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暮らしと感情

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東京と離島で二拠点生活中の人間が、暮らしとその中で生まれる感情について近眼気味に綴るマガジンです。週に3度は更新予定。役に立つことは書きません。
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2020年10月の記事一覧

リンゴの美味しい食べ方を、わたしは忘れたくなくて

日曜日の朝。まだ人気のない神保町の街を、とぼとぼと歩く。 目指すのは、大通り沿いにある、一棟の雑居ビル。 エレベーターに乗り込み、「3」のボタンを押す。 降りた先には、「無用之用」と書かれた看板が立てかけられていた。 木箱に入った無数の古本たちが、わたしを出迎える。 ぽつねんと入り口付近に佇むわたしに、いつもの店主さんが無言で会釈をする。 わたしは深々とお辞儀を返し、それから、本の海の中を彷徨い出した。 ・・・・・ 友人からその知らせが入ったのは、土曜の夕方のことだ