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遊戯王OCG【魔弾】デッキ ガチ解説 第3回「エクストラモンスター」編


はじめに

前回の「シナジー魔法・罠カード」編に引き続き、今回は「魔弾」デッキのエクストラデッキに採用されるエクストラモンスターを紹介した「エクストラモンスター」編の解説になります。

優先順位関係無く、必須級がリンクモンスターしか無い為、リンク数が低い順に並べています。

《魔弾の射手 マックス》に関しては、既に「テーマカード」編で解説していますので、そちらの記事で内容をご確認下さい。

エクストラモンスター

《S:Pリトルナイト》

採用枚数 エクストラデッキ【0~1枚】

AGE OF OVERLORDで登場した、強力な汎用リンクモンスター。

リンク1である《魔弾の射手 マックス》から自然な形で展開でき、①の効果によって、そのターン、自分のモンスターは直接攻撃できなくなるが、フィールド・墓地のカード1枚を対象として除外する。

更に①の効果にとどまらず、相手の効果が発動した時、 自分フィールドのモンスターを含むフィールドの表側表示モンスター2体を対象とし、そのモンスター2体をエンドフェイズまで除外する。

①の効果を使った後でも、②の効果で相手の展開の妨害や、サクリファイス・エスケープで、相手の妨害を回避する為に重宝するので、このカードでリンク3以上のモンスターに繋げるよりも、冗談抜きでこのカードに留まっている方が強いまである。

リンク2モンスターとしてはとても出しやすく、破格の性能をしている為、ほぼ大半のデッキに採用されるだろう。

《魔界特派員デスキャスター》

採用枚数 エクストラデッキ【0~1枚】

DARKWING BLASTで登場した、ストレートな「悪魔族」汎用リンクモンスター。

①の効果は、自分のモンスターが破壊される場合、代わりに自分の悪魔族モンスター1体をリリースして破壊を防ぐ身代わり。裏側守備表示の悪魔族モンスターもリリースできる。

「魔弾」ではいわば、生きた《魔弾-デビルズ・ディール》のような役割を担えるので、「魔弾」が苦手とするモンスター破壊から身を守る手段が増える為、とても心強い。

②の効果は、自身と同名以外の自分の墓地の悪魔族モンスター1体を、手札を1枚捨てて蘇生する。

定石の構築では、《魔弾の射手 ドクトル》以外に自分の墓地のモンスターに触る手段が乏しかった為、重宝する。

このカードが存在し、メイン「魔弾」モンスターを強引に《魔弾の射手 マックス》に変換した場合でも、蘇生効果を適用できれば、陣形を元に戻しやすい。

『このカードはリンク召喚されたターンにはリンク素材にできない』誓約はあるものの、このカードをリンク召喚した次の自分のターンまでこのカードが存在し、②の効果を使用、『この効果の発動後、ターン終了時まで自分は悪魔族モンスターしか特殊召喚できない。』誓約を適用した場合でも、同じ悪魔族である《トロイメア・フェニックス》や後述する《トロイメア・ユニコーン》をリンク召喚できる細かなシナジーを期待する事もできる。

《閃刀姫-アザレア》

採用枚数 エクストラデッキ【0~1枚】

「閃刀姫」の名を冠する、汎用リンクモンスター。

①の効果を使用した場合、自分の墓地に魔法カードが3枚以下だと、自身は墓地に送られてしまうが、使い切りの効果破壊として割り切るのも良い。

手札誘発モンスターに傾倒した構築だと、墓地に送られるパターンが増加する想定だが、魔法カードのドローソースに傾倒した構築であれば、そのパターンを減少させられるだろう。

ちなみに、対象にしたカードがこのカードの効果によって破壊できなかった場合、自身の墓地送りは「その後」の効果なので、このカードの墓地送りは処理されない。

※逆に、この効果にチェーンし、自分の墓地の魔法カードの枚数を、除外やデッキバウンス等によって3枚以下になった場合、「その後」の効果によってこのカードを墓地に送る事になるので注意したい。

②の効果は、自身と戦闘を行うモンスターに、対象を取らない破壊効果。《星杯戦士ニンギルス》と同様に、《双穹の騎士アストラム》等の対象を取らないモンスターにリンク2で対処でき、自分の墓地に魔法カードがある限り、毎ターン使用できるので、とても有用性がある。

いずれにしても、自分の墓地に魔法カードが4枚以上あれば、①②両方の効果を即座に使用でき、このカード1枚で最大2枚のカードを除去できる点は大きいだろう。

《トポロジック・トゥリスバエナ》

採用枚数 エクストラデッキ【0~1枚】

リンク先に特殊召喚されたモンスターを効果トリガーに、そのモンスターとフィールドの魔法・罠カード全てを除外し、除外された相手のカードの枚数に応じたダメージを与える。

フィールドの魔法・罠カード全てを除外する効果は、相手の墓地で発動する魔法・罠カードの利用を阻止できる為、端的に長所だが、墓地からであるものの、同じく魔法・罠カードを除外できる《魔弾-ダンシング・ニードル》もある為、状況次第で臨機応変に使い分けたい。

ただ、このカードをリンク召喚する以前に《魔弾-デッドマンズ・バースト》《魔弾-デスペラード》、《トロイメア・フェニックス》等で相手の魔法・罠カードを破壊している場合もあるので、結果的に想定したセットカードを除外できなかったり、効果ダメージや除外枚数が変動する可能性がある。

《魔弾の射手 スター》《魔弾-ブラッディ・クラウン》等の特殊召喚効果を利用する事で、相手ターンに効果を発動できる点は面白い。

フィールドに魔法・罠カードが1枚も存在しない状況であっても、リンク先にモンスターが特殊召喚されたのであれば、除外効果は必ず発動する。

《アクセスコード・トーカー》が登場する以前、また現在でも下記のコンボによって使用される。

《レッド・リブート》+《魔弾の射手 マックス》+《トポロジック・トゥリスバエナ》

特に《レッド・リブート》で相手の罠カードの発動を無効にしセット、ターン終了時まで罠カードを発動できなくさせた後、《魔弾の射手 マックス》をリンク召喚、相手フィールドの魔法・罠カードの数までデッキから「魔弾」モンスターのリクルートを行うが、《レッド・リブート》で相手が『その後、相手はデッキから罠カード1枚を選んで自身の魔法&罠ゾーンにセットできる。』デメリット効果を行った場合、リクルートするモンスターの数が1体増加する。リクルートしたモンスターで《トポロジック・トゥリスバエナ》をリンク召喚し、このカードのリンク先にモンスターを特殊召喚し、効果を発動する事でダメージと共に相手のセットされた魔法・罠カード、《レッド・リブート》のデメリット効果によってセットした魔法・罠カードも一緒に除外する。

また、このカードに先に行かず、《ハイパースター》と複数の「魔弾」モンスターでダメージを与えた後、メインフェイズ2でこのカードをリンク召喚、除外効果を適用したダメージで引導を渡す戦術も行える。

単にこのカードのリンク召喚と効果を使用せずとも、《魔弾の射手 マックス》でリクルートしたモンスターやそれらを素材として呼び出した高リンクモンスターで殴っていくだけで、ゲームエンドとなる場合もある。

相手のセット枚数にもよるが、このカードの効果ダメージを使用した後に《アクセスコード・トーカー》に繋げて殴る場合は、このカードを経由せず《アクセスコード・トーカー》に繋げて殴る場合よりも、ライフポイントダメージ総量が若干高くなる傾向がある。

2021年1月1日以降に《レッド・リブート》は準制限カードから制限カードとなる為、上記のコンボを行える期待値が低下してしまったが、決まれば《アクセスコード・トーカー》と違い、除外による墓地リソースの除去とバーンが見込める部分で差別化して使用したい。

《DDD磐石王ダリウス》

採用枚数 エクストラデッキ【0~1枚】

実装されるリンクモンスターの数が、まだまだ少なかった頃に採用されていたモンスター。後述する《DDD赦俿王デス・マキナ》の登場により復権する。

基本的に《DDD赦俿王デス・マキナ》への繋ぎとして通過するが、一応このカードの単体性能、運用面を説明すると、②の効果によって、このカードに戦闘破壊耐性を一時的に付与し、戦闘を行った相手モンスターを対象を取らずに破壊する。

同じく対象を取らない破壊効果を持つ《激撮ディスパラッチ》とは違い、自分フィールドに残りやすいので覚えておきたい。

《DDD赦俿王デス・マキナ》

採用枚数 エクストラデッキ【0~1枚】

前述の《DDD磐石王ダリウス》の上に重ねてエクシーズ召喚し、②のモンスター効果によって、相手フィールドで効果が発動したモンスターカードを、このカードのエクシーズ素材とする効果を運用する事となる。

テキストが非常に長く気付きにくいが、②のモンスターカードをエクシーズ素材とする効果は『1ターンに1度』等の制限効果が無い。

更に『相手フィールドのモンスターカードが効果を発動』という発動条件である為、ペンデュラムゾーンのカードの効果の発動や、装備カードとして魔法・罠ゾーンに存在するモンスターの効果の発動も、モンスターカードの効果の発動に含まれる。

《DDD磐石王ダリウス》に重ねる都合上、エクシーズ素材を3つ持ち、1度目の効果処理後にエクシーズ素材は2つになる為、同一ターンに最大2回の妨害効果を使用する事ができる点は非常に良い。

《No.84 ペイン・ゲイナー》

採用枚数 エクストラデッキ【0~1枚】

《DDD赦俿王デス・マキナ》に重ねるエクシーズ召喚先の一つ。

※《DDD赦俿王デス・マキナ》が効果を使い切り、エクシーズ素材が1つのみの場合、このカードを重ねる事ができないので注意。

①の効果は自身のランクも含める為、基本守備力は2200であり、③の効果と組み合わせる事で、守備力2200以下の相手フィールドのモンスターを全て破壊する。

ただし、第10期から登場したリンクモンスターは守備力を持たず、③の効果で破壊できない事だけは頭に入れておきたい。

攻撃力は0なので、モンスター除去を行っても、そのままでは攻撃に繋がらないが、攻撃力4000を誇る後述の《No.77 ザ・セブン・シンズ》を重ねる事でその問題も解決する。

《No.77 ザ・セブン・シンズ》

採用枚数 エクストラデッキ【0~1枚】

《DDD赦俿王デス・マキナ》、《No.84 ペイン・ゲイナー》に重ねるエクシーズ召喚先の一つ。

《DDD赦俿王デス・マキナ》が効果を使い切り、エクシーズ素材が1つのみの場合、《No.84 ペイン・ゲイナー》を介せず、このカードを重ねる場合もある。

基本的に、攻撃力4000と、このカードのエクシーズ素材がある限りの戦闘・効果破壊耐性モンスターとして運用する事になる。

不意に破壊してしまった相手のブラフである《やぶ蛇》から特殊召喚された、攻撃力3500で他のカードの効果を受けない《RR-アルティメット・ファルコン》等を対処できる。

①の効果は、相手フィールドの特殊召喚されたモンスターを全て除外し、
その後、除外したモンスターの中から1体を選んでこのカードの下に重ねてエクシーズ素材とする。

【1】トークンや罠モンスターは、除外によって除去はできるが、エクシーズ素材にする事はできない。

【2】特殊召喚された裏側守備表示モンスターも除外できる。この場合、除外された時に表向きとなり、エクシーズ素材にももちろんできる。

【3】効果処理時に《No.77 ザ・セブン・シンズ》がフィールドを離れている場合、除外のみが処理される。

【4】効果処理時に《No.77 ザ・セブン・シンズ》が裏側守備表示の場合、セットされたこのモンスターにエクシーズ素材を補充できる。

重ねてエクシーズ召喚する効果外テキストによって使用するタイムラグはあるものの、次の自分のターンまでにこのカードを守り切れた場合の見返りの様なものであり、エクシーズ素材を2つ以上保持したこのカードを野放しにできないプレッシャーを相手に与える点は大きい。

《天霆號アーゼウス》

採用枚数 エクストラデッキ【0~1枚】

重ねるエクシーズモンスターの終着地点。

前述で解説した《DDD磐石王ダリウス》から《No.77 ザ・セブン・シンズ》の内で一度戦闘を行う事で、このカードを重ねられる。

①の効果は、自身以外のフィールドのカードを全て墓地へ送る効果であり、対象をとらず破壊も介さないフリーチェーンの全体除去と、非常に除去性能が高い。

1ターンに1度の発動制限が無い為、再度効果を発動して相手の再展開した布陣を崩す事ができる。

また、公式の裁定により、①の効果を発動した同一チェーン上で、更に①の効果を発動できる為、効果発動に必要なエクシーズ素材がある分、スペルスピード2の無効、破壊効果等を意に介さず、確実に全体除去効果を発揮する事ができる。

《DDD磐石王ダリウス》、《DDD赦俿王デス・マキナ》、《No.84 ペイン・ゲイナー》、《No.77 ザ・セブン・シンズ》と順々にエクシーズモンスターを重ねていき、このカードを重ねるに至ると、エクシーズ素材を最大6つ保持した状態で運用できる。

《DDD磐石王ダリウス》エクシーズ素材【2】

《DDD赦俿王デス・マキナ》エクシーズ素材【3】

《No.84 ペイン・ゲイナー》エクシーズ素材【4】

《No.77 ザ・セブン・シンズ》エクシーズ素材【5】

前述のモンスターのいずれかで一度戦闘を行う

《天霆號アーゼウス》エクシーズ素材【6】

相手ターンにも妨害・制圧要員として発動するのも良いが、その場合耐性の無いこのカードのみが残る為、相手の再展開次第では劣勢に陥る可能性がある事には注意したい。

《魔弾の射手 カスパール》《魔弾の射手 ドクトル》を並べた戦略的な布陣や「魔弾」モンスターを複数展開した後に、このカードを呼び出し、全体除去効果を使用してしまうと、それらが瓦解してしまうので、このカードの使用に至らなかったり、噛み合いが難しい場面がある。

ただ、全体除去効果を使用した後に、温存した通常召喚権や手札の《魔弾の射手 スター》《魔弾-ブラッディ・クラウン》等の特殊召喚手段を用いて即座に体勢を立て直すといった戦略も可能である。

《厄災の星ティ・フォン》

採用枚数 エクストラデッキ【0~1枚】

AGE OF OVERLORDで登場した、《天霆號アーゼウス》の性能や効果を意識したアンチテーゼなモンスター。

もっとも《天霆號アーゼウス》が設定上、脅威に対抗するため生み出されたモンスターなので、逆説的にあちらが本来このモンスターに対するアンチテーゼだったりする。

①の効果は、X召喚したこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、お互いに攻撃力3000以上のモンスターの効果の発動を封じる。

戦術の要である「魔弾」モンスター達の攻撃力を3000以上で効果を使用する事は、《魔弾-ネバー・エンドルフィン》の適用化以外ではほとんど無い為、このカードを展開する事によって、定石の展開に支障をきたす事は無い。

この記事で紹介している《DDD赦俿王デス・マキナ》、《No.77 ザ・セブン・シンズ》、《天霆號アーゼウス》、《アクセスコード・トーカー》等は、攻撃力3000打点以上、または超える場合があるので、嚙み合わせに気を付けたり、使い分けたいだろう。

②の効果は、このカードのX素材を1つ取り除いてのモンスターバウンス。

①の効果が作用している為、攻撃力3000である《天霆號アーゼウス》の、自身以外のフィールドのカードを全て墓地へ送る効果や、同じく攻撃力3000の《フルール・ド・バロネス》の、効果の発動の無効化等を発動させないまま、対処する事ができる。

次点

《ハイパースター》

採用枚数 エクストラデッキ【1枚】

主体の「魔弾」モンスターをメインに、光属性モンスターのステータス全体強化、闇属性モンスターの全体弱体化を施す効果と、光属性モンスターのサルベージ効果を持つ。

このカードをリンク召喚した自体ではアドバンテージをもたらさないが、全体強化によるライフポイントダメージを稼げる事が非常に大きい。

相手の《ライトニング・ストーム》等のモンスター全体破壊を防げなかった場合、②の効果のサルベージ効果は多少の保険にもなるだろう。

特に行うアクションが無くリンク2で留まる場合、このモンスターをオススメしたい。

※2023年1月1日 追記

後に登場し、後述でも紹介する、このカードとほぼ同じ召喚条件を持ち、効果破壊&戦闘時破壊を持つ《閃刀姫-アザレア》の登場により、このカードは相手のライフポイントをキルラインに持っていく役割に絞られぎみとなり、相手ターンでの戦闘による除去性能とそれに伴う生存力を考えると、このカードを使用しない可能性が増える為、他のエクストラモンスターを採用したい場合、このカードを外す選択肢も構わない。

《トロイメア・フェニックス》

採用枚数 エクストラデッキ【1枚】

このカードがリンク召喚に成功した場合、手札を1枚捨て、相手フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動でき、そのカードを破壊する。この効果の発動時にこのカードが相互リンク状態だった場合、さらに自分はデッキから1枚ドローできる。このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分フィールドの相互リンク状態のモンスターは戦闘では破壊されない。

基本的にモンスター効果で、相手フィールドの魔法・罠カード1枚を破壊する役割の定番で採用されるリンクモンスター。

発動の機会や、発動が不要となった《同胞の絆》《金満で謙虚な壺》《強欲で貪欲な壺》等を主に手札コストに回すと無駄がない。

『この効果の発動時にこのカードが相互リンク状態だった場合、さらに自分はデッキから1枚ドローできる。』効果で実質手札消費無しで手札交換となる面では利点とも言える。

※対象とした相手フィールドの魔法・罠カード1枚を破壊できなかった場合、『さらに自分はデッキから1枚ドローできる。』処理を行う事ができないので注意。

『このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分フィールドの相互リンク状態のモンスターは戦闘では破壊されない。』効果は、発揮される場面は少ないが、ドローゴー状態の泥仕合で耐えられる一因になるかもしれない。

《照耀の光霊使いライナ》

採用枚数 エクストラデッキ【0~1枚】

霊使いリンクシリーズ待望の光属性。

相手の墓地の光属性モンスターを参照したり、相手によって破壊された場合のサーチと、相手に依存し受動的な効果な為、同じリンク2でステータス全体強化を行う《ハイパースター》よりも使用頻度は落ちるものの、効果を使用できる機会があれば直ぐ様リンク3以上に繋げられ、ゲームテンポを早めてくれる可能性が高い。

遊戯王は根本的に光属性と闇属性を主体に強力なカードや、デッキへの採用カードも多い為、効果の発動機会に困る事は少ないと思うが、対面するデッキや墓地のタイミングによって使用感や有用性も変動する為、アドリブやプレイング性を求められるカードと言える。

遭遇、使用頻度が高い相手の墓地の光属性モンスター

汎用系

《原始生命態ニビル》《エフェクト・ヴェーラー》

《天霆號アーゼウス》《幽鬼うさぎ》

テーマ系

《PSYフレームギア・γ》《アーティファクト-ロンギヌス》

《黄金卿エルドリッチ》《サイバー・ドラゴン》

《アカシック・マジシャン》

採用枚数 エクストラデッキ【0~1枚】

リンク召喚に成功した場合、リンク先のモンスターを全てバウンスする効果と、ターン1でカード名を宣言して相互リンク先のモンスターのリンクマーカーの数だけ自分のデッキの上を捲り、宣言したカードがあれば手札に加え、それ以外は全て墓地へ送る。

リンク先のモンスターをバウンスする効果に注力すると、汎用性に乏しい採用だが、環境の中速化と共に【コード・トーカー】が環境に台頭してきた事により重要な効果となる。

主に《トランスコード・トーカー》+《デコード・トーカー・ヒートソウル》の盤面を形成された際に、《トランスコード・トーカー》の『このカードが相互リンク状態の場合、このカード及びこのカードの相互リンク先のモンスターの攻撃力は500アップし、相手の効果の対象にならない。』効果を、対象を取らないバウンス効果で瓦解させる役割を持つ。

前述の盤面の解答は他にもあるのだが、《魔弾-ネバー・エンドルフィン》を使用した《魔弾の射手 ザ・キッド》《魔弾の射手 ドクトル》で殴る(ただし、ドクトルの場合は相打ち)か、《簡易融合》で呼び出した融合モンスターをリンク素材にして出す《グラビティ・コントローラー》による対象を取らないバウンスを行うしかなく、どちらも引きに頼る部分が多い。

※(2022年12月24日 追記)《閃刀姫-アザレア》の②効果でも対処できるようになりました。

これらに加え《アカシック・マジシャン》と同じリンク数で同じような役割として利用できる、後に登場した《激撮ディスパラッチ》については別に後述する。

《ブルートエンフォーサー》

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採用枚数 エクストラデッキ【0~1枚】

手札を1枚捨て、相手フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動、相手はその表側表示のカードと元々の種類(モンスター・魔法・罠)が同じカード1枚を手札から捨ててこの効果を無効にできるが、捨てなかった場合、対象の表側表示のカードを破壊する。

効果が通った場合は効果破壊だが、相手が捨てた事により利点があるカードの効果を利用される懸念はあるものの、無効にされた場合はハンデス(手札破壊)効果ともとれる。

リンク2の除去効果持ちとしては、《トロイメア・ケルベロス》及び《トロイメア・フェニックス》が存在し、除去の確実性で言えばその2枚を使い分けた方が良い場合もあり、その2枚は相互リンク状態にすることで耐性付与もできる。しかし《トロイメア・ケルベロス》は、相手のメインモンスターゾーンの特殊召喚されたモンスターのみを除去指定しており、こちらはエクストラモンスターゾーンのモンスターに対しても使え、表側表示の魔法・罠カードも除去対象にできる。

最も第一に除去が不確実という点でこのカードの採用に乏しいのだが、最たる採用理由は、自分フィールドに「魔弾」モンスターと、前の自分のターンから存在している《魔弾の射手 マックス》が1体ずつ存在し、それらをリンク素材に《トロイメア・ケルベロス》に直接リンク召喚するよりも、《魔弾の射手 マックス》のリンク召喚及び効果の使用を経由する事に重点を置いている。《トロイメア・ケルベロス》の召喚条件『カード名が異なるモンスター2体』と違い、召喚条件『効果モンスター2体』により《魔弾の射手 マックス》同名2体からこのカードにリンク召喚できるが、このカードのリンク召喚に至るまでにモンスター効果の使用を一度経由している為、このカードの効果の成否は考慮しない。

詳細に述べると、経由した《魔弾の射手 マックス》の効果のよって相手フィールドのカードを除去する「魔弾」魔法・罠カードをサーチしているか、デッキから「魔弾」モンスターを特殊召喚し、それらを素材に別の除去モンスターや除去性能の高い高リンクモンスターに繋げると、結果的にこのカードを使用しないか、効果の成否は考慮しなくて済むからである。

逆に、経由した《魔弾の射手 マックス》の効果が無効にされ、相手の阻害を消費させる事によって、このカードに繋げた場合の除去効果を通しやすい状況となる。ここでまたこのカードの効果を無効にされた場合でも、相手のアドバンテージを1枚でも多く奪う事に成功している。

《セキュリティ・ドラゴン》

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採用枚数 エクストラデッキ【0~1枚】

相互リンク状態の場合に1度だけ、相手フィールドのモンスターを手札にバウンスする。

リンクマーカーが上向きにもある為、相手モンスターのリンクマーカーがこちら側に向いている場合、そのリンク先にこのカードを置いた場合でも効果発動に利用できる。

効果処理時に相互リンク状態でなくなっている場合でも、『そのモンスターを持ち主の手札に戻す』処理は通常通り適用される。

効果テキストの『表側表示』表記で勘違いしやすいが、相手の裏側守備表示モンスターも効果対象にできる。

素材の縛りが無いリンク2モンスターである為、比較的リンク召喚しやすいが、単体では利用できない効果であり、自発的に発動する際にはこのカードと相互リンク状態となるリンクモンスターと合わせて、リンク3以上で発動できる効果と捉えると、他のリンク2モンスターより盤面の要求値が少し高い。

リンク2でコストが無く、対象を取るバウンス効果は、戦闘・効果破壊耐性を持つエクストラモンスター等を対処できたり重宝するので、有効活用したい。

《激撮ディスパラッチ》

採用枚数 エクストラデッキ【0~1枚】

攻撃対象を自身に移し替えて戦闘処理を行う効果と、戦闘破壊された際のモンスター破壊、破壊したモンスターを参照としたライフゲイン効果を持つ。

①の効果はカードの効果によるダメージ計算に至るので、バトルステップ→ダメージステップ開始時→ダメージ計算前→ダメージ計算時といったこれらのタイミングに発動可能な効果は発動できない。

②の効果は対象を取らないモンスター破壊であり、《アカシック・マジシャン》と同じリンク数且つ、より容易な召喚条件でリンク召喚でき、同じ対策盤面項目《トランスコード・トーカー》+《デコード・トーカー・ヒートソウル》の瓦解に加え、効果対象耐性を持つ《双穹の騎士アストラム》等も突破できる。自爆特攻でも効果を発動できる。

更に①と②の効果を踏まえると、破壊耐性や対象を取らない効果耐性を持っていない限りは、《召喚獣プルガトリオ》等の「全体攻撃」効果を持つモンスターを牽制でき、全体攻撃をシャットダウンできる側面も持たせられる。

※(2022年12月24日 追記)《閃刀姫-アザレア》の②効果でも対処できるようになりました。

※効果の発動条件上、《アカシック・マジシャン》と違い場に残っている事はほぼ無く、戦闘ダメージを受けてしまう点がある。モンスターを破壊した後、ある程度ライフゲインはできるものの、破壊効果を使用する前にライフポイントが0になってしまわないように注意したい。

《星杯戦士ニンギルス》

採用枚数 エクストラデッキ【1枚】

『1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。自分及び相手フィールドのカードを1枚ずつ選んで墓地へ送る。』②の効果を主に使用する為に採用される。

あまり気にする事ではないが、①の効果は強制効果なので、慎重を期す場合はこのタイミングで一旦お互いの優先権やチェーン確認のチェックを行う。

「魔弾」魔法・罠カードは対象に取る効果が占めている為、《双穹の騎士アストラム》等の対象を取らないモンスターに対処できない事が多く、対象を取らずに、選んで墓地に送る効果は重宝する。

不要になった魔法・罠カードは、セットして効果を発動する為のコストのようにすると無駄がない。

テクニック

②の効果発動にチェーンし、手札から魔法・罠カードを発動する事によって、一連のチェーン処理が全て終了するタイミングまで、発動した魔法・罠カードは場に残っている為、効果処理時にチェーン上の自分の魔法・罠カードを『お互いのフィールドのカードを1枚ずつ選んで墓地へ送る。』カードとして選択できる。

不要なカードが無かったり、ボードハンド・アドバンテージの消費を少しでも抑えたい場合に覚えておきたい。

《羅天神将》

採用枚数 エクストラデッキ【0~1枚】

自分・相手のスタンバイフェイズに、このカードのリンク先の表側表示モンスター1体を対象とし、種族がそのモンスターと同じとなるレベル4以下のモンスター1体を、このカードのリンク先となる自分フィールドに手札から特殊召喚する効果と、自分・相手のバトルフェイズ開始時に、相手フィールドのカード1枚を対象とし、そのカードを破壊する効果を持つ。

大抵の場合、リンク召喚を行うタイミングはメインフェイズ以降なので、①の効果は、次の相手のスタンバイフェイズまで待つ事になる。「魔弾」モンスターは全て光属性・悪魔族であり、同じモンスターを維持している事が多い為、発動機会に恵まれるだろう。

②の効果は、お互いのバトルフェイズのスタートステップに相手のカードを破壊する。発動タイミングが少し遅めではあるものの、リンク3モンスターにおいて数少ない相手ターンでの妨害を備えている。

召喚条件が『同じ種族のモンスター2体以上』なので、「魔弾」モンスター3体でリンク召喚できる他に、同じ悪魔族である《魔弾の射手 マックス》+《トロイメア・フェニックス》で呼び出せる点も無駄がない。

余談

TCG(海外遊戯王)のDawn of Majestyに先行収録されているカードであり、2022年5月時点では、OCGにおいて実装されておらず、2022年9月10日発売のWORLD PREMIERE PACK 2022に収録されるであろう日本未発売カードだが、マスターデュエルではその機を待たずして2022年5月9日に《羅天神将》のカード名が付けられて実装された。

《スリーバーストショット・ドラゴン》

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採用枚数 エクストラデッキ【0~1枚】

1ターンに1度、ダメージステップでの発動を無効にする。貫通効果を持ち、このカードが特殊召喚したターンには発動できないが、自身をリリースする事で自分の墓地のリンク2以下のモンスターの蘇生と手札からの特殊召喚効果を持つ。

他のモンスターが攻撃する際にも発動でき、戦闘破壊対応リクルーターリバース時の効果、ダメージステップのコンバットトリックを警戒してより安全に攻撃を行える。

※魔法・罠カードの「カードの発動ではない効果の発動」に対応しない点は注意。

ピンポイントではあるが、「魔弾」で「閃刀姫」と対面した際、相手フィールドに「閃刀姫」リンクモンスターが存在し、相手の墓地に《閃刀姫-レイ》がある場面を、《魔弾-ダンシング・ニードル》によって相手の墓地の《閃刀姫-レイ》を除外、自己再生を阻止した後に「閃刀姫」リンクモンスターを除去、対処する手段を介さず、そのまま戦闘破壊での対処を行える。

《強欲で貪欲な壺》等のコストによってデッキ内の《魔弾-ダンシング・ニードル》が全て裏側表示で除外されたり、または使用できない状況で、前述の場面の対処を行う選択肢にできる。

また、他に採用できるリンク3モンスターと違い、コストを必要としない点で差別化できる。

③の効果は、墓地に存在するリンク2以下のモンスターに切り替えて、再度そのモンスターの効果を利用したりする他、左右にリンクマーカーを持つリンクモンスターを蘇生し、エクストラモンスターゾーンを空けつつリンク先の確保を行うといった行動はできるが、基本的な展開に関与しない為、あまり活用する事は無いだろう。

《トロイメア・ユニコーン》

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採用枚数 エクストラデッキ【0~1枚】

①の効果はリンク召喚成功時に、手札1枚コストでフィールドのカード1枚を対象としたデッキバウンス。

デッキバウンスの仕様上、墓地に送られたり墓地で発動する効果や、除外された際に発動するカードの利用を防ぐ事ができる。

同じリンク3モンスターの《星杯戦士ニンギルス》と違い、リンクマーカーが下にあり、手札コストな為モンスターカードも切れる選択肢が増えるが、対象を取る面で差別化される。こちらも採用する場合は状況に応じて使い分けたい。

②の効果は、このカードと相互リンクとなるモンスターがいる状況だとそのモンスターとこのカードをリンク素材に、速やかに《アクセスコード・トーカー》へとリンク召喚している場合が多い為、利用する機会はほぼ無いオマケと考える方が良い。

《アクセスコード・トーカー》

採用枚数 エクストラデッキ【0~1枚】

起死回生を賭けた一手の他、有利盤面から速やかにゲームエンドに持っていける切り札。

基本的に「魔弾」デッキでの①の効果は、リンク3を素材として攻撃力が最大3000アップした、攻撃力5300のモンスターとして運用する事になる。

※①の効果が適用された後に《エフェクト・ヴェーラー》等の効果無効化を受けた場合、攻撃力2300に戻るので注意したい。

②の効果は『自分のフィールド・墓地からリンクモンスター1体を除外して発動できる。相手フィールドのカード1枚を選んで破壊する。』仕様上、このカード自身を除外して発動する事もできる。

フィールドの効果モンスターの効果を無効化する《スキルドレイン》等を割る際に利用する手段となる。

余談

リンク素材条件が『効果モンスター2体以上』と非常に緩く、発動の阻害もされず、効果によって3000以上の高打点となり、相手のボード・アドバンテージを最大6枚以上消し飛ばすので、「ぶっ壊れ」や規制の声も言われる事もあるが、《水晶機巧-ハリファイバー》《神聖魔皇后セレーネ》等の自身の効果でリンク素材を用意できるリンクモンスターから、このモンスターのリンク召喚に繋ぎやすい為に必然的に使いやすくなっている事に他ならない。

このカードの実装当時、リンク4リンクモンスターとして《ヴァレルソード・ドラゴン》が定番のフィニッシャーとして台頭しており、《アクセスコード・トーカー》のウルトラレアでは最低値100円レベル、20thシークレットレアに至っては3000円付近とパックが多く剥かれた事にもより評価は普通であった。しかし、《ヴァレルソード・ドラゴン》は盤面の打開というよりも、底上げした打点と攻撃回数によって「急いで」ゲームエンドにする側面が強い。《アクセスコード・トーカー》はライフポイントダメージ総量では劣るものの、《ヴァレルソード・ドラゴン》よりもリンク素材が緩く、申し分ない高打点の維持、相手のボード・アドバンテージやバックを警戒できるベストなリンク4リンクモンスターとして次第に評価が高くなっていった。

《ヴァレルソード・ドラゴン》


採用枚数 エクストラデッキ【0~1枚】

《アクセスコード・トーカー》と同じく、リンク4モンスターにおいて極めて攻撃的なフィニッシャー。

相手盤面の破壊性能では、段階的なリンク召喚を経た《アクセスコード・トーカー》に劣るものの、戦闘破壊耐性、表示形式変更を経ての2回攻撃、攻撃したモンスターの攻撃力半分の打点アップ及び攻撃したモンスターの攻撃力を半減する等、戦闘面に特化している。

2回攻撃と打点アップ、相手の打点半減がある面においては、《アクセスコード・トーカー》よりも相手に与えられる戦闘ダメージは多い傾向となる。

例として、相手フィールドに存在するモンスターが攻撃力4000以上のモンスター1体のみという状況では、このカード単体で3000+5000の戦闘ダメージを与えて1ターンキルする事ができる。

ちなみに③の効果は、先に打点アップを行う為、「効果を受けない」耐性を持っているモンスターと戦闘する場合でも攻撃力を上昇させられる。

故に、相手の先攻で最大攻撃力6000に至らせた《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》を、定石ではリンク3を素材とした攻撃力5300の《アクセスコード・トーカー》では越えられない所を、戦闘破壊耐性を持つこのモンスターの攻撃1回目で③の効果を発動する事により、攻撃力6000(+3000)に至り、一方的に戦闘破壊する事ができる。

また、《強欲で金満な壺》を採用、使用し、自分のエクストラデッキが乱れた状況において、段階的なリンク召喚を経た《アクセスコード・トーカー》を出す事が非常に困難になるが、このモンスターは召喚条件「効果モンスター3体以上」で即座に出せる高打点としては非常に優秀と言えるだろう。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

以上で「エクストラモンスター」編の解説を終了します。

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