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訪問鍼灸を健康保険適用で受ける方法

こんにちは。筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群のはえちです。

治療の一環として、鍼灸を受けています。

ようやく、保険適用で訪問鍼灸を受けることができるようになりました。

誰でもこうしたらOK!というわけでもないかもしれませんが、もしかして誰かの参考になればと思って書いてみます。

鍼を受け始めた理由

元々、体調悪化して2週目くらいから、ある大学病院系列の東洋医学外来の鍼灸を受けていました。まだ病名診断の出る前です。とても丁寧に症状の経過などから話を聞いて下さったこともあり、医療不信になりつつあった当時の私にとって、救いの場でした。

それから一カ月ほど、週1ペースで通いました。ただ、問題だったのが、一人で通えないことと、通院すること自体が体力的に厳しすぎることでした。

診断をもらった専門医への定期的な通院は難しいことを思うと、誰かしら定期的に体調を診てくれる人が欲しいという気持ちがあり、訪問診療なども模索しましたが費用とメリットの面で見合わず、鍼灸を訪問に変更することを検討しました。

訪問鍼灸をやっている鍼灸院を探す

地域名+訪問鍼灸で検索して見つけられた鍼灸院は一つだけ。元々通院していた東洋医学外来の鍼灸は一応『病院』の中にあるという安心感があったので、別の鍼灸院に変更することにためらいもあったのですが、通院負荷を減らすべきだと思ったので、思い切ってその鍼灸院に電話をしてみました。

電話をかけて、病名や経過をお伝えすると、「慢性疲労症候群」をご存知でした。(そもそも医療関係者でも知らない方が多くて、まずこの病気知ってますか?というところから話を始めるのが基本になっています…)

自費ではなく保険適用を勧められる

ホームページを見る限り、私は自費での診療を受けるしかないかな、と思っていたのですが、その電話口で「自費での治療は続かない方が多いので、主治医の指示書をもらって、保険適用で受けることをお勧めします」とのお話し。自費だと1回の診療費が8千円+交通費2700円保険適用だと約1300円(3割負担)。自費で受けるなら月1回がいいところでしょうね…。(ちなみに、最初に通院していた東洋医学外来の鍼灸は自費で4400円/回でした。保険適用で受ける選択はなさそうな雰囲気でした)

指示書ってどうやって取るの?取れるの?というのが全然わからなかったのですが、その鍼灸院から、指示書の記入フォーマット、記入例、主治医に持っていく記入依頼の手紙をすぐに郵送してくれました。

主治医に鍼灸の指示書記入を依頼する

さて、主治医への指示書記入依頼です。主治医といいながら、「慢性疲労症候群疑い」のお言葉を頂いただけで、その後一度も通院していません。片道1時間半ほどですが、その通院に身体が耐えられないこと、実際通院しても治療法があるわけではないのでそこまでのメリットがないのが理由です。

直接診察を受けた上でないと指示書を頂けないのが基本のようですが、今回は、おそらく前の月に受診したばかりだったので、郵送でのやり取りで指示書を出していただくことができました。指示書にある診察日には、受診した時の日付が書かれています。

まず、病院の窓口に指示書記入申請はどうしたらいいか電話をして聞いてみました。学童保育の申請変更にも(元々就労で申請出していたのを、療養理由に変更)診断書が必要なので、それと合わせて申請します。病院から、書類申請のための申請書が郵送で送られてきて、それを返送し、手数料を銀行振込で振り込むと3~4週間で診断書・指示書共に頂けるとのことでした。

鍼灸の指示書は300円。(保険適用後の3割自己負担額)
学童保育のための診断書は4400円。(全額自己負担)

診断書高すぎ(-_-;)ちょっと腑に落ちない気もしますが、必要なので仕方ない。病院の窓口受け取りの方が早いそうですが、行くのも大変なので、郵送でお願いしました。返信用封筒と、念のため主治医宛に自分の現状を書いたお手紙を同封しました。

保険適用となる対象疾患

神経痛
リウマチ
五十肩
頸腕症候群
腰痛症
頚椎捻挫後遺症

なので、疾患名に「慢性疲労症候群」と書くと保険適用対象になりません。ただ、慢性疲労症候群による「神経痛」というのは当てはまると思います。なので、指示書の疾患名には、神経痛に〇、その他のところに慢性疲労症候群疑いと書いてくださいました。

ちょうど3週間で指示書がいただけました。受け取ってすぐに、訪問鍼灸院に電話連絡。そこから、来てくださる鍼灸師さんと繋いでいただき、さっそくその週に初回訪問鍼灸(お試しで無料です)を受けることができました。

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訪問鍼灸を受ける

訪問鍼灸院の当初のやり取りをして下さったのは代表の男性鍼灸師さんでしたが、来てくださることになったのは女性の鍼灸師さんです。訪問というサービスの性格上、基本は同性にしているのかもしれません。(聞いてませんが。)受ける側も訪問する側も個室で一対一ですから、異性だと心配な部分もありますよね。

初回は、まず問診票への記入、症状やこれまで受けた治療のヒアリング、保険適用で鍼灸を受けるにあたっての仕組みや手続きの説明で40分ほど。実際の治療は20分ほどでした。この時に、主治医の指示書(原本)と保険証のコピーも鍼灸師さんに預けました。

保険適用の手続き

保険適用にはなるのですが、償還払いといって、一旦全額を自己負担で支払う必要があります。これはそれぞれが加入している保険組合の方針によって変わるようです。月末の治療の際に全額を支払い、鍼灸師さんが作成してくださる、療養費支給申請書にハンコを押してくださいとのことでした。この療養費支給申請書は、本来は自分で記入するもののようです。私の受ける鍼灸院では、鍼灸師さんの方で作成をする方針にしているとのことでした。

療養費支給申請書を提出してから、保険負担分が返ってくるまでは2~3カ月かかるようです。

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訪問鍼灸のメリット・デメリット

週1ペースで訪問鍼灸を受けています。(といってもまだ2回ですが。)
1回の治療は約30分。鍼+鍼への電気刺激?+お灸。

自宅・自室で受けられるのは本当にありがたいです。家族の手を煩わせることもないし、時間的な負担もその30分間のみ交通費もかからない。(今の体力では電車代のみならず、タクシー代もかかるので)化粧もしなくていい。(本当は病院にかかるときはすっぴんがベターと言いますが、やっぱり外に出るからには多少は化粧したいと思ってしまいます)鍼灸受けた後はそれなりにグッタリしますが、そのまま寝ておけばOK

唯一のデメリットとしては、部屋にお灸の匂いが充満することです。他の部屋に匂いが移らないよう、施術を受ける部屋のドアは閉め、外に面している窓は全開で受けることをお勧めします。最初、エアコンをつけて締め切って施術を受けた日は、その後窓を開けてもほぼ丸一日匂いが残りました。2回目、窓を全開で施術を受けた日は、その後1時間もすると気にならないくらいになりました。

私が鍼灸に期待していること

筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群の治療に、有効と確認された治療法は安静以外にありません。…といくつか読んだ資料に書いてありました。(なので民間療法等への傾倒に注意、ということです)

それは承知の上で鍼灸に期待しているのは、まず第一に体調のモニタリングです。もちろん自分で管理することが一番だとは思いますが、自分だけでは記録もさぼってしまったり、記録していても因果関係に気づけなかったり、そもそも不調に気づけなかったり、ということがたいくさんあります。医師ではありませんが、身体を診るお仕事をされている方なので、〇〇が気になっているのですが、と話すと、一度病院に行ってみた方が、とか、じゃあそこに効くツボに今日は刺しましょう、とか対処法の提案を頂けます。

二つ目は、カウンセリング的なところ。不調を安心して話せる相手がいないと、メンタル的に落ち込む危険も大いにあるので、その点でも〇〇が痛くて、とか〇〇ができなかった、とかネガティブなことを話せるのはとてもありがたいです。いくら家族や親しい友人相手であっても、あまり不調のことは口にしたくないものですし、受け取る側もそれだけのキャパがないことも多いです。鍼灸はメンタルカウンセリングではないことはもちろん承知していますが、ありのままの体調を話せる場・そしてそれを仕事として受け取ってくださる相手がいることはとても大事です。

三つ目は、その時々の不調の解消。慢性疲労症候群という病気そのものは治せなくても、例えば肩凝りとか(筋力低下から来ていると思っています)、睡眠障害とか、そういう不調に対して、全身のバランスを整えることで対処できる部分はあるのではないかなと期待しています。

指示書を書いてもらえる主治医がいない場合

これは完全に私の推測でしかないのですが、鍼灸を保険適用で受けるには「神経痛」の診断が出ればいいので、整形外科とかでも書いてもらえる可能性はある気がします。

慢性疲労症候群の確定診断(私も確定診断ではないですが)は、なかなかもらえないという話を聞くので、そういった場合にはこういう方法もあるのではと思いました。

ちなみに…裏技的な書き方になってしまっているので、この疾患ご存知ない方に誤解を与えないように言っておくと、慢性疲労症候群は本当にありとあらゆる不調が出る病気で、神経痛も内包している方がほとんどだと思います。神経痛じゃないのに神経痛と診断をもらって保険の悪用をしているわけではありません。

確立された治療法も、すぐに受けられる公的扶助もない病気なので、今使える制度の中で、少しでも負担が少なくなる方法を探しています。そしてこういった諸々も自分で探していくしかない。(探さない限り誰も教えてくれない)

もっとオフィシャルなところで情報がまとまっていくといいなとは思いますが、ひとまず私の試行錯誤も誰かのお役に立てるといいなと願って。(先輩患者さんたちが残してくださっているブログ等、とても参考にさせて頂いています。)


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