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【コトダマ016】「人は皆弱き者である・・・」

人は皆弱き者である。この事を知らずしては、我らは真の同情を人に向って起すことは出来ない。

内村鑑三『ヨブ記講演』p.100

「同情」というのは今でいえば「共感」でしょうか。でも、言いたいことはわかりますよね。

『ヨブ記』や内村鑑三のことについて書き始めたらキリがないのでやめときますが、まあとにかく『ヨブ記』は福祉関係者必読ですよ。私たちが相手をしている人たちが「現代のヨブ」であることに気づかされると思います。私たちソーシャルワーカーは、ヨブの友人たちのようにはなっていないでしょうか。

とはいえ、ヨブ記はなにしろ「旧約聖書」ですから、決して読みやすくはありません。その本質を語りつくした名著がこの『ヨブ記講演』。まあこちらも100年以上前の文章ですから、とっつきにくい部分もありますが、なにしろ講演録なので非常に読みやすいです。

さて、標題の文章ですが、特に解説はいらないでしょう。ソーシャルワークとは、確かに「弱い者」を相手にすることが多い仕事です。でも、そもそも「弱くない者」なんているんでしょうか。誰もが弱いんです。だからこそ、人は人に共感できるのだと思います。

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