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第7夜 空を飛んだウサギ

ある所に ウサギの兄弟がいました。

うさぎの兄弟には 頭に角が生えていて 他の動物たちから気味悪がられ山奥でひっそり暮らしていました。
そして お兄さんウサギは産まれつき 体が弱くずっと弟に面倒をみてもらっていました。

「いつも、すまないな……」

「いいんだよ兄さん…それじゃあ 食べ物を取ってくるからゆっくり待っててね!」

そう言って 言葉は元気でも 弟の背中は丸くなり 2人分の食料を集めるため とても疲れているのが一目でわかります。

その姿を見るとお兄さんは 心がギュッ締め付けられ 自分の病気を恨みました。

山で弟が食料を集めている途中 とても疲れたので少し休憩しようと 切り株に座っていると ビーバーが話しかけてきました。

「ウサギさん、どうしたんだい?顔もショボくれてとても疲れてるじゃぁないか?」

「ハハッ……わかるかい?そりゃ 毎日毎日 病気の兄の世話と自分のこと 両方してたんじゃ疲れちゃうよね……」

「なるほど。それじゃあ 良いものをあげるよ!」

そう言って ビーバーは 真っ白い木の実をくれました。

「これを砕いて鼻から吸うと 凄く元気が湧いてきて心も体も軽くなって まるで翼が生えたような気分になるんだ!最高にHighってやつだよ!」

口の臭いビーバーの言葉に弟は 半信半疑でしたが この疲れから逃れたく騙されたと思って一度使ってみることにしました。

そうして 細かく砕いた白い木の実を鼻から吸うと………

「なっ……なんじゃこりゃぁああああ!!!!」

と、弟ウサギは 叫び出し 曲がっていた背中がピンっと真っ直ぐになり目もカッと見開き あっという間に2人分……いや4人分は あろうかと思う食料を集めてしまいました。

「す、凄いよ ビーバーさん!確かに翼が生えたように体が軽くなって元気がモリモリ湧いてきたよ!」

そういうと 弟ウサギは『ハッ!』として何かに気付いたようでした。

「ビーバーさん……もしまだ この白い木の実があるなら分けてくれないかな?」

ビーバーは、
「この白い木の実を栽培して森の皆んなに配っている。」
と言うので弟ウサギは その日 集めた食料全部と交換してもらい2粒 分けてもらいました。

「兄さん!帰ったよ!!」

「あぁ、遅かったね…心配したよ。」

「それがね、兄さん!凄い木の実を分けてもらったんだよ!」

「木の実?」

「うん!この白い木の実を砕いて鼻から吸うと まるで翼が生えて飛んでるような気分になるんだ!僕もやってみたけど4人分くらいの食料があっという間に集められたんだよ!これを兄さんが吸えば きっと元気になると思う!
今日は もう遅いし眠れなくなったら困るから 明日の朝 試してみようよ!」

お兄さんウサギは少し怖かったですが 弟の熱意と実体験が語られているので断るに断れず 明日 白い木の実を試してみる事にしました。

そして、次の日のお昼前に 弟ウサギは ワクワクして 白い木の実を砕き お兄さんウサギの鼻の近くに持っていきました。

お兄さんウサギは 最初は ゆっくりと…そして 次に大きく吸い込みました。

すると…………

「ウリィィイイ!!!!!」

と、叫び出し 飛び跳ねるようにベットから起き上がりました!

「凄い!翼だ!翼が生えている!!」

そう言って 扉を蹴破って凄いスピードで外に飛び出していきました!

弟は 慌てて兄さんを追いかけます!

「兄サァーン!!待ってよー!」

弟の声は 聞こえましたが 翼が生えて嬉しくなった兄ウサギは その声を振り切って 目の前の崖から飛び上がろうと全速力で走ります!

兄ウサギは 思いっきり踏み切る瞬間 目をつぶり崖から羽ばたきました。


………ゆっくりと目を開けると キラキラとした太陽と青い空がどこまでも広がっていました。

兄ウサギは 高く高く飛び上がっていました。

「やった!!飛べた!飛べたぞぉお!!」

嬉しくなった兄ウサギは 周りをキョロキョロして空から弟ウサギを探しました。

そうして、下を見ると 弟ウサギが なぜか泣いています。

ワンワン ワンワン泣いています。

よく見ると動かなくなった自分をギュッと抱きしめて泣いています。

しかし、弟ウサギは どこかホッとしたような泣き顔でした。

兄ウサギは 全て理解して 弟に

「ありがとう………。」

と、つぶやいて そのまま 高く高く飛び立っていきました。

この話の教訓・・・白い粉はダメ!絶対!

サポートとは?・・・データマイニングの際の、相関分析の指標のひとつで、ある関連購買における支持率を表す。たとえば砂糖について卵の関連購買でサポートが20%の場合、砂糖と卵を一緒に購入する顧客が顧客全体の20%という意味である。 要するに心から嬉しいということでです!