スイスでの農業研修

こんにちは、はちです。


私が経験したスイスでの農業研修について少し書いていきたいと思います。細かな内容まで書いていたら終わらないので、それぞれのエピソードはまた思い付いたら書いていくことにして、今回はおおまかな流れのようなものを書いていきます。

もう研修終了して約8年経っているので、記憶違いや現状と変わっているところもあると思いますが、当時のことを思い出しながら書いていくので、ゆるっと読んでいただければと思います!


大学卒業後(出国が3月はじめだったので大学の卒業式には参加できませんでした。)、スイスで一年間農業研修をしてきました。


国際農業者交流協会というところが実施しているプログラムで

アメリカ、ヨーロッパ(ドイツ、オランダ、デンマーク、スイス)の中から選んで研修を行なうというものでした。


まず、なぜスイスを選んだのか。

スイスは比較的小規模な農業で家族経営で行なっているところがほとんどです。なので、家族と一緒に暮らしながら研修ができるというのが私にとって大きな魅力でした。

また、複合農業(酪農と野菜、酪農と果樹など)をしているというところも気になりました。

私自身、農家出身なので、スイスの農家ではどのように農業と生活を送っているのか知りたいなと思いました。

私が研修に行った年には、ヨーロッパに30人程、その内スイスへは9人の研修生が参加しました。

スイス到着後、まず2週間はチューリッヒで2,3人ずつに分かれてホームステイをしながら昼間語学教室に通い、スイスの生活に慣れる期間がありました。スイスは地域によって、フランス語·ドイツ語·イタリア語·ロマンシュ語と4つの言語が話されていて、私たちが研修する農場はどこもドイツ語圏で、ドイツ語を学びました。

ホームステイ期間後、いよいよ農業研修のはじまりです!今まで一緒だった研修生と別れ、それぞれ一人ずつ研修先の農場へ派遣されます。



私がお世話になった農場は

農場主(Chef),奥さん(Chefin),二人の子どもたち の4人家族で、

肉牛(30頭)の飼育、馬(11頭)の管理、サクランボ(1ha)·プルーン(0.5ha)の栽培をしている複合農家でした。


私の任されていた仕事内容としては馬の管理と果実の収穫出荷作業(夏場の収穫期のみ)と家事全般です。

スイスでは男性は外の仕事、女性は家の仕事というのが一般的なようで、私たち女子研修生も例外ではなく農作業だけでなく家の仕事も任されました。(私だけではなく一緒に行った他の女子研修生も家事を任されていました。)

なので、私のボスは奥さん(Chefin)でした。

Chefinから馬の世話の仕方から家事まで全てを教わりました。

言葉もよくわからず、仕事の要領も悪い私を厳しく時に優しく熱心に教えてくれたChefinには本当に感謝しかありません。

また、家族のみんなもすごく良くしてくれて、休みの日に一緒に出かけたり、子どもたちの学校の行事に連れていってもらったりしてもらいました。

一年間、家族と共に過ごすことで、農業のことはもちろんスイスの生活や文化などたくさんのことを学べました。

私が一番知りたかった農業と生活の送り方ですが、仕事と休みをしっかり決めているなと感じました。私とChefたちと交代で2週間に一度土日は休み、毎週日曜日は動物がいるので朝夕の世話がありますがそれ以外の時間は休みでした。(果実の農繁期は例外です。)

私は休みの日には家族と過ごしたり他の研修生の農場へ遊びに行ったり、一人で電車に乗っていろんな町を訪れてみたりしていました。また、夏には一週間夏休みをもらえたのでスイス国内旅行をしました。もちろんChefたちも夏休みがあり家族旅行へ行ったので、その間は私とChefのお父さんたちで農場の留守番を任されていました。

また、普段の休憩時間も大切にしており、午前と午後でそれぞれ20分間休憩時間があったのですが、私が仕事が残っていたのでちょっとお茶を飲んだだけですぐに仕事に戻ると、

「休憩時間が短すぎる!!」と叱られることが度々ありました。休みが少ないと怒られるのはなんだか新鮮でした。

日曜日は休みの日なので、使った食器を洗おうとしていると(洗うと言っても食洗機回すだけ)、「今日は休みだからやらなくていいよ!!」と言われたこともあります。

スイスの農家が全部そうとは限りませんが(私はこの農家しか知らないので)、仕事のオンオフの切り替えがしっかりしてるなーと思いました。

あと、「家事」を仕事として見ているなというのが日本との大きな違いのように感じました。スイスでは家政婦さんを雇う人も多く、家政学校もあります。

日本では(主語が大きくなってすみません。)農作業の合間にお母さんが家事をこなすことが多いと思いますが、スイスでは家事も仕事なので、きちんと家事の時間を設けていて、例えば私のいた農場では毎日11:15~は昼ごはんの準備をしていました。

「男性は外での仕事、女性は家での仕事」

同じようでも日本とスイスでは考え方が違うなと感じました!


一年間の長いようで短い研修の間、本当にたくさんのことを経験でき学ぶことができました。そして、私のやりたい農業の形を見つけることができた大切な農業研修。たくさんのエピソードがあるので、自分が忘れないためにも少しずつ残していきたいと思います。

長文になりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?