【小咄】サマーナイト・チルドレン
全国的に夏の風物詩とも言える「花火大会」。夜に打ち上がる花火は美しい。真夏の暑さも忘れるほどに、夜空を染め上げる花火は、とても美しく輝いている。興奮冷めやらぬ二人、火照った身体、冷えたビールと休み場所を求めて彷徨う姿。これも夏の風物詩と言えるのではないだろか。
無論、何も起こらないわけがなく。
少し鹿児島県鹿児島市の話をしよう。
毎年、鹿児島市では「サマーナイト大花火大会」なるものが開催されている。もちろん、鹿児島ゆえに台風などの天候に悩まされることも多い。しかしながら、市内のみならず県内各地から「飛んで火に入る夏の虫」よろしく花火を見に、その日は海沿いへと集まってくる。
色んな意味でアツいイベントだ。
花火大会の夜は夜伽の場所も超満員だ。聞くところによると花火大会は一年、いや二年近く前から戦いが始まっているらしい。この花火自体が、人によって住む家の指標にもなるようだ。相手がいないけれど、絶対に捕まえる一心で宿をとる猛者もいるようだ。
花火大会は戦場なのだ。
戦場といえば、「戦場のメリークリスマス」という映画を思い出す。
そして、クリスマスといえば聖夜、いや性夜だ。
「性の12時間」なるネットスラングも存在する。
ちなみに僕の誕生日、
いや生まれの予定日は11月4日だ。
十月十日(とつきとおか)でいけばクリスマスチルドレンになる。とはいえども、十月十日(とつきとおか)は昔の「数え」の概念である。
つまり、実際のところは、9月中旬くらいが真性のクリスマス・チルドレンになるわけだ。事実、全国的に見てもそこのあたりに誕生日を迎える人は多いようだ。(勿論、予定日ぴったりという訳でもないので、一概に言えることではないのだけれども)
少し話を戻そう。クリスマスも花火大会も戦場だ。
花火大会の後にも、クリスマス同様に別の「戦い」があるはずだ。
仮にだ。
鹿児島生まれ鹿児島育ちの5月頃生まれの子がいるとすれば、それはもしかしたら「サマーナイト・チルドレン」なのかもしれない。サマーナイト錦江湾大花火大会は今年で17回目を迎えた。もう、僕の周りにいる子の中にも「サマーナイト・チルドレン」がいるのかもしれない。
そして、あなたの周りにも。
・・・たぶんね。
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