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人生を変えたお笑い番組。

中学生の頃、私はほとんど笑わなかった。学校が楽しくないというわけではなかったし、勉強にも部活動にも精力的に取り組んでいた。気質的に元々大笑いする方ではなかったが、あまりにも笑うことが少なかったと記憶している。学校の授業でクラス全員が笑っているのに、なぜか笑えない。テレビでバラエティ番組を見ていても腹の底から笑うことはなかった。

ほとんど笑ない性格のまま中学を卒業することなった。

中学を卒業してから、高校に入学するまで1〜2ヶ月ほどの期間があった。特にすることも無かったが、ふとある事を思い出した。幼少期に親から勧められてコント番組を見たことがあった。番組の名前は「ダウンタウンのごっつええ感じ」だ。1991年〜1997年にかけて放送された有名なコント番組だ。

私は自宅にあったパソコンからごっつええ感じのコントを観ることにした。観た感想はとにかく面白かった。久しぶり体が捩れるくらい笑ったのを覚えている。

何より登場するコントのキャラクターたちが人間臭いのが良かった。思春期の息子とその母を題材にしたコントや扱いの難しい大御所俳優に監督が気を使うという設定のコントまであった。

人間臭くて、どこか自分でも体験したことをテーマにしているから、共感せずにはいられなかったし、それが「面白い」と感じられるようにするテクニックは凄まじいと感じた。

高校入学後も純粋に面白いから見続けていたが、思わぬメリットもあった。

まずは日常生活で笑うことが増えた。コントやお笑い番組を見たおかげで、面白いポイントを見つける能力が身についたのだ。全く笑えないことも見方を少し変えると滑稽に見えてくることがある。ごっつええ感じは、「面白い見方」を丁寧に教えてくれる教科書なのだと思う。

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