おばあちゃんに会いたい
一人暮らしで、勝手気ままに暮らしている。
ラジオやテレビやYouTubeをお供に家事をして、ご飯を食べていると、
日常的に「寂しい」と感じることはない。
強がっている訳でもなくて、普通に楽しく過ごしている。
けれど、ふと、とんでもなく寂しくなる時がある。
今日小玉スイカを買ってきた。一気に全部一口大にカットして、お皿に山盛りにした。
独り占めできるなんて、贅沢。
テレビを見ながら半分食べて、満足して。
残りは冷蔵庫へしまった。
夏の夜は、昼間の暑さから解放されて気が緩む。
その隙間に、寂しさが忍び寄ってきたのかもしれない。
バイト探しが順調にいかなくて。
私は、このままどこにも雇ってもらえないんじゃないかと、不安が頭をよぎる。
いや、大げさだよ。
どこかしらで、働けるよ。
自分で自分を励ましている。
今、この瞬間が幸せじゃないと、
今までしてきた選択の全てを否定しそうになる。
あるいは、選択のどこが間違っていたのか、検証しそうになる。
まだ、自分で人生を左右するような
選択をしていなかった小学校低学年の頃。
親や、学校に守られていた頃がなつかしい。
無条件に愛してくれたおばあちゃん。
二の腕を触ると柔らかくて、ひんやり冷たくて。前掛けに長いスカート、膝下までのストッキング。
薬を20錠くらい飲んでいた。
寝る前に、頭にカーラーを巻いて、足上げ腹筋をしていた。
おばあちゃんは、私を寝かしつけるときに、頭を撫でたり、耳を撫でたりしてくれた。
親や学校からは「いい子でいないと褒められない」と思っていたけれど、
おばあちゃんは、いい子でなくても、私が存在しているだけで、愛してくれている安心感があった。
無条件で存在を肯定してくれた。
なんだかせつなくなる夜は、
おばあちゃんが恋しい。
もうずいぶん前に亡くなってしまったけれど、
おばあちゃんに会いたい。
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