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展覧会note:M-02JとHK1:あいち航空ミュージアム

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八谷和彦 特別展「M-02JとHK1」~無尾翼機に魅せられて~ 2022年4月27日(水)〜5月30日(月) 5月5日トークショーあり。 あいち航空ミュージアム 西春日井郡豊… もっと読む
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2020年11月の記事一覧

対談 八谷和彦×小林エリカ:幻のロケット戦闘機「秋水」を巡るそれぞれの物語

(テキスト・編集:中村志保) 2020年12月7〜20日に〈柏の葉 T-SITE〉で開かれる「柏飛行場と秋水–柏の葉 1945-2020」展。八谷和彦さんが企画する本展は、千葉県柏市にある「柏の葉」に戦時中に存在していた、今はなき〈柏飛行場〉を巡る展覧会だ。時は第二次世界大戦末期の日本。首都圏へ空襲に迫るB-29を迎撃するため、日本初のロケット戦闘機・秋水(しゅうすい)を配備する計画がにわかに進められていた。訓練やエンジンテストは実施されたものの、ただ一回の試験飛行の直後に

公式サイトオープン&柏歴史クラブのウォーキングイベントのお知らせ。

11月24日に、公式サイトをオープンしました。 また、T-SITEでも、イベントの案内としてとりあげていただいています。 #柏の葉 が、ツイッターでトレンドに上がるまで頑張りたいと思います。 さて、公式サイトに入れる情報というのは、基本的にあまり冗長になっても良くないので必要最小限度にするのですが、そうするとこれを柏の葉でやる意味とか、なぜ秋水なのか、なぜ写真のカラー化なのかが伝えるの難しいな…と思いまして、土曜日21日に予告的にものすごい長文の記事を上げたわけですね。

柏飛行場と秋水 - 柏の葉 1945-2020

<1945年初夏、「九九軍偵」に曳航された後、柏飛行場を飛行するMXY8「秋草」※秋草は、秋水の訓練機として制作された木製のグライダー。 撮影:木村秀政 所蔵:田中昭重 パノラマ加工および提供:柴田一哉  カラー化:渡邉英徳(「記憶の解凍」プロジェクト):カラー化監修 片渕須直  >       (長いイントロダクション)秋水のことは、ずっと気になっていた。 僕の機体、M-02Jの大先輩に当たる機体。水平尾翼がなく、丸っこくてオレンジ色で、一見してかわいらしい、とも思えるフ

[補筆] 秋水/エンジンの裏側に見えたこと(1)

日本初で最後の有人ロケット? 雅な名前が多い旧海軍の航空機の中でも極北が、ここでこれから述べるJ8M秋水じゃないかと思っている.誰が名付けたかよくわからないようだが、刀の太刀筋のようなロケットの航跡をイメージさせるいい名前ではないだろうか. この機体の開発、実験については松岡さんの貴重な著作[1]でまとめられており、いまさら多少の検討で付け加えることなどほとんどない.狂気に近い図面化から試験までの時間の短さは、SpaceXでも真っ青なレベルなのだが、その姿をきっちりと描いてい