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タケダ!タケダ!!タケダ!!!

ドリルです。

僕が 昔働いていた工事現場に、みんなから

『タケダのオッサン』と呼ばれている人が いました。


タケダのオッサンは、

背が低く

全体的にまん丸で 

頭の テッペンは壊滅状態 

そして 未練があるのか

残りの髪の毛を伸ばしていて 

簡単に言えば 

小ぶりな落武者風ベイマックスのような感じです。



そんな タケダさんと 一緒に仕事をした時のちょっと痛い お話しです………。



「タケダさん!

 今日は、えらい張り切って穴掘ってるやんか!

 なんか 良い事 あったん?」



「おう、ドリル!

 俺は、いつも元気やで!

 仕事終わりの一服とビールの為に

 こうやって 汗水垂らしてガンバっとんのや!!」



「そうなん?

 僕は 酒もタバコもせーへんから分からへんけど 

 無理しなや。」


「まぁ、給料分位は ちゃんと働かんとなっ!

 って痛ぁああ!!!!




「タケダさん!どうしたん!?」



「いったぁ〜、右手の親指挟んでもうたわ!」


「うわっ!タケダさん めっちゃ血ぃでてるやん!

 どうしよ!?」



「大丈夫や。こんなん、たいしたこと無い!

 ダンプにトイレットペーパーあるから

 ちょっと 持ってきてくれ!」




「トイレットペーパー?

 わかった!すぐ持ってくるからジッとしときや!」


僕は、急いで急に大便したくなった用に

常備しているトイレットペーパーを車まで取りに行き 

出来るだけ早くタケダのオッサンの元に

トイレットペーパーを届けようと走った!

そして、タケダのオッサンの元に着いた瞬間 

信じられない事が起きていた!



「ちょっ、ちょっと!!タケダさん!?

 何で左手からも血ぃ出てんの!!」



「いや…こんなんたいした事ないから 

 少しでも仕事 進めよう思って

 スコップ持って穴掘ってたら 

 また、地面と指挟んじゃって……。」



「最悪やん…。

 ほんで?トイレットペーパー持ってきたけど 

 どうすんの?」


「あぁ、ありがとう!

 それ、包帯みたいにして俺の指に巻いてくれ!

 ほな、血も止まるやろ?」



「まぁ、応急処置には なるやろうけど 

 ちょっと腫れてるし病院行った方が良いんちゃう?


「バカにすんな!

 こんなんで病院行くほど 

 やわに出来てないわ!!

 いいから指にトイレットペーパー

 巻いてくれ!」


そう言うと、タケダのオッサンは、

血だらけになった両手の親指を立てて

僕の前に突き出してきた。



僕は、言われるがままに両方の親指を

トイレットペーパーでグルグル巻きにした。



両方の指が まるで漫画で 見るような 

金槌で親指を殴って腫れた人

みたいになって なんともシュールな感じに

仕上がってしまった……。



「ま、まぁ、タケダさん…

 ここは、僕が続きやるから 向こう行って 

 ちょっと一服してきぃや。」



「そやな、俺は ちょっと血を流し過ぎたみたいや…

 とりあえず一服してくるわ。」



そう言うと、少し離れた木陰まで行き

ポケットから取り出しにくそうに 

タバコを取り出し、口に加え

反対のポケットからジッポを取り出し

少し困った感じで火をつけようとする。




僕は、どうするんだろうと思ってしばらく見ている。


タケダのオッサンは、

今 親指がトイレットペーパーでグルグル巻きに

なっているので使えない。

そこでなんとか人差し指でジッポに火を付けようとしている。


中々つかない……



何とも もどかしい………



あっ!ついた!


その瞬間!!





「あっつ〜!!」


タケダのオッサンの左手の親指が燃えてる!!


慌てて火を消そうと右手で左手を叩く!!

すると 勿論、



タケダの右手が燃える!!




遠目から見ると まるで火を操りし者みたいで

少しカッコイイと思ったが ……

いやいや!!


僕は 慌てて飲みかけのペットボトルを持って

タケダさんのもとに駆け寄った!





「熱い!!」

「痛い!!」

「熱い!!」

「痛い!!」


と、タケダさんは 繰り返し、

必死に火を消そうと腫れた指を地面に叩きつけていた。


笑っては いけないんだが笑ってしまい

ペットボトルに入ってるお茶をかけようにも 

狙いが定まらず 

落武者の頭にかけてしまう!



何とか足で踏んで火は、消せたが タケダさんは、





「やっぱり病院行ぐゥ…。」


と、涙目になりながら小さな声で僕に呟いた。


この話の本当度 80%

 確か 火傷、打ち身、切り傷で幸い骨には 異常がなかったみたいです。

怪我の二次災害には 十分注意しましょう。


サポートとは?・・・データマイニングの際の、相関分析の指標のひとつで、ある関連購買における支持率を表す。たとえば砂糖について卵の関連購買でサポートが20%の場合、砂糖と卵を一緒に購入する顧客が顧客全体の20%という意味である。 要するに心から嬉しいということでです!