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男は結婚すると「まとも」になるのか?

モテコンサル勝倉氏がこんなツイートをしていた。

https://twitter.com/Cryptobanker_Z/status/1678595724764905472

ここでいう「まとも」とは何か?
勝倉氏の説明によれば、それは「破滅的なヤバい行動に及ばないこと」であり、端的に言えば向社会的な人格のことだと読み取ることができる。
「破滅的なヤバい行動」、つまり反社会的な行為に及んでしまえば、家族の人生にも影響を与えてしまう。だから、家族を守ることを最優先する男は反社会的な行動をしにくくなり、もともと破天荒な人であっても、向社会的な人格へと矯正されていく。勝倉の説明を要約するとこのようになるだろう。

勝倉の直感は正しいが問題への踏み込み方が甘い。男が「まとも」になる(勝倉の言い方では「「まとも」寄り」)とは、つまり男がどうなってしまうことなのかについて想像が甘いのである。

結婚することで男が「まとも」になるとは、人質ができることで弱点が増えることを意味する。

男にとって家族とは何か?
男にとって妻や子供はどのような存在なのか?

ポジティブな言い方をすれば「人生を賭けて守るべきもの」「かけがえのない大切なもの」であり、それがある男はたしかに強い。ただし、それは頑張るための動機付けがある男は強いという意味である。動機付けという観点からは確かに家族にいる男は強い。
しかし、自分の行動次第で大切な家族の人生が破滅する可能性があることを考えれば、家族が増えるほど破滅の蓋然性も高まっていく
だからこそ、男は家族の人生を破滅させないために必死になる。家族を養うために必死に働き、カネを稼ぐ。そのためには社会に適応するしかない。反社会的な行為になど及べるはずもない。
つまり、男が家族を作るということは、社会によって家族を人質にされたようなものなのである。家族を人質に取られ、従わなければ家族を殺すと脅されれば従わざるを得ない。守るべき大切な家族は男にとって弱点でもある。

弱点ができるという意味では家族がいる男は弱い

男が結婚して家族を持つことで破天荒な性格が矯正され、向社会的な性格になり、破滅的な行為には及ばないようになる。勝倉がそう考えたところまでは正しい。しかし、「まとも」という言葉を使っている時点で問題の認識が甘いのだろうと想像する。これは「男は結婚することで性格が丸くなる」程度の浅い話ではない。

男は社会によって家族を人質にされることで、社会に対して従順になる。人質立てこもり犯の要求に警察が従おうとするのと同じである。人命を守ることが最優先であるため、犯人が逃走車を用意しろ、現金を用意しろと要求してくれば、とりあえずは従う振りをせざるをえない。家族を持った男が社会に対して従順になるのはそれと同じである。

だが、それは男が「まとも」寄りになったということなのだろうか。
もちろん、家族を持った男がまともに見える理由はそれだけではないだろう。テストステロンの影響で若い頃は血気盛んだったが、加齢によりテストステロンが減少し、性格が丸くなった。子供を作り、家族形成を成し遂げ、自分の遺伝子を後世に残したことでオスとしての役割を終えた。それによりオス間闘争をする必要がなくなったので、攻撃的な性格、オラついた性格が穏やかになった。このような要因も考えられるだろう。つまり、オスとしての役割を終えると必然の結果としてオスは弱体化するのである。

勝倉の目に見えた、家族を持ち「まとも」になった男の姿とは、弱体化したオスの姿に他ならない。

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