私にぴったりの柄を見つけて、
丁寧に花結びのノシまで付けてくれる心配りが、
私は、ほんとうに、ほんとうに、嬉しかったよ。
初めて貰った花結びのノシが君からで良かった。
「何度も繰り返して欲しい一般のお祝い事用」
花結びにはそんな意味が込められているらしい。
来年も再来年も、ずっと一緒に、この花結びを
贈りあっていこうね。
いっぱいお祝いしてくれて、ありがとうね。
これからもずっと、大好きなんだから!!
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