仮面ライダーエグゼイドVSナイチンゲール

「では、本格治療を開始します」

「ノーコンティニューで」「クリアしてやるぜ!」

お互いの医療スタンスをめぐり幾度となく対立と和解を繰り返してきた二人に決定的な転機が訪れた

片やパラドを病巣と断じ消去しようとするナイチンゲール

もう一方、パラドを己の一部と認め向き合い続けることを選んだ宝生永夢

二人のスタンスの違いは遂に戦闘という形にまで発展した!

パラドと永夢の変身したエグゼイドダブルアクションゲーマーの二人がナイチンゲールに猛進する

迎え撃とうとするナイチンゲールの銃が二人を捉える直前で二手に分かれるとそれぞれ別方向からの挟み撃ちの体制に入る

「……殺菌!」
「うお!?こっちに来た!」

ナイチンゲールは二手に別れたエグゼイドをそれぞれ一瞬づつ確認するとRサイド…パラドの方に狙いをつける

その鉤爪状の手袋で胸部をひっかくと一撃でライダーゲージの1/3が消えて無くなった

「オイオイ、マジかよ」
「パラド!」

いつのまにかパラドの背後に立っていた永夢が声を張り上げる、それを聞いたパラドが横に飛ぶと同時にガシャコンキースラッシャーの銃撃がナイチンゲールを襲う

パラドに注視するナイチンゲールは堪らずその銃撃を受けてしまった

「永夢、助かった!」
「尋常じゃないぞあの火力」

「いや、おかしい…火力が低すぎる」

疑問を持ったのは檀黎斗だった

「ナイチンゲールの攻撃はゲムデウスワクチンを利用したもの、バグスターウィルスに依存する生命及びシステムに特効する…双方の条件を満たすパラドなら一撃で消滅してもおかしくは……いや、そもそも」

「ナイチンゲールのゲームエリアでなぜ変身できている?アレはあらゆるバグスターウィルスの活動を極限まで制限する絶対非暴力エリアだぞ…」

力尽きた

ーーーーーー

何時ぞやの続きです

「俺たちのウィルスはゲムデウスワクチンから生き延びたウィルスを培養し直したものだからな、多少は耐性があるんだよ」

「ッ!薬剤耐性菌ですか、ますます以って度し難いですね」

永夢の銃撃で体制を崩したナイチンゲールにパラドが攻勢を掛ける

「よせパラド!いくら耐性があるとはいえ一撃が致命傷なんだぞ、君が消えたら永夢も変身できなくなるんだ!大人しく下がれ!」

「オレとエムの協力プレーじゃなきゃ婦長さんは納得しないだろ!」

「なんであれ私の主義は変わりません、あなたを切除し彼を救います!」

ウィルスのパラドではナイチンゲールに有効打を与えられない、それを看破した彼女も防御を棄て強引に反撃に移ろうとする

しかしその瞬間永夢の銃撃が的確に行動を阻害し着実にダメージを重ねていく

「ナイスエム!アンタの狙いがあくまでオレならオレはあくまで囮に徹して」
「僕が攻撃の出鼻を挫いてダメージを稼ぐ!」
「これが一心同体の協力プレーだ!」

「……認めましょう、貴方達は確かに二人で一人。一心同体の存在なのだと……だとしても!!」

ナイチンゲールの全身がワクチンの青い光に包まれる

「ええ、だとしても私は貴方を救います!例え『貴方』を殺したとしても『貴方』を救います!結果貴方が明日私に微笑まないとしても私は貴方を救うのです!」

\ドクターマイティー クリティカルストライク/

『全ての毒あるもの、害あるものを絶ち、我が力の限り、人々の幸福を導かん! 【我はすべて毒あるもの、害あるものを絶つ】!』

いつのまにかナイチンゲールの手には大剣が握られていた、それを地面に突き刺すことで新たにゲームエリアが上書きされる

「…救うのです、私が!貴方を!そのためなら私はなんでもするわ、ええ!なんでも!」

再び力尽きた

ーーーーーー

再び何時ぞやの続き

新たにゲームフィールドを上書きしたナイチンゲールが大剣を手に猛然とパラドに襲いかかる

「パラド!」

手筈通りに永夢が銃撃するが全く意に介さず突進を続ける

「嘘でしょ!?」

慌ててキースラッシャーをパラドに投げ渡すとギリギリでナイチンゲールとの鍔迫り合いに持ち込む
しかし拮抗は一瞬、パラドの防御を突き破り彼女の一撃が胸を袈裟懸けに捉えた

「なっ!?」

そのまま銃撃のために距離を取っていた永夢の側まで吹き飛ばされるパラド
慌てて永夢が助け起こすが既にそのゲージは残り1目盛まで削られていた

「防御も攻撃も弱くなってる!」

\人体理解!/\天使の叫び!/

「なんだあのエナジーアイテムは、私はあんなもの設計していないぞ!」

「これで治療完了です」

ナイチンゲールが剣を振りかぶった

パラドが消滅を覚悟し目を瞑る

しかし覚悟したような衝撃は訪れない

目を開ければナイチンゲールの斬撃を背中で受け止める永夢の姿があった

「う、ぐ…」

堪らず膝をつく永夢
彼のライダーゲージもまた風前の灯である

「パラドは…消させません!」

息も絶え絶えに、しかし意思のこもった宣言

「なぜそこまでして…」

「僕はパラドに命を救われたことがあります」

「……」

よろよろと二人で支えあいながらパラドと永夢が立ち上がる

「永夢、このまま終わる気は無いよな?」
「…当たり前だ!」

\デュアルガシャット!/
\マキシマムガシャット!/

「「MAX大変身!」」

三度力つきる

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