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「戦争にいったうま」

明治維新以降、日本は幾度もの戦争を経験し、馬たちもまた例外ではなく、ごく普通の農家で飼われていた馬が「軍馬」として徴用され、大陸に送られた馬もたくさんいて、その数は120万頭から150万頭ともいわれ、そのほとんどが日本に帰ってくることが出来ませんでした。

このお話は、大陸に送られた多くの「軍馬」のうち、いくつもの奇跡が重なって祖国に帰ってくることが出来た、1頭の馬の物語です。

実はこのお話、軍馬慰霊祭で知り合った方から聞いたことがあり「生きて帰ってこれた馬がいたなんて」と感動したのを覚えています。

この手の絵本になりますと、多少の脚色があって、美談チックに仕上げたくなるものですが、この物語の主人公であるランタン(勝山号)の馬主さんのお話にほぼ忠実にまとめられており、いかに「事実は小説より云々」の、奇跡のお話であったか、想像するだけで胸にグッとくるものがあります。私たちは、戦争の悲惨さを伝えるとき、こうした馬たち(ほかに多くの犬や伝書鳩なども犠牲になりました)も、私たち人間のために命を落としていったことを忘れてはなりません。

最後に、この本のことを教えてくださった「一般社団法人 馬と歴史と未来の会」様(@ahaltekeion2020 様)に改めて御礼申し上げます。

今日も、すべての馬が幸せでありますように。

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