フィードバック方法と原則
hAFuと申します。
前回はコーチングというよりは体制づくりや組織論に近い内容でした。
今回は、実際にコーチが行う選手に対してのフィードバックやその方法についてお話します。
フィードバックとは評価した内容を伝えるという意味で会社などでも使われるかと思いますが、簡単に言うと反省会の事です。
私は日常的にフィードバックという言葉を使っておりまして、、、
チームをやってらっしゃる方にはこの言葉は浸透しているかと思います。
ですので、使いやすい言葉のまま書いていきたいと思います。
チームゲームでは、練習の効率を大きく左右するのがフィードバックです。フィードバックの内容次第では、練習が無意味にもなり得ますし、
選手の練習へのモチベーションにも影響します。
本当にごく当たり前ではありますが、皆さんが考えるより3倍くらい大事なことです。
今回書くことは当たり前のことが本当に多いです。
ただ、実行し続けていくのは本当に難しいことでもあります。
そして私が考える良いフィードバックにはいくつかの原則があります。
まずは、それについて書いていきたいと思います。
・変わらない事を変えようとしない事
変わらない事実や感情を変える為に議論をするのは非常にストレスが溜まります。
過去に起きた事は変わりません。ただ、これからの自分たちの行動は、起きた事を糧にして変える事が出来ます。
イライラしたり、怒った感情は変えれません。ただ、口に出す言葉は変えれます。
このように変わる部分・変えれる部分にフォーカスして話す事が大事です。前回も言いましたが、過去に起きた事に対しての指摘というのはやろうと思えば誰だって出来ます。
「このシーンではこうした方が良かった」という指摘ばかりでは選手によっては、自信やパフォーマンスが落ちていくだけになる可能性も大です。
実際にプレイをする選手にとって自信とはとても大事なことです。
Solorankのチャットでもよくあるように「今のなんでこうしたの?」「今のこうしてほしかった」等
過去に起きた事への指摘は言われた方も言った方もストレスを抱えるものです
言ってもまさに何も変わらないですからね。
「次また同じミスをしたらどうしよう・・・」等という思考をさせて自信を奪ってしまうだけになりえます。
言うのであれば「もし次ああいったシーンが来たらこうしよう」と伝えるのが良いでしょう。
※プロの場合に関しては、個人のミスは本人が強く把握してる場合がほとんどです。
それでも癖になっているような個人のミスについて話したい場合は個人で面談して話すのが良いと考えます。
チーム全体のフィードバックタイムで個人のミスを指摘したり、議論するのは公開処刑のようなものです。もし、個人のミスが大きい場合でもチーム全体のミスと捉えれるように議論するのが良いでしょう。
例:「Aが立ち位置ミスをした。ただ、その原因は~~~なコミュニケーションがなかったからだ。これはAじゃなくても起きたミスかもしれない。次からは、こういうシーンでは~~~なコミュニケーションをすればみんなこのようなミスはしないだろう。」
・常に未来の話をする事
上記の続き+補足になります。
常に未来に向けての話をするようにすれば変わらない事への議論は起こらないように出来ます。
「ここではこのような失敗・ミスを経験出来た。次回以降は良く出来るようにこういうコミュニケーションを取ってみよう」
というように話を未来に向けて前向きに結論付ける事が大事です。
このように未来に向けた話にするだけで次の練習へのモチベーションが上がってくれたらコーチにとってこれほど幸せな事はありません。
・何を言うかと同じくらい、どうやって言うかが大切である事
言葉を選ぶ事はいくら生活を共にしているチームメイトとは言え、とても大事なことです。
相手やチーム全体が前向きに捉えれるようになります。
また、人によって持ってるイメージや、練習に取り組む際に強く意識している部分が違ったりしますので、
受け取りやすい言葉やニュアンス等が違って来ます。
コーチとしては選手の性格、受け取りやすい言葉やニュアンスの趣向も把握しておくべきです。
・目標・コンセプトを設定する事
予め、その日の練習に目標やコンセプトがあれば、それについて議論が起こしやすくなりますね。
事前に「こういう目標・コンセプトでいこう」とチームで共有していれば
勝っても負けてもフィードバックする事が無いなんてことは起こりえないです。
事前に決めた目標・コンセプトについてフィードバックしていくという事は選手の理解もより深まり
一つの事に対しての理解の方向も統一されていきます。
また、事前に決めたコンセプトについてフィードバックをすると分かっていれば、選手たちもインゲームでそこに集中する事もできますね。
・フィードバックタイム前にリフレッシュする時間を1分でもいいから挟む事
scrimが終わったら休憩を入れることが大事です。
負けた場合、自分のプレイミスや思い描いていたチームプレイが出来なかった事にイライラしてる事が多々あります。
そういった時にはリフレッシュが必要だからです。
顔を洗うのも良いですし、冷たい水を飲むのも良いです。コーチが軽くケアする言葉を掛けるのも良いと思います。
上手くいって勝った場合でも興奮してフィードバックの話が上手く頭に入らない場合もあります。
なるべく冷静に行うのが理想です。
そしてフィードバックしてきた事は記録する事が大切です。
チームや選手がどのように変化してきたか、記録さえしてあればいつでも把握出来ます。
前出来ていた事が出来なくなる事もありますから、以前にどのように練習したのか伝えやすくなると思います。
(私は、フィードバックシートを一週間分見返して試合の前日の夜中に選手個人やチームのグループLINEに試合の際に意識するべきことや、この一週間どれだけみんなが頑張ってきたか書いてました。選手にとって自信はとても大事なので、このように伝える事も出来ます。)
記録の仕方は様々ですが、私のフィードバックシートを参考に載せておきます。
シートを作って手書きで記録し始めた頃のものなので、その後改良されていきましたが捨てられてしまいました(泣)
最後に
コーチだからといってフィードバックで偉そうにする必要はありません。
コーチとしてのプライドも出来るだけ無いほうが良いと思います。
私も日々選手から教えてもらうことが非常に多くありました。
選手の好きなプレイ、Solorankで見つけた・scrimパートナーがやっていた細かいプレイ等を教えてくれこともあります。
コーチもそのチームに適応していく為に選手と共に成長するものだと思います。
今回書いた事も私自身が最初から出来たわけではなく、徐々に気付いていったり意識出来るようになったものになります。
最初の頃はフィードバックノートの端っこに自分のフィードバックタイムに向けた目標をセルフで設定していたくらいです。
(今日と明日は大会前だから勝っても負けても雰囲気と自信を大事にしよう等)
それでもここに淡々と書いたものを出来ていたかどうか怪しいラインです。
実際にチームゲームで継続していくのは本当に難しいと思いますし、もし参考にしたいと思っていただけた場合は今回書いた原則を意識してやっていただけたら良いと思います。
※今回書いたのは、飽くまで私のフィードバック方法であって全チームが行っているわけではありませんし、これが絶対正しいというわけではございません。
またリクエストや反応があったらモチベが湧いて何か書くと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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