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暮らしと感情

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東京と離島で二拠点生活中の人間が、暮らしとその中で生まれる感情について近眼気味に綴るマガジンです。週に3度は更新予定。役に立つことは書きません。
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2024年4月の記事一覧

一旦、感じた通りにやってみた

小学校高学年の頃、プロフ帳が流行っていた。少し厚手の紙に自分の自己紹介を書いて互いに交換するやつだ。そのなかには必ずと言っていいほど「得意なこと」を記入する欄があったのだが、わたしはそこにいつも「ディベート」と書いていた。多分きっかけは、五年生の頃の授業だと思う。 ディベートは確か道徳か国語の授業の一環としてなされていた。三人ひと組のチームを二つ作って、賛成派と反対派に分かれて「給食のあとにお昼寝タイムがあった方がいいか」とか「小学校と中学校は一緒になった方がいいか」みたい

ドールのホルン

ホルン、という楽器をあなたは知っているだろうか。まるくてカタツムリみたいな形をしており、お腹のところで抱えてやわらかく吹くと「ほーん」という音が出る金管楽器だ。そしてわたしはホルンを見ると、たいてい腸を思い出す。そう、消化器官の腸。お腹の中で絡まりもせず見事に収まっているあのくだは、全部引き伸ばすと6メートルの長さにもなるらしい。ホルンもそれと同じようなもので、あんなにちんまりとまとまっているのに管の長さは全長4メートルなのだという。 中学生の頃、オーケストラ部の体験入部で