2023-10-29
2023-10-29
このところKindle Unlimitedでブルーバックスの新しめの本が大量に無料で読めるようになっていて、ついつい読んでしまう【慳貪なりけるおれカネゴン】
生物系と地球科学系、特に分子生物学や進化生物学や地質学周りで続々当たり本が見つかるので、カネゴン幸せです【シンプルマインドおれカネゴン】
まず驚いたのは、遺伝暗号ことコドン
かれこれ数十億年も全生物のmRNAで共通で使われているコドン表を眺めていると、20種類のアミノ酸をエンコードするのに4^3=64文字という冗長性を贅沢に用い、そこにアミノ酸を綿密かつ周到に割り当てることで、3文字目が欠落したときの影響を最小限に留めるほどの耐ノイズ性と将来の拡張性を確保していることに気づき、どこのどなたか存じ上げないけど設計の腕前が特級品にうまいことに舌を巻いてしまいました【神を恐れよおれカネゴン】
カネゴンはついついUnicodeのUTF-8という優れもののエンコーディングを連想してしまいました
しかしよく考えてみたら、このエンコーディングは分子レベルで物理法則(たぶん量子化学に踏み込んでる)に従っているに過ぎないのでした
そしてもうひとつ驚いたのは、DNAのメカニズムでした
CとG、そしてAとTの間の水素結合は他の結合に比べてとても弱いので、ダブルヘリックスの端っこをつまんで両側に引っ張ればピロリンと何度でも気持ちよく切り離すことが可能であり、どなた様もきっと癖になること請け合いでございます【七日七晩おれカネゴン】
そして、その切り離した1本を、AやTやCやGが豊富に漂っている細胞液内で軽く振り回せば、相方となる塩基が勝手にわらわらと寄ってきて水素結合してくれます(もう1本も同様)
かくして遺伝情報が究極の精度と速度をもって超効率的に複製されます
DNAのデオキシリボースによる紐はとてもしなやかで丈夫にできている(RNAはもっとヤワらしいけど)一方、塩基の水素結合は絶妙にはがしやすくなっているので、両者の物性の違いを見事に活用した設計の見事さと長持ち具合にカネゴン感心いたしました
塩基CとGの間には点線が3つあり、塩基AとTの間には点線が2本あるのだけど、このメカニズムの違いによってCはGとしか結合せず、AはTとしか結合しないという驚異的な選択機能を実装している
DNA複製中、1秒間にディオキシリボースを50〜500個も処理する能力を支えているのがこうした機能だったりします
こういうおもちゃをこしらえて商品化することは可能でしょうか【遊びをせんとやおれカネゴン】
塩基AやTやCやGに相当するパーツを丈夫な紐につなげて並べ、バケツに入れた塩基パーツの中に紐を入れて軽く撫で回すと、相方となる塩基を勝手に吸い寄せ、あとはそっちにも紐を通せば完成、といった具合のおもちゃ
こういう形だけの子ども騙しなおもちゃではなく【騙され名人おれカネゴン】、2本を確実かつ簡単にピロリンと引き剥がせ、しかもA=TとC=Gだけが互いに引き合う選択メカニズムを備えていないとカネゴンは満足できません【手足ばたばたおれカネゴン】
商品化したときのお礼は1割で結構です【取らぬ狸のおれカネゴン】【マーチャン大好きおれカネゴン】
しかし磁石や電磁石や静電力といったマクロかつ大ざっぱな原理だけでは、ちょっと実現できそうにないと思われます
塩基パーツAはパーツTにしかくっついてはならず、パーツの向きがどうであってもCやGと引き合ってはならない
同様に、塩基パーツCはパーツGとしか引き合ってはならず、パーツの向きがどうであってもAやTとくっついてはならない
この厳しい要件をクリアするために何か方法はないものか、しばらく考えてみます【帰ってこぬとはおれカネゴン】