【ドラマ感想】SPEC #甲の回 魔弾の射手

 このドラマの出会いは突然でした。
 編み物のBGMがわりにアマプラで映画を探していたところ出会ったのがSPEC 天

 ゴム編みだからと聞き流すはずが思わず見入ってしまった。
そして気づいたら、SPECのノベライズまで購入し

日曜日という貴重な時間をSPECに使っていました。
そして、今まで見たことのないドラマ版SPECを見よう。と決意し、視聴しました。

今回見たのはこちら。 甲の回 1 魔弾の射手

【あらすじ】
 SATの瀬文。彼は部下を業務中死傷させたとして警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策係 通称 ミショウ に配属される。
 ミショウは現代の警察では対応できないマジックもどきの事件を取り扱う部署である。
 係長の野々村 そして バディの当麻。 三人は SPECと呼ばれる特殊能力を持つ犯罪者とたち向かうのだが……。

 ミショウ 初めての依頼人は国会議員 五木谷。彼は未来を予知できる占い師冷泉に殺されることを予言される。
 五木谷の依頼を引き受け、三人は彼の警護をすることになるのだが……。

【感想】
 そうだね。SPECは ケイゾク TRICKと名ドラマの生みの親 が手がけたドラマ。ハマる人はハマる。
 魔弾の射手。のタイトル通り、投射・投擲が物語のヒントになる。
 このドラマ、タイトルをヒントに謎を紐解いてはいけません。真剣な中にギャグが入る。ヘルシングのヒラコーワールドよろしくシリアスとコメディの落差が激しい。だから、真剣に考えたところで大切なところはコメディの後ろに隠されていて見落としてしまう。おまけに真剣に考えれば考えるほどこの物語の「正解」は離れていく。馬鹿馬鹿しいと一蹴されかれないトリック。でも、この物語(作品)ではこう言えるんですよね。
 馬鹿馬鹿しいと相手にされなかったからSPECが光る。
 あぁ。こうやって犯罪をしたのね。と浅い部分で妙に納得してしまう。
 納得してしまうのは、この回のゲスト 上川隆也氏の怪演がなせる技。
 上川氏の妙な色気に誘われ、上川氏のうろたえる姿に舌なめずりをして気づいたら、「うん。仕方がない!」これでまるっと治る。
 TRICKもそうですが、SPECも深く考えてはいけない。謎は浅きをなぞり人の深みを知るのです。

 逆を返せば、この物語は「犯人は何故このようなことを犯したのか」の理由が少ない。
 犯人が罪を犯した理由はチョロッとだけ明かされて深いところまで明かされないのです。不満と言えば、不満ですが、登場人物 瀬文 当麻を見たら若干仕方ないかな? と。
 瀬文はSPECを嫌い己の中にある刑事の矜持で生きている。犯罪者の動機なんて全く興味がないんです。
 一方の当麻は不謹慎が大好き。なんでなんだろう。と謎を追うことだけが大好きで、人間の感情に疎い。(そもそも彼女に常識や人情は通用しない)
 事件を追う二人から物語を見た場合、犯人の動機や経緯なんて不要の産物。
 謎を追いかけ、SPECと謎をなぞる物語は目の肥えた人ほど不愉快になるでしょう。けれども、ノベライズだったり映画だったり。一度SPECワールドに触れた人ならば、この物語の淡白さが妙にハマってしまう。
 記念すべき第1話はSPECの世界に入れるか 入りきれないかをふるいわける試金石です。
 この1話をクリアできた方。是非とも2話でお会いしましょう。


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